放映：CX 1978/01/01〜1978/12/31(全53話)
監督：斎藤博、腰繁男
音楽：渡辺岳夫
原作：エクトル・マロ「家なき娘」
製作：日本アニメーション
出演：ペリーヌ(鶴ひろみ、鶴には雨冠がつくようです)、マリー(池田昌子)、マルセル(岡村悦明)、ビルフラン(巌金四郎)

内容：エクトル・マロの「家なき少女」を原作にした名作アニメ。父を亡くした少女ペリーヌが母とともに祖父をたずねて旅に出るが、途中、母も病気に倒れてしまう。辛い目にあいながらも祖父のもとにたどりついたペリーヌは、母を憎む祖父ビルフランに孫と名乗ることができず、正体を隠して雇ってもらう…。
　のちに「トム・ソーヤーの冒険」「牧場の少女カトリ」などを作る、監督：斉藤博、脚本：宮崎晃の本格的なコンビ第１作である。前半の旅のエピソード（原作にはないオリジナル）もよいが、後半の、まるで心理劇を観るような腰のすわったドラマが見ごたえ十分。淡々とした日常描写は一見地味だが、しっかりした人物描写とさりげない芝居の積み重ねが、回を重ねるごとにじんわりと視聴者の胸に染み込んでくる。これがデビューとなる主演・鶴ひろみの初々しさも手伝って、ひとりでくじけず生きていくペリーヌの魅力にまいった男性ファンも多い。
　名作劇場常連の富野喜幸(現・由悠季)も絵コンテで参加しているが、ヒロインを必ず裸にすることで有名な富野氏のこと、#30「自分の力で」では、ついにペリーヌがＸＸＸＸをＸＸＸためにＸＸＸＸになり、テレビの前の男性ファンは目を丸くしたまま固まっていた。
腹巻猫さん 2000/06/21 Home Page

ペリーヌものがたり OP

作詞：つかさ圭
作曲：渡辺岳夫
編曲：松山祐士
歌：大杉久美子
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　「だけど道は遠いよ♪」のメロディーが、明るすぎないでかつ可哀想すぎないで、なんともなべたけ的です。TVサイズは2番まで。2番のアレンジは、ベースがボーカルといっしょに歌っているようです。聴きどころは「(みあげて)ご〜ら〜ん〜♪」で、歌の上行に対してベースが下行する。フルサイズ版では、2番の後に豪華な間奏があり3番まで演奏される。エンディングはペリーヌ同様質素でオシャレ。

　曲の構成は比較的シンプル。オリジナル編曲はピアノ伴奏を主体にしているので、弾き語りにはもってこいです。前半はリズムにのってコードをぽんぽん、中盤は分散和音にすれば雰囲気♪です。原曲はＡメジャーで、Ａ，Ｅ７，Ｂｍ（７）というおよそ3つのコードでほとんど演奏可能です。「さあ、泣くのはおよし♪」と、一回目の「あるきだそう♪」は別のコードなので気をつけよう。「ピアノでうたうアニメ・ヒット全集」(松山祐士編：ドレミ楽譜出版社)など、市販の楽譜を参考にしても良いでしょう。

気まぐれバロン ED

作詞：つかさ圭
作曲：渡辺岳夫
編曲：松山祐士
歌：大杉久美子
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　出だしのリズムはチャチャチャです。柔らかいピアノに加えて、グィロ(溝を棒でこすって、ズィーチャッチャという音がする)などのパーカッションがにぎやかです。マリンバ(木琴)は特に効果的に使用されています。
　「キャンディキャンディ」と似た形で、「さびしいときには♪」からマイナーになります。でもペリーヌはやはり、明るすぎず可哀想すぎず、ひかえめで上品な印象です。間奏だけワルツになっています。

