TV時代劇
弐の巻


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TVD 花のお江戸のすごい奴


放映:CX 1969/04/03〜1969/09/18
監督:佐々木康
音楽:渡辺岳夫

内容:若林豪


花のお江戸のすごい奴 OP

作詞:結束信二
作曲:渡辺岳夫
編曲:毛利猛
歌:若林豪

SONA-86037,MHCL-161

 ズンタタ8ビートのリズムで江戸の旦那が豪快に歌う快曲だ。結束詞「夢の旦那がネ♪」が主人公の自由闊達さを象徴している。ダイナミックな「ネ♪」がなんとも魅力的なのだ。


いつか必ず来る男

作詞:結束信二
作曲:渡辺岳夫
編曲:毛利猛
歌:若林豪

SONA-86037


江戸のテーマ
KIVE-39

 「花のお江戸」のタイトルにふさわしい、おおらかなテーマです。「C|Am|Dm|Am|Dm|C、Am|Em|Am」という流れは音頭チックでもあるが、Cで始まりAmで終わるという独特の雰囲気もあわせ持っています。このパターンはTVドラマ「あばれはっちゃく」などの劇伴音楽でも聴かれ、人情を表現するのにはうってつけです。
 Bメロは明るく豊かなトランペットのソロで、音色のみならず「Dm|Dm|C|C・・」という進行が、これまた明るく豊かに響く。
 ビデオ「渡辺岳夫の世界」で聴けるBGM系の音楽のいくつかは、放送当時の録音ではないと思われる。この「江戸のテーマ」のフルートには'70年代後半型のエフェクトがかかっているし、ソリーナとおぼしきシンセまで鳴っていますから。


EP SONA-86037「花のお江戸のすごい奴/いつか必ず来る男」(廃盤)

CD MHCL-161「ちょんまげ天国」
 大サービスの27トラック収録。このテの企画で毎度収録されるような定番ばかりでなく、「おお!こんなモノまで」と涙が出そうな選曲が魅力。わざわざ懐かしい旧バージョンをセレクトしてくれているのも嬉しい。今回初めて聴いた「将軍の隠密!影十八/うたかた」詞曲歌:五輪真弓、編曲:船山基紀が素晴らしい。おお、「浮浪雲/GIVE UP」も船山編曲じゃったのか。アルバム中盤は「暴れん坊将軍」「大江戸捜査網」「大岡越前」「服部半蔵 影の軍団」「文五捕物絵図」のインスト曲で固めて、ラストは作曲:平尾昌晃、編曲:竜崎孝路の必殺シリーズで締める構成も見事。他にも当サイト関連楽曲として「子連れ狼/ててご橋」「大奥(新)/セフィニ〜愛の幕ぎれ〜」も収録している。

VTR KIVE-39「渡辺岳夫の世界」




TVD 千葉周作の剣道まっしぐら


放映:TBS 1970/11/02〜1971/08/30
監督:深田昭
音楽:渡辺岳夫
製作:松竹

内容:岩下亮他。浅利又七郎道場に入門した青年千葉周作が、師や周りをとりまく暖かい人々との交流を通して、剣士として、人間として成長して行く姿を描いた青春時代劇・・というものです。鬼面党と闘わない赤胴鈴之助の日常、みたいな話だったと思います。7時半から8時までの30分もので、家族で観られる作品でした。もうちょっと詳しい情報は、近藤ゆたか編『蔵出し絶品TV時代劇』(フィルムアート社)の「北斗の人」の項の欄外の注2(90〜91頁)にあります。
山猫さん 2000/08/06


千葉周作

作詞:北村桃児
作曲:春川一夫
編曲:竹村次郎
歌:三波春夫

TECD-25489,TFC-1621~6

CD TECD-25489「TV時代劇グレイテスト・ヒッツ2」
CD TFC-1621~6「チャンバラ万歳」




TVD 半七捕物帳


放映:NET 1971/10/06〜1972/03/29
監督:石川義寛
音楽:渡辺岳夫
原作:岡本綺堂
製作:東映

内容:平幹二朗、中村珠緒、花沢徳衛、河原崎長一郎、滝沢修(語り)。紹介文募集中。


タイトル〜テーマ曲 OP

タイトル
 琵琶のような和楽器で「べんべんべん」。キメは拍子木が「ちょーん」。

テーマ曲
 渋い音色のエレキが奏でる。印象的なのは、トロンボーンのバッキングだ。「Am|D|F・・」の進行は、TV時代劇「右門捕物帖」('74年)に似ている。アクション派の右門に大して、半七はマイナーらしい地味なテーマである。展開部はストリングス、テーマ再現部はトランペット、エンディングはおなじみのAメジャーが華やかに響くのだ。


