あゝ
忠臣蔵


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TVD あゝ忠臣蔵


放映:KTV 1969/04/05〜1969/12/27(全39回)
監督:倉田準二
音楽:渡辺岳夫
製作:東映

内容:山村聡主演。大奥の後番組。関係ないがキーハンターでデビューする前の宮内洋が研修のため出ている。「華麗なる元禄時代に美しく生きる、男の哀愁」を意図した作品とのこと。


あゝ忠臣蔵

作曲:渡辺岳夫
編曲:毛利猛
演奏:渡辺岳夫とチェンバリカ・アンサンブル
FS-21,TFC-1621~6,KIVE-39,FS-5036,TECD-24619,TECH-25028

 クリスタルギター(レキシントンギターに鉄線を張ったもの)がメロディを奏で、チェンバリカとマンドリンがこれにからむ構成。ブラスやストリングスは、皆バックに控えるという贅沢な編成だ。渡辺岳夫が何の楽器を演奏したかは不明。
 Amキーのしめやかな曲だ。Bメロは「C|D|E・・」とメジャーコードを並べたてて明るく、それでいて格調高く展開する。最後はAのメジャーコードで終わるところが、同'69年作品「アタックNo.1」と共通している。


お軽のテーマ

作曲:渡辺岳夫
編曲:毛利猛
演奏:渡辺岳夫とチェンバリカ・アンサンブル
FS-5036,TECH-25028




EP FS-21「あゝ忠臣蔵/五辨の椿」(廃盤)

CD TFC-1621~6「チャンバラ万歳」
CD TECD-24619「懐かしのTV時代劇テーマ・ベスト集 チャンバラ・パラダイス」
CD TECH-25028「忠臣蔵グレイテスト・ヒッツ」

VTR KIVE-39「渡辺岳夫の世界」


LP FS-5036「チェンバリカ・サウンドによるテレビドラマ主題歌アルバム」(廃盤)
 演奏・渡辺岳夫とチェンバリカ・アンサンブル、指揮・渡辺浦人とクレジットされている。「大奥」「あゝ忠臣蔵」「ながい坂」「アーラわが君」「わが母は聖母なりき」「俺は用心棒」「花のお江戸のすごい奴」といった渡辺作品を収録。他には「ザ・ガードマン」(菊池俊輔)、「お嫁さん」(宮川泰)など。




 第一回、美しき元禄の春〜運命の勅使下向〜忍耐の七日間〜刃傷松の廊下〜赤穂大評定〜山科の別れ〜大石東下り〜南部坂の別れ〜討ち入り前夜〜吉良邸討ち入り〜曉の勝鬨〜最終回、花の四十七士までの三十九回。

 「あヽ忠臣蔵」は前年「大奥」で好評を得た東映が全力を注いで製作した大型テレビ時代劇です。「忠臣蔵はお家芸」の東映とはいえ、九ヶ月間に及ぶ長丁場はかなりの冒険であったと思われます。松の廊下の刃傷から討ち入りまで、どうやってつなぐか?視聴率優先のテレビにあって、最大の課題であったでしょう。しかし高岩肇さんの脚本、渡辺岳夫さんの音楽によって、毎回「別離の情」を見事にうたいあげて、見るほうの感情を高めつつ年末の討ち入りまで持っていく、見事にあたった作品となったのです。忠臣蔵は「長期の番組には向かない素材だ」という先入観を跳ね返し、討ち入りの当日のテレビ覧には「いよいよ今夜、討ち入り!」との番組説明がつくほどの反響だったことも覚えております。この年の十二月十四日、東京芝、高輪泉岳寺には例年の五倍の参拝があったとも聞いております。

「あヽ忠臣蔵」の影響
 ジンクスを乗り越えて好評を拍した事に味をしめてか、あくる年に他の民放で「大忠臣蔵」が放映されましたが「忠臣蔵は4〜5年に一度当たる」というジンクスは生きていたようで「あヽ忠臣蔵」ほどには至らなかったようです。私にとってその最大の要因は番組の雰囲気をかもしだす「音楽」の存在でしかないと思われるのであります。「あヽ忠臣蔵」において渡辺岳夫さんの感涙を誘う音楽が耳に残る視聴者にとって、比較してなにがもの足らないかと言えば、こういう結論になってしまうのです。

