もともとは、'69年のアジア競馬会議のための音楽です。実に30年近くの時を経て、'98年2月28日に中京競馬場で聴いてきました。「特別競争」といって、賞金がやや高いレースの入場時に演奏されました。概ねこのような音楽です。
サラブレッドマーチ作曲:渡辺岳夫
編曲:鷺巣詩郎●短いファンファーレ
●イントロは、「交響曲第5番、運命」(作曲:ベートーベン)の冒頭に似ています。
●テーマは、「乾杯の歌」(作曲:ヴェルディ、紅白歌合戦の入場の曲です)に似ています。
●ブラスのマイナー進行で、カッコ良いところがあります。
●その後は華やかな展開で、シンセドラムが「ちゅどど、ちゅどど」と豪快です。
●トリオ部分では、6/8から2/2(または2/4)にリズムが変わっています。
●再び「乾杯の歌」に似たメロディーです。
競馬場で聴けるのはVTR KIVE-39「渡辺岳夫の世界」に収録のバージョンのようです。ただし、ビデオにはトリオはありません。ということは、「ちゅどど」バージョンのトリオを聴くには、競馬場に行くしかなかったのですね。今現在はどこの競馬場に行けば聴けるかわかりません。取材に行った中京競馬場はとてもキレイでした。でも夕方にはゴミだらけになってしまいます。はずれ馬券はゴミ箱に捨てましょう。取材活動の一環として、連勝複式で投票(馬券を買うこと)してみましたが、学生と未成年は投票できないキマリなので注意してください。
サラブレッドマーチ作曲:渡辺岳夫
編曲:小谷充
演奏:航空自衛隊航空中央音楽隊
KICG-3054,KICW-3013こちらオリジナル編曲。鷺巣編曲版との相異点を列挙しましょう。
●イントロは、「運命」に似ていません。
●メロディーの一部が異なっており、「乾杯の歌」にはそれほど似ていません。
●シンセドラムの「ちゅどど」はありません。どちらかというと上品です。
●弦楽は使用しておらず、サックスや木管群が活躍します。いわゆるブラスバンドによる、正調マーチなのです。
計6場の特別競走の出走馬本馬場入場時に流される音楽正確には、JRAの関西エリアの競馬場(中京、京都、阪神、小倉)の4場と、北海道エリアの競馬場(札幌、函館)の2場の計6場の特別競走の出走馬本馬場入場時に流される音楽ということになります。
中央競馬がもっとメジャーになる前は、今で言うG1競走の本馬場入場時に使用されていました(関西エリアだけかどうかまではわかりません)。現在の「サラブレッド・マーチ」は勇壮な行進曲といった雰囲気ですが、当時はもっとゆったりとした曲調だったみたいです(「名馬物語」といった昔の名馬の回顧録のビデオなんかでちらっと耳にした程度で全部を聴いたことはありませんが以下は基本的に「優駿」誌(JRA刊)'95年9月号に掲載の内容をそのまま列挙しています。その後中京にG1競走が創設されたので、この部分だけこちらで手を入れています。
一般競走入場行進曲/作曲者 東京・中山 白馬のギャロップ すぎやまこういち 京都・阪神 炎のウイナー 鷺巣詩郎 札幌・函館 炎のウイナー 鷺巣詩郎 福島・新潟 白馬のギャロップ すぎやまこういち 中京・小倉 炎のウイナー 鷺巣詩郎 特別競走入場行進曲/作曲者 東京・中山 パドック・マーチ すぎやまこういち 京都・阪神 サラブレッド・マーチ 渡辺岳夫/鷺巣詩郎 札幌・函館 サラブレッド・マーチ 渡辺岳夫/鷺巣詩郎 福島・新潟 パドック・マーチ すぎやまこういち 中京・小倉 サラブレッド・マーチ 渡辺岳夫/鷺巣詩郎 重賞競走入場行進曲/作曲者 東京・中山 クロマティック・マーチ すぎやまこういち 京都・阪神 ドラマティック・ワン 鷺巣詩郎 札幌・函館 ドラマティック・ワン 鷺巣詩郎 福島・新潟 クロマティック・マーチ すぎやまこういち 中京・小倉 ドラマティック・ワン 鷺巣詩郎 G1競走入場行進曲/作曲者 東京・中山 グレードエクウス・マーチ すぎやまこういち 京都・阪神・中京 ザ・チャンピオン 鷺巣詩郎 ファンファーレ作曲者(一般・重賞・特別競走) 東京・中山 すぎやまこういち 京都・阪神 宮川泰 札幌・函館 鷺巣詩郎 福島・新潟 服部克久 中京・小倉 川口真 G1競走ファンファーレ作曲者 東京・中山 すぎやまこういち 京都・阪神・中京 宮川泰ちなみに、「ドラマティック・ワン」は「炎のウイナー」の焼き直しです。
milfordさん 1998/03/30
CD KICG-3054「世界のマーチ ベスト・コレクション〜若い力/スポーツ・マーチ傑作集」
CD KICW-3013「スポーツ・マーチ・ベスト/陸上自衛隊中央、陸上自衛隊東京、航空自衛隊中央」VTR KIVE-39「渡辺岳夫の世界」
CD POCX-1095「KING OF TURF 中央競馬のファンファーレ」
残念ながら「サラブレッドマーチ」は未収録ですが、ちょっと面白い盤なので紹介します。すぎやまこういち総合プロデュース。津堅直弘ブラス・アンサンブル演奏。JRA競馬場のファンファーレ17曲と、すぎやま作曲の行進曲5曲を収録。東京&中山G1ファンファーレは、5拍の小説が挿入される劇場チックすぎやまロマン節。
競馬学校校歌作詞:志摩直人
作曲:渡辺岳夫
編曲:小六禮次郎
歌:ボニージャックス
EP PRA-10929(廃盤)「競馬学校校歌/カラオケ」
公開:東宝 1968/04/27
監督:野崎健輔
音楽:渡辺岳夫
製作:中央競馬会
年代:1973
製作:中日映画
年代:1977
製作:中日映画
もしかしたら、馬とは何の関係も無い作品かもしれません。
馬の文化史