少女の夢 IN

作詞：つかさ圭
作曲：渡辺岳夫
編曲：松山祐士
歌：大杉久美子、フィーリング・フリー
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　第36話「よろこびと不安」などに使用されました。マロクールにたどりついたペリーヌが、オーレリーという仮名で、実のおじいさんであるビュルフランの秘書として雇われ、パリからマロクールまでの苦しい旅の話をうちあける場面で流れる曲です。
　客観的に、ペリーヌの夢が、緑色、黄金色、真珠色と、3色で表現されていますが、かなえてほしい願いは、ペリーヌらしく、ただひとつ「明日の幸せ」と歌われています。
　曲は、Ｅ♭メジャーの優しくおだやかなワルツです。3番まであり、スキャット入りで、大杉久美子さんの声を中心とした、とても素敵な曲に仕上がっています。「ペリーヌ物語」の話中では、後半でたまに使用されていました。

　また、インストアレンジでBGMとしても、ときたま使用されていました。
　メロとしては割合低い音域からスタートするストリングスのリードで始まり、さびの部分だけ(たぶん)フルートかピッコロが担当し、また低いストリングスに戻り、最後の4小節はエレピ+グロッケンが担当する、というものでした。さびの部分では、ストリングスは対旋律にまわりますが、メロをきれいに引き立てています。
　Ｃメジャー調で、挿入歌よりもテンポが遅く、おだやかさを表現したい場面でたまに使われていたようです(35話「英語の手紙」など)。
いちろうさん 1998/02/05

　少女が主人公なので、やはり三拍子の曲が登場です。この曲のメロディーラインは、実に魅力的です。特に素晴らしいのは歌メロ5小節目からの「とおい国から♪」や、本体メロと独立に付加されたような最後の4小節です。さらに出だしメロも味わい深く、この旋律の再現部ではスキャットが加わって歌全体を盛り上げます。

ロザリーは友だち NO

作詞：つかさ圭
作曲：渡辺岳夫
編曲：松山祐士
歌：大杉久美子
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　お母さんが病気で亡くなっても、ペリーヌは希望を持ち続けます。「ロザリーは友だち」は女の子同士の楽しい歌ですね。でもいくら楽しくても、冒頭「ロザリー、ロザリー♪」という呼びかけは、バカ陽気ではない「なべたけ調」。松山編曲は、リズム軽快で踊るようです。

ボンジュール！ NO

作詞：中里綴
作曲：渡辺岳夫
編曲：松山祐士
歌：大杉久美子、フィーリング・フリー
CS-7075,COCC-12681,COCX-32551~53,COCX-36193~6

　ペリーヌの物語を語りつたえるような、ワンコーラスが長い歌です。伴奏では、グロッケン(鉄琴)のような音とベースのユニゾンがオシャレ。アコーディオンの音色は、ヨーロッパの街並みを連想させる。

太陽みたいな女の子 NO

作詞：中里綴
作曲：渡辺岳夫
編曲：松山祐士
歌：こおろぎ'73
CS-7075,COCC-12681,COCX-32551~53

　ちょっと可哀想、ちょっと寂しい、でも負けない♪ペリーヌ。こおろぎ'73の男声は、さらに暖かいのだ。歌の前半で独唱している人は誰でしょうか。
　この曲の魅力は、歌とコーラス・メロディーとハーモニー、そして編曲の一体感です。イントロからエンディングまで、フルコーラスをていねいに仕上げた松山祐士の編曲をじっくりと味わってほしい。アコースティックギターのソロ&ボーカルソロから、サビではパーカッションが、間奏ではアコピが加わって盛り上げていきます。こおろぎ同様にハートフルなベースも、お聴きのがしなく。

公開：東宝東和 1990/06/30
監督：斉藤博、岡安肇
音楽：渡辺岳夫
製作：日本アニメーション

内容：紹介文募集中

　「フラ犬」「ラスカル」「ペリーヌ」をはじめ「三千里」「アン」「あしなが」「トラップ」「ブッシュベイビー」「若草」「ティコ」の劇伴音楽とTVサイズ主題歌を収録。詳しく解説は超充実ライナーを参照していただくとして、ここでは若干コメントをしてみました。●印は、複数曲収録トラックでの曲の区別を表します。