エピソード
 数年後に子供たちに人気を得た「仮面の忍者赤影」。あの赤いマスクの下の「素顔」が見たい!と思った子供たちは多かったはず。坂口徹さん?だったか、チャンと出ていました。「あヽ忠臣蔵」に大石瀬左衛門役で、、、。俵星玄幡の妹、大原麗子さん演じる「しの」の恋の相手として、、、。

意外?なこと
 どっちかというと「悪役」の方が多かった故、小池朝雄さん。「あヽ忠臣蔵」では片岡源五右衛門を見事に演じられました。あヽ忠臣蔵がはじまる一時間ほど前の「キーハンター」にはギャング役で出ていたのに、、、。

やはり、この人
 番組のなかでキーポイントになる役柄はかならずあるもので、このキャストを間違える?と番組のイメージ全体が壊れてしまう。吉良上野介を演じた故、山形勲さんは、まさにこの人である。貫禄、声いうことなし!「老獪な吉良殿」を見事に演じられて、憎さも百倍、「大坂城の女」でも徳川家康を演じておられたが、他の追従を許さぬ「悪役」においては本当に稀な俳優さんでした。のちに吉良を誰が演じようと「あのときの山形勲さんのほうが、、」とつい思ってしまうのであります。

語り手、石坂浩二さん
 この年は石坂さんにとっては、まさに「当たり年」。というのも、この年のNHK大河ドラマ「天と地と」の主役だったのですから。ちなもに大河ドラマは「天と地と」からカラー放送。そうしてみると、前年の「大奥」はカラー放送だったから、やはり意気込みはすごかったのでしょうね。私の家はもちろん白黒テレビでした、残念!

 調子にのって随分と長くなりました、、、以下、「あヽ忠臣蔵」の主なキャストと主な出演回を列記します。ご参考までに、、、

浅野内匠頭長矩..........松方弘樹

阿久里(揺泉院)..........高田美和
大石内蔵助..............山村 聡
大石主税................三田 明
大石りく................木暮美千代  山科の別れ
堀兵衛安兵衛............梅宮辰夫
その妻、ゆき............御影京子
堀兵衛弥兵衛............伴 淳三郎

片岡源五右衛門..........小池朝雄
赤垣源三................夏八木 勲  討ち入り前夜
神崎与五郎..............中山 仁   南部坂の別れ
大高源五................中谷一郎
大石瀬左衛門............坂口 徹

萱野勘平................里見浩太郎  おかると勘平
おかる..................美空ひばり (  同  )

毛利小平太..............天知 茂  毛利小平太は死なず
その妻..................長内美那子
不破数右衛門............中村竹弥  不破数右衛門誉れの恋女房
その妻..................松山容子
岡野金右衛門............沢井忠雄  恋の絵図面取り
寺坂吉右衛門............高橋昌也
矢頭衛門七..............小林芳宏
その母..................三益愛子

天野屋利兵衛............金子信雄  男一匹、天野屋利兵衛
神崎与五郎..............中山 仁  南部坂の別れ

祇園一力の太夫..........桜町弘子   祇園一力
戸田の局................阿井美千子  南部坂の別れ
揺泉院の側近おてる......岩井友見  (  同  )
吉良邸の女間者..........三島ゆり子 (  同  )

上杉家家老、千坂兵部....西村 晃  吉良邸討ち入り
清水一学................名和 宏  (  同  )

脇坂淡路之守............岡田 進  刃傷松の廊下
仙石ほうき之守..........高田幸吉  花の四十七士
土屋相模守..............大友柳太朗 大石東下り、曉の勝鬨
塩山井左衛門............金田竜之助  討ち入り前夜

俵星玄幡................長門 勇
その妹、しの............大原麗子
そばや廉月庵の女将......森 光子  吉良邸討ち入り
大工棟梁................千秋 実  恋の絵図面取り
吉良家傭人、松原多仲....遠藤多津朗

吉良上野介..............山形 勲

ほかに土田早苗、長谷川待子さんなども出ておられました。

 ついでに第三十八回、曉の勝鬨において山村 聡さん演じる大石内蔵助が山鹿流の陣太鼓を背景に語る、討ち入り、口上書の部分。このへんが東映の手腕のうまさであると思います。

 昨年三月、主人内匠頭儀、勅使院使下向に際し、吉良上野介殿に意趣含みまかり有り候処、・・・(中略)・・・私共死後、もし御見聞の御方、御座候はば、御被見願い奉り、かくのごとくに御座候。以上、浅野内匠頭家来口上書
奥村佳央さん 2001/04/09




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