喧嘩屋一代
どでかい奴


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映画 喧嘩屋一代 どでかい奴


公開:大映 1970/11/14
監督:池広一夫
音楽:渡辺岳夫
製作:大映京都

内容:勝新太郎、山内明、藤田弓子。スラム街の一匹狼が大暴れする。噛むほどに邦画エンタテインメントの味がしみ出す池広演出に、勝新の魅力さくれつ。


オープニング DB1
KICA-3028~9

 TV時代劇「燃えよ剣」(同'70)のオープニングとクリソツ(昔風の言い回しです)のファンファーレ。劇音楽の使いまわしはロッシーニもやってたそうだから全然問題ありません。Amから始まって、最後にEメジャーを「ば〜ん」と響かせる。
 KICA-3028~9のライナーには「ダイニチマーク」とありますが、ビデオで見るとマークには「映」の文字なのでよくわかりません。ビデオではさしかえてあるのかも。


メインタイトル DB4A
KICA-3028~9

 このテーマ音楽はTVアニメ「天才バカボン」(翌'71年)の劇伴音楽M-118とクリソツで、編曲が多少異なっており、これでいいのだ。音楽が休止するポーズ部分が2カ所ある。映画タイトルでの止めと、「勝新太郎」の名前がクレジットされる部分だ。喧嘩パンチの効いたエレキ&ドラムのリズム。トランペットが奏でるメロディーは胸にじ〜んとくるモノがあり、ファンには一聴の価値あり。往年の映画人のド根性&バイタリティーが伝わってくるぞ。
 「Dm|Dm|G|G|Dm|Dm|E|E|Gm7|Gm7|FM7|FM7|B♭M7|FM7|Gm7、F|F」Dマイナーで始まってFメジャーで終わるという、ナベタケ人情節のパターンです。フルートの華麗なフィルインやソロも堪能できる。


再会 DB29
KICA-3028~9

 雨の降りしきる中、仮釈放される勝新。雨中で湿ったけだるい心情の音楽。曲の後半では、メインテーマをボサノバ調で演奏する。こちらのトランペットにはミュートがついています。フルートにもエコーがたっぷりかかっており、文字通りウェットな場面によく似合う。




CD KICA-3028~9「サウンドトラック・ルネッサンスシリーズ/勝新太郎コレクション」
 勝新主演作をあれこれ収録したアルバム。「喧嘩屋一代 どでかい奴」から上記の3曲を収録している。他に冨田勲、伊福部昭、小杉太一郎、塚原哲夫、斉藤一郎、大塚善章、浜口庫之助、鏑木創、村井邦彦、青山八郎らの音楽を収録している。佐藤勝の「人斬り」の音楽は、比較的たくさん収録している。




うたもの

 ゴーゴーキャバレー(?)のような風俗的飲食店で、合計3曲歌われる。作曲者等のデータ不詳。


クラブの音楽

 ヤマ場のダンスクラブシーンでバンドが演奏する音楽群は、ややナベタケ的なインストもの。本格マンボも演奏される。作曲者は不明だが、少なくとも演奏は映画のためのオリジナルだろう。


その他の特徴

目立つサウンドは、やたらに「だんどん」するティンパニ、やけに音量が大きな拍子木、「ぷはぁ」と音程を下げるトランペット。

テーマ曲やエンディングなど、Dマイナーになっている。そのわりに、オープニングはAマイナーだったりする。この作品もそうだが調性選択の必然性などにはわからない事が多い。




VTR HTH-1408「喧嘩屋一代 どでかい奴」




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