やくざ
坊主


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映画 やくざ坊主


公開:大映 1967/11/15
監督:安田公義
製作:大映京都

内容:勝新太郎、小川真由美。音楽は曽根幸明という資料と渡辺宙明という資料(CD KICA-3028~9)があってよくわかりません。観たことある人は教えてね。




映画 続・やくざ坊主


公開:大映 1968/07/13
監督:池広一夫
音楽:渡辺岳夫
製作:大映京都

内容:旅の坊主の竜全(勝新太郎)は、ぱんつ丸出しでぎゃんぶる・あくしょん・お色気をやりほうだいの破戒僧。風呂につかって浪曲を唸る。しかし彼の他にも悪い坊主がいた。そいつらを懲らしめる・・のではなくて、弱みを握ってユスってタカって大活躍する。他に朝丘雪路、松尾嘉代。


オープニングシークエンス

大映マーク
 Aマイナーで勢いのある短いメロディー。以下、切れ目なくイントロ(Cメジャー)〜メインタイトル(Aマイナー)という構成です。

イントロダクション
 いきなり勝新のデバガメ場面。ラテンからボサノバ調のCメジャーで陽気です。

メインタイトル
 威勢の良い男声合唱で、お経みたいな歌詞です。何を言っているのだか不明なので、仏教関係の方でおわかりになったら教えて下さい。得意のB♭が出てくるものの、Aマイナーの中で「Am|Am|B♭|B♭|Am|B♭|C、B♭|C、B♭」などと平べったく上下していてお経みたいな進行ですな。


ラテン劇伴

 各種パーカッションを取りそろえ、うるさいくらいに景気良く鳴っている。ラテンのクラーベみたいなリズムを刻んでいるのはリムショットと思われる。3・2クラーベの3ばっかりなのだが、これがワンパではなくて結構いろいろな鳴らし方で面白い。
 勝新は調子にのって、宿のお女中とマンボまで踊っちゃうぞ。


お色気劇伴

 あやしいお色気場面では、アコギ(とっても不協和)とフルートの対話曲。伴奏はシンバルやマラカスだけだ。やがてティンパニが低音で静かに忍び寄った。が、それは破戒坊主の勝新だった。他人の女郎買い場面を邪魔してユスリを働く最低和尚。


旅路の音楽

 「A、B♭、B、B♭♪」という半音階を繰り返す一節がある。F#とD音がいっしょに鳴り続けるようだが、コード進行は「D、D(#5)、D6、D(#5)」だろう。これはクリシェと呼ばれる手法です。同じようなコードが長く続くときに、声部のひとつに変化をつけるわけです。例えば「Cm、Cm(#5)、Cm6、Cm(#5)」とすれば、ある有名な映画音楽を思い出すはず。
 後半は記憶喪失(?)の美女・お露(松尾嘉代)を道連れに、音楽も色気を帯びてくる。やはり一部パートが「A、A♭、G、G♭」という半音階を聞かせる。


テーマ群

 大映マークのメロディーはブリッジに現れるのみで、それも一回だけ。メインタイトルはお経なので、これといって印象的な「やくざ坊主のテーマ」に相当するものは見あたらない。
 ただし映画後半では比較的明るい主題が演奏される。これは「お露のテーマ」と見なして良いだろう。


クライマックス〜エンディング

 ズ太い男声で「うう〜、うう〜」と念仏を唸りたて、勝新の豪快な高笑いと共にお経ソングの大合唱である。エンディングは、ボサノバから男声合唱(お経ではない)の「C|A♭|CM7」で締める。


その他特徴

 打楽器だけでなくブラスにもパンチが効いており、欠かせないフルートやエレキギターも活躍。ムーディーなサックスまでてんこ盛り。コミカルなアクションに合わせた軽快な音楽も丁寧にちりばめてある。




VTR HTH-1399「やくざ坊主」
VTR HTH-1400「続・やくざ坊主」




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