劇伴音楽

編成の小さい音楽が多いが、ここぞという場面ではブラスを投入。その部分だけアニメっぽく盛り上がることも。SFアニメでも多用される、間欠ブラスの「ぶぁっ、ぶぁっ」は得意技だ。
フルートには質の良いエフェクトがかかっており、のびやかなサウンドが心地よい。特に静かな曲ではフルートの息ずかいが感じられて、音色が尺八っぽくてゾクゾクします。
叙情的な劇伴音楽はストリングスの演奏。ずいぶんいろんな傾向の音楽が登場します。
活劇場面ではテーマ曲を別バージョンで演奏する。フルートによる静かなテーマアレンジもある。ゆったりストリングスが演奏すれば、最後にブラスとティンパニが加わって、大きな気持ちでドラマを終える。




TVD さすらいの狼


放映:NET 1972/04/05〜1972/09/27
監督:松島稔他
音楽:渡辺岳夫
原作:生島治郎
製作:東映

内容:御用金を奪い、また父親殺しの無実の汚名を着せられ、胸に十文字の灼印を押された武士・速水竜之進(中村錦之助〜途中から改め萬屋錦之助)は、自ら無宿渡世人「十文字の竜」に身を変え、真相を知っている加納紀三郎(今井健二)を追って旅から旅へと追い続ける。命を救われた「むしりの才六」(ジェリー藤尾)が竜の連れとして追いかけ、また竜を追う二人、関八州取締出役・藤田直人(若林豪)と竜の恩師・冬木郷右衛門(芦田伸介)。次は、加納がどんな罠を仕掛けるのか、竜の心の休まる日は来るのか?

 うる覚えですが、「デビッド・ジャンセンの逃亡者」のナレーターと同じ矢島正明さんの声が好きで今も懐かしく思いだされます。オープニング・ナレーションは「胸に灼印のある男、十文字の竜は、かつて勤王倒幕の理想に燃える武士速水竜之進であったが・・(中略)・・今日という日をひたすらに生きようとしながらさすらいの旅を続けていく。」というような感じでありました。

 OPは拍子木、メロディーは口笛が流れ、この口笛を使ったメロディーはOPの他に、竜がただひたすらに加納を追うために山道、海岸、荒涼とした荒野を足早に歩き続ける場面で流れた。

 事件が起きたとき、不安の場面、追ってがかかる場面、罠にはめられたとき、藤田直人、冬木郷右衛門らに囲まれたとき或るいはどちらかに追いつかれたとき、ゲスト出演者が最初は敵であったが心が通って身代わりになり死ぬときなどそれぞれ微妙な心情や情景に合わせてBGMが作られておりました。子連れ狼のBGM集(バップ)からその音楽の雰囲気を味わうことは出来るが尺八は使われていなかった。ギターとピアノだけで追いつめられるような曲もあった。

 子連れ狼の第二部「虎落笛」に使われていた曲が一部流用されていたが他にも子連れ狼で使われていたようです。後、杉良さんの「右衛門捕物帖」にもそのまま流用されていた曲がありました。

 各話でサブタイトルがありましたが、最終回は「最終回」とだけ。この作品は錦之助さん40才の頃の作品で後年の子連れ狼や破れシリーズのようなヅラや服装とはちがい、東映時代劇全盛時を彷彿させる時代劇様式に乗っ取った錦之助に似合った品の良い作品に仕上がっていたこと、それぞれ各話が心に残る作品、芸達者なゲストが多かったことなどから私はこの作品を高く評価しております。

 原作にぴったりの「青白くどくろのような顔」「竜を捕縛することに執念を燃やしている」藤田直人役の若林豪、竜の父親と刎頸の友である冬木郷右衛門は時には、剣の手ほどきをした竜を我が子のような愛弟子を自分の手で斬ろうと苦悩する役を芦田伸介、調子はいいが竜に忠実な「むしりの才六」役をジェリー藤尾。本当に憎たらしい役がうまい加納紀三郎役を今井健二。

 忘れられないゲスト
「竜が裁いた島抜け野郎」の夏八木勲、花沢徳衛
「竜と少年」の竹原英子
「竜が届けた血染めの書状」の仲谷昇
「ふたりの竜」の中村賀津雄
「竜に背いた女怪盗」の佐藤友美、清川虹子
「竜と峠とじゃのめ傘」の安田道代、田浦正己、名和宏
「木曽路に竜を狙う影」の池部良、加藤嘉、緊張感が最高、三位一体の剣を使う4兄弟(実は話の前段でひとりを藤田直人が斬る)が登場する
「竜が怒る剣の舞」葉山良二
「竜が見捨てた逃亡者」の長門裕之等と書き上げればほとんどであるので止めときます。

