緊急指令
10-4・10-10


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TVD 緊急指令10-4・10-10


放映:1972/07/03〜1972/12/25
音楽:渡辺岳夫
製作:NET、円谷プロダクション

内容:科学者・毛利晴彦(黒沢年男)と電波特捜隊が、無線を駆使して怪事件を解決する。変身ヒーローなんかは登場しない円谷特撮アクション。当時は携帯電話なんかなかったのです。あらためて本編鑑賞すると「少女と花と天国」のエピソードで「アタックNo.1」劇伴の大量流用なども発見される。


緊急指令10-4・10-10 OP

作詞:東京一(円谷一)
作曲:渡辺岳夫
編曲:松山祐士
歌:水木襄、ザ・ブレッスンフォー
APM-4020,CX-8,DT-1002,TC-3017,FHCF-2226~7,VPCD-81116

 さすがは円谷作品、音楽に手抜きなし。冬木透作品にも負けぬ豪華主題歌である。ホルンとティンパニは勇気のシンボルだ。このティンパニはペダル付きで、余韻の音程を変化させている。脇を固めるピアノとギターにも手抜きなし。
 「10−4・10−10♪」は決して忘れられぬ、永遠のリフレイン。B♭メジャーでの「B♭|C|E♭|B♭」は「I|II|IV|I」となる。メジャー進行でのIIメジャー、そしてII〜IVの流れは、なんて明るく暖かなのだろう。


電波特捜隊

作詞:東京一(円谷一)
作曲:渡辺岳夫
編曲:松山祐士
歌:水木襄、ザ・ブレッスンフォー
APM-4020,CX-8,DT-1002,TC-3017,VPCD-81116

 副主題歌。こちらも希望が沸いてくる名曲だ。歌メロにからむ松山ベースや、弦の響きを堪能できる。「災害日本♪」などという歌詞だけど、サワヤカな歌なんです。ちなみに本編劇中では「電波特捜隊」とか「毛利チーム」みたいな呼称はあまり登場しないようです。


10・4-10・10

 先日購入した「10・4−10・10」のCD、聴きました。なべたけ先生のBGMをまとめて聴いたのは、「ダイターン3」「ガンダム」以来でした。実に認識不足でした。先生の音は「ザンボット3」でロボット物に挑戦してから、変わったのだと思っていましたが、そんなことありませんでしたね。 このCDを聴いて思いました。
 とにかく、主題歌がかっこいいので好きです。この主題歌、一緒に買った「怪奇大作戦」のテーマ曲「恐怖の町」と起承転結が同じなように感じるのですが、いかがですか?

 あ、娘なんですが、しょっぱなの曲を目を輝かせて聴いていました。(TVの曲が我が家のステレオから流れてくるというのが、それを独占したような気にさせるのでしょう。)が、それ以降BGMの方はどうでもいかったみたいで、絵描いて遊んでました。まだちょっと早すぎたかな。それに肝心の番組見てないものね。それでは。
仙道B佳さん 1998/06/11


同主調と平行調

 同じ円谷プロの「怪奇大作戦/恐怖の町」(作曲:山本直純)との比較がするどいですね。なるほど、ピンチのマイナーで始まって、コーラス高らかなメジャーで終わるという展開が共通しています。
 「怪奇大作戦」は同じキーのマイナーからメジャーになる同主調、「10・4−10・10」は短三度上のメジャーになる平行調です。平行調の場合は転調後もスケールが同じなので、適当に移調すれば(「屋根がとぶ♪」以外は)ほとんど白鍵で弾けちゃいます。「怪奇大作戦」は、黒鍵がたくさん必要になるので、両者の違いがわかると思います。
 なべたけ歌曲の転調は平行調がほとんどで、同主調を例示しようにも「痛快あばれはっちゃく/ほんとにあいつはにくいやつ」くらいしか思いつきません。他にも発見されたかたは御指摘ください。同主調の有名曲としては「大空魔竜ガイキング」「スタージンガーの歌」「宇宙の王者グレンダイザー」(作曲:菊池俊輔)が思い浮かびます。「同主の菊池、平行なべたけ」みたいな印象がありますが、菊池ソングをたくさん検証しないでおいて勝手なことは言えませんね。

 ともあれ魅力的な主題歌で、お子様がすこやかに成長されますよう。劇伴音楽のほうは、テーマアレンジから少しずつ慣らしていきま笑。




推奨盤
CD VPCD-81116 緊急指令10-4・10-10 ミュージックファイル


 OP主題歌はTVサイズ・フルサイズ・カラオケまでも収録。副主題歌「電波特捜隊」もカラオケ付き。劇伴も大量に収録している好盤である。さらに特筆すべきは、解説が詳細にわたっていることです。当サイト設立にあたって、大いに参考にさせていただきました。ここに感謝します。

 このミュージックファイルの魅力の一端を紹介する意味でいくつかコメントします。コメントのない曲は「つまらない」というわけではなく、たまたま何も書いていないだけです。皆さんの投稿を待っています。


オープニング

 番組の最初を飾る、センスのよいファンファーレだ。アルバムでは、これに続いてOP主題歌TVサイズ(1コーラス)が演奏される。


10-34!

M-12
 リズムにのった快曲。ベースのパターンは、単調な繰り返しのようでいて、なかなか聴かせます。テーマはトランペット、オルガンはソロで心地よい。10-34とは、「応援タノム」の意。ライナーにはテンコードの解説までついているぞ。


迷走の果てに

M-41,M-27,M-50
 そんじょそこらのサントラ盤では聴けないような、いわゆる劇伴類。ペダル付きのティンパニが、音程を変えながらロールするナンバーまで収録している。


毛利チーム・攻防戦!

M-34,M-14,M-15
 じべじべしたギターは、翌年のハニーの雰囲気です。ティンパニとブラス、そして「ぐしゃぁ」というピアノの和音は、すでにダイターン(6年後の'78年作品)しています。10-4劇伴ではブラスなどの編成がダイターンよりも豪華で、聴きごたえがあります。


必殺!10-4キック!

M-8,M-6
 管理人の私見だが、主題歌作曲と劇伴作曲は同一人によることが望ましい。それは作品世界の構築にとって重要なことだと考えている。本アルバムには主題歌アレンジの劇伴が何曲か収録されているが、このトラックは特に爽快だ。
 主題歌アレンジ曲では「必殺!10−4キック!」の他にも、ドラマエンディングや予告用音楽がカッコよい。


 ライナーには渡辺岳夫をめぐるミュージシャンの話題なども解説してあるので、たいへん勉強になります。本編には不思議なSEが頻出するが、劇伴にもSE的音色が多く登場する。劇伴とエフェクトのサウンドが、よくマッチしている音響演出だ。




EP DT-1002「緊急指令10−4・10−10/電波特捜隊」(廃盤)
EP CX-8「緊急指令10−4・10−10/電波特捜隊/食獣植物ダーリング出現(ドラマ)」(廃盤)
EP TC-3017「緊急指令10−4・10−10/電波特捜隊」(廃盤)
EP APM-4020「緊急指令10−4・10−10/電波特捜隊/出たぞ!地底怪獣アルフォン(ドラマ)」(廃盤)
CP C-516(仮面ライダーとカップリング)(廃盤)

CD FHCF-2226~7「円谷プロの世界」
CD VPCD-81334「円谷プロダクション・アーリーデイズクロニクル」




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