タイトル

　OP主題歌のさらに前のタイトルです。TVの再放送ではなかなか聴けませんが、このCDには収録しています。番組OP「カルピスファミリー劇場」のタイトル音楽ですが、この調はOP主題歌に合わせてあるのですね。考えてみれば当然の事ですが、聞き込んでようやく気づきました。

ペリーヌものがたり(TVサイズ)

さあ、あるきだそう

●前半のピアノは「機動戦士ガンダム／再生のための終焉」で聴かれるパターンで、後半のストリングスは「ラスカル」でもおなじみのＣ→Ａの流れ。このサンプラーCDでは、個別作品のための収録時間がどうしても短くなってしまう。「ペリーヌ」トラックの選曲にもいろいろ配慮がなされています。
●弦の主題にピアノのリズム、そしてハートを攻めまくるベースはTVのスピーカではしっかり聞こえなかったかもしれないけれど、CDで感激。このアレンジは「ガンダム」「巨塔」へ展開していくのです。よくぞ収録してくれました。
●OP主題歌のアレンジ。しっとり聴かせます。

黒いひとみの女の子

●ED主題歌のアレンジ。
●OP主題歌のアレンジ。「ルンルン♪」の展開がオシャレです。
●挿入歌「少女の夢」のアレンジ。別音源で歌のほうもしっかりチェックしましょう。

幸せの涙が流れるとき

●●ペリーヌ劇伴の多くは、「フラ犬」「ラスカル」に比べると凝った編曲になっています。言ってみれば「大人向け」の音楽要素を、そろそろアニメ番組にも投入したのだと思われます。
●挿入歌「ボンジュール！」のアレンジ。

きまぐれバロン(TVサイズ)

EP SCS-399「ペリーヌものがたり／気まぐれバロン」(廃盤)
LP CS-7075(廃盤)
LP CZ-7191「大杉久美子 よい子の名作アニメベストヒット１６」(廃盤)

CD COCC-12681「日本アニメーション世界名作シリーズ ペリーヌ物語」
　お子様向けの装丁で、「うたとおはなし」収録です。「おはなし」部分では、劇伴をたくさん聴けます。(セリフやナレーションと重なってしまいますが)LP CS-7075 と同内容とのことです。

CD CC-4431~2「渡辺岳夫 テレビ映画・アニメ主題歌作品集」(廃盤)
CD COCC-12840~1「渡辺岳夫 テレビ映画・テレビアニメ主題歌作品集」
CD 56CC-1878~9「続々・テレビまんが主題歌のあゆみ」
CD COCC-10251~2「続々・テレビまんが 懐かしのＢ面コレクション」
CD COCC-13591~600「アニメ主題歌メモリアル ２」
CD COCC-9063~4「１９ＸＸシリーズ ４ １９７８」
CD CC-4187「日本アニメーション世界名作劇場主題歌集」
CD FMCC-5045~7「日本アニメーション名作劇場２０周年記念 名作アニメ主題歌全集」
CD COCC-14376~8「名作アニメ主題歌大全集」
CD COCC-10805「なつかしのテレビアニメ主題歌 メルヘン・少女アニメ編」
CD COCC-70064「テレビアニメスーパーヒストリー １６」
CD COCX-32551~53「世界名作劇場主題歌・挿入歌大全集 第１集」
CD COZX-437~40「オリジナル音源による 世界名作劇場 主題歌大全集 オープニング主題歌DVD付き」

CD COCX-36193~6 大杉久美子40周年記念「燦のとき やさしさの歌」
　渡辺岳夫作品では「アタックNo.1 」をはじめ「ハイジ」4曲、「ミームいろいろ夢の旅／ちいさいかわのうた」、「森の陽気な小人たちベルフィーとリルビット」2曲、「フランダースの犬」6曲、「ラスカル」8曲、「ペリーヌ」5曲、そして映画「テンプルちゃんの小公女」からすべて初CD化の5曲を収録。全体では106曲で初CD化が20曲という豪華版。

CD COCX-33275「大杉久美子 スーパー・ベスト」

VTR KIVE-39「渡辺岳夫の世界」