 ぜひ機会があればメロディを聞いてください。
Y.I.さん 2005/05/21





TVD 忍法かげろう斬り


放映:KTV 1972/04/04〜1972/09/26(全26話)
監督:工藤栄一
音楽:渡辺岳夫
原作:早乙女貢
製作:東映

内容:舞台は江戸初期、主人公は不知火一族の忍者「鷹」(渡哲也、後に渡瀬恒彦)。彼は老中松平伊豆守(故・高橋悦史)に雇われた忍びですが、仕えているわけではなく対等な立場で技を売っているという意識で、必ずしも命令に服従しているわけではありません。そんな彼が幕府草創期の事件の裏面にかかわる形で話が進んでいくのですが、途中で伊豆守が自分を政争の鉄砲玉にした事に怒り、鷹は伊豆守と袂を分かち、放浪の旅に出るというのが中盤以降のストーリーです。
 セミレギュラーのくの一に、朱鷺(太地喜和子)、百舌鳥(范文雀)が出演しています。忍者衣装もファッションデザイナー(三島由紀夫の楯の会の制服をデザインした方だとか)を雇ったもので、鷹の鎖帷子の頭巾がかっこいいんです。また、鷹が名前を聞かれて「忘れた。人は『鷹』って呼んでる」というハードボイルドなキャラ造形も魅力でした。原作は早乙女貢で、徳間文庫で現在も入手可能です。
土左ェ門さん 1999/09/13




TVD お祭り銀次捕物帳


放映:CX 1972/05/06〜1972/08/26(全17回)
監督:山崎大助
音楽:渡辺岳夫
製作:東映

内容:あおい輝彦、新藤英太郎、渡辺篤史、田辺靖雄、内田喜郎、中山麻里、武藤英司、若山セツ子、志摩靖彦、中田喜子、山口崇。お祭り野郎の銀次は、岡っ引きでもないくせに捕物をしてしまいます。若い仲間とツルんで、悪人をやっつけて正義を守ります。バチでその辺を叩いてリズム暗号で秘密連絡までします。チームワークは「電波特捜隊」も顔負けです。


青春を打ち鳴らせ OP

作詞:中村つとむ
作曲:渡辺岳夫
歌:ハニーナイツ

 イントロはタイコ連打。太鼓は太鼓でも、ドラムセットのタムのように思われます。続いて第二イントロ(?)では、ブラスばりばり。歌に突入してからも、バックでは「どんどこどんどこ」鳴らし続けております。さすがお祭り野郎です。
 さて、歌は男女混声グループサウンズ調の合唱です。クレジットはハニーナイツですが、声を聴いた感じでは、あおい輝彦も参加しています。歌詞は「何々をして、何々をして、何々をして♪」という調子です。さらにAmで始まって、中盤で「Esus4→E」をど〜〜〜んと引っ張るこの展開は!。同時期のヒット曲「ハチのムサシは死んだのさ」(作詞:むろふしチコ、 内田良平、作曲:平田隆夫、歌:セルスターズ)を意識したものと思われます。
 途中から平行メジャーに転調します。この曲ではBメジャーで引っ張って→後半からCメジャーに一転するバカ陽気です。ラストはコーラス高らかにCとFを繰り返し、ベースが好き放題に細かく上下、さらにエレキが自己主張するこの展開は!。TVD「緊急指令10-4・10-10」(同'72年)と双子関係にあると思われます。


タイトル不明 ED

 わずか30秒のエンディング歌曲だが、タイトルその他まったく不明。声はハニーナイツwithoutあおい輝彦のようです。「来週も見逃せない♪」という即物的な歌詞は、主題歌というよりもアオリみたいです。


劇伴音楽

タムや太鼓を使った音楽が当然多い。同じ太鼓でも、サスペンスな場面ではコンガのソロだったりします。CM前のアイキャッチもタム+ビブラスラップのみだ。
ここ一番のアクション場面では、「ベース+和太鼓+ブラスセクション」という豪快編成の音楽があります。ここでの和太鼓は、「どんどん」だけではなく「かちかち」というリムショット(とは呼ばないだろうけど)まで聞かせるぞ。
ベースとドラムがマーチ調でトランペットにはミュートといった、「緊急指令10-4・10-10」と似た調子があります。エレキにはしっかり「じべじべ」したエフェクトがかかっっております。




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