きかんしゃ
やえもん


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アニメ映画 きかんしゃやえもん D51の大冒険


公開:東映 1974/03/16
監督:田宮武
音楽:渡辺岳夫
原作:阿川弘之
製作:東映動画

内容:熊倉一雄(やえもん)、里見京子(正くん)。


きかんしゃやえもん

作詞:浦川しのぶ
作曲:渡辺岳夫
編曲:松岡直也
歌:水木一郎、ロイヤルナイツ
KKS-4089,COCC-6657~58,CHS-31187~96,GES-30526~35,COCX-30245~49,COZX-311~6

 歌メロの一部が「キューティーハニー/ハニー脱走〜ヒストラーのテーマ」と同じです。「やえもん」は健全な子供が劇場で、「ハニー」はマセ餓鬼がTVで観るのだから「同じでイイや」ということか否かは不明。
 曲調は全体に明るく華やかで、水木一郎の歌唱は動輪のように力強くてのびやか。「ガタコン♪」「シュポポ♪」などの歌詞はいかにも子供向けだが、この音楽は大人を感動させる力を持っている。「走るぞ走る、ララーラ♪」ではマイナーコードを使って「Vm7|Vm7、V」としている(ように聞こえるが、確かな自信はないぞ)。
 後半の「そこの泣き虫♪」でマイナー展開する得意のパターンだが、やえもんは勇気を忘れない。「ゆめがあふれて、ポポポー♪」と、大人向けの♭VIIで走り続けるのだ。どうして♭VIIが大人向けかは、うまく説明できないぞ。

 編曲は日本ラテンの父・松岡直也。イントロのトランペットは、とてもコードを特定できないが、警笛に聞こえるのです。ストリングスは、あるときは歌に併走し、あるときはメロディーの隙間をぬって、前に出ては後ろに戻る連棒(動輪やピストンを連結する横棒)のようだ。


頑張のうた

作詞:浦川しのぶ
作曲:渡辺岳夫
編曲:松岡直也
歌:ロイヤルナイツ
KKS-4089,CHS-31187~96,GES-30526~35

 これも元気な機関車のリズム。といっても、ドラムとベースだけで「ずんたた」やってるインスタント音楽とは、わけが違います。イントロはティンパニとスネアドラムのマーチ。歌部分では、ストリングスやブラスといった上モノの動き全体で大きなリズムを表現しています。サビ前ではベースのフィルインがカッコいいぞ!。これが編曲の醍醐味でしょう。松岡直也の名前を知らなかった人は、ショップでCDを探そうね。大きな店ではたくさん売ってるぞ。
 歌メロの最後に「キューティーハニー/ハニー脱走〜ヒストラーのテーマ」が登場。よほどこのメロディーが気に入った模様。TVドラマ「マドモアゼル通り/あいつ」の主題にもなっている。


空飛ぶきかんしゃ

作詞:山本英明、松本功(アニメ主題歌メモリアルの表記)、浦川しのぶ(LP KKS-4089の表記)
作曲:渡辺岳夫
編曲:親泊正昇
歌:シーガルズ
KKS-4089,CHS-31187~96,GES-30526~35

 Fメジャーの曲ですが、いわゆるナベタケ節のオンパレードになっています。

(1)最初の一節「大空に君がはばたくとき♪」は「F|F|E♭|E♭」(I→♭VII)で、しつこいようですけどオトナむけの♭VIIです。
(2)「星はやさしく奏でてくれる♪」は「B♭|Em」(IV→IIIm)で、これも頻出する得意のパターン。
(3)サビ前では「Asus4→Aメジャー」(IIIsus4→III)が登場。メジャー曲でIIIのメジャーコードを用いるのもTVドラマ「大いなる旅路」('72年)でオトナ向けには使用済み。ここでは「III→IV」へと進む。
(4)おしまいは「B♭→F」(IV→I)というサブドミナント終止。

 以上でナベタケ純度100%の保証書つきといたします。早い話が、とてもステキな歌なのです。シーガルズは男女コーラスのようだが、歌の半分以上を女性ソロで歌っている。ちなみにシーガルとはカモメのことです。


やえもんマーチ

作詞:浦川しのぶ
作曲:松山祐士
編曲:松山祐士
歌:こおろぎ'73
KKS-4089,CHS-31187~96,GES-30526~35,COCX-33760

 松岡直也に負けてはいられない。渡辺岳夫の最強パートナー、松山祐士の作編曲である。「歌があって伴奏がある」というよりも、歌と楽器音が一体になった器楽重視の音楽だ。器楽重視の路線は「ハイジ」(やえもんと同じ'74)、「フラ犬」('75)、「ラスカル」('77)にも見られる。渡辺&松山コンビの音楽性は、この頃から最大限に発揮されたように思われる。
 「アニメ主題歌メモリアル」は「海のトリトン/ピピの歌」(作詞:丘灯至夫、作編曲:松山祐士、歌:広川あけみ)も収録している。機会があったら聴いてみよう。


やえもん一人旅

作詞:浦川しのぶ
作曲:渡辺岳夫
編曲:松山祐士
歌:水木一郎
KKS-4089,COCC-6657~58,COCX-30245~49

 シングル盤のB面的雰囲気が漂うバラード曲になっている。曲の構成・編曲・歌唱が典型的なバラードで、詞に「やえもん」も出てきません。ワンコーラスが短いので、あっさり終わってしまう印象がある。


やえもん子守唄

作詞:浦川しのぶ
作曲:渡辺岳夫
編曲:松山祐士
歌:シーガルス
KKS-4089

 シーガルスのハーモニーが鮮やかな子守歌。


やえもんド根性

作詞:浦川しのぶ
作曲:渡辺岳夫
編曲:松山祐士
歌:水木一郎
KKS-4089,COCX-30245~49

 どっこい燃えてる水木節。「ぴょ〜ん、ぽょ〜ん」という京琴が熱く語りかけてくるのだ。




LP KKS-4089「D51の大冒険 きかんしゃやえもん」
 A面に歌を全曲収録。B面には冨田耕生(やえもん)、増山江威子のナレーションでおはなしを収録。どーして冨田耕生なの?。


CD COCC-6657~58「水木一郎大全集 1」
CD COCX-30245~49「水木一郎 熱風外伝」
CC CHS-31187~96,CD GES-30526~35「アニメ主題歌メモリアル」(10枚組)

CD COCX-33760「こおろぎ’73 スーパーベスト」
「元祖天才バカボン/元祖天才バカボンの春」も収録。渡辺岳夫曲ではないが「あそびましょパンポロリン/それゆけバンバン」も。

CD COZX-311~6「水木一郎 デビュー40周年記念 CD-BOX 道〜road」




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