Pentium3 TagRAMの発熱量について

 Pentium3のS.E.C.C.2.カートリッジを分解すると、TagRAMやL2Cache、CPUコア等、色々な部品が見えます。これらの部品を眺めていると、L2CacheやTagRAMは特に熱対策は施されていません。Pentium2で経験した実績を生かし、Pentium3のTagRAM動作温度測定を行い、必要に応じて対策を講じる事とします。




Pentium3 TagRAMの動作温度測定 1999/05/31

ハード構成

CPU Pentium3 500MHz 500/512/100/2.0V S1 99120534-0337 MALAY SL3CD     
CPUクーラー Pentium3用 自作1号
マザー AOpen AX6BC Type-R
 ・コア電圧可変改造
 ・TurboPLL取付
メモリ SDRAM 128MByte PC100対応メモリ
メルコ VSF-64M×2枚 (PC100非対応メモリを100MHz超で動作中)
 合計256MByte
HDD
・HDD1  IBM DDRS39130LVD 9.1GB Ultra2WideSCSI 7200rpm、512KB
・HDD2 IBM DDRS39130UW 9.1GB UltraWideSCSI 7200rpm、512KB
・HDD3  I・Oデータ HDS-1G 1GB 外付け、SCSI接続
拡張カード
・AGP  RevolutionW32MByte
・PCI  AHA-2940UW、AHA-2940AU、SB128PCI、PowerCapturePro
・ISA  ALN-101
OS WindowsNT4.0SP4


【測定風景】
 今回使用したハンディデジタル温度計です。横河電機叶サ MODEL2455、K形熱電対使用で、-160〜+1372℃まで測定できます。
  


【測定条件】

外気温
電圧
動作クロック
別途デジタル温度計にてケースファン吸気温度を24℃付近に収まるよう、エアコンにて調整。
コア電圧2.00V、L2Cache/DIMM電圧3.3V (コア、L2Cache共にノーマルです)
FSB122MHz×5倍 = 612MHz
測定手順 1. TagRAMが常温の状態でパソコンを起動させる。
2. WindowsNT4.0WSを起動させてSuperπ104万桁を実行させ、計算完了時の温度を測定する。   



【測定結果】
 ・WindowsNT起動完了時のTagRAM温度は約34℃ (約10℃上昇)
 ・Superπ計算完了時のTagRAM温度は38℃ (約14℃の温度上昇)


【考察】
 S.E.C.C.2カートリッジを分解した状態での測定ですので、分解前の温度上昇より低い値と考えられます。また、リテールファン状態(無改造状態)の場合は放熱能力の問題から、コアの発熱でTagRAM自体が加熱される事は十分に考えられ、CPUクーラー交換でかなり改善されたと推測します。しかし、ほぼ同条件で測定したPentium2/350MHz(SL2F)の温度上昇が約17℃だった事を考えると、明らかに発熱量が低い事が言えます。

能力不足CPUクーラーやケース内換気環境の悪いマシンでは、かなりの温度上昇が有ると考えるべきでしょう。また、電圧を上げている場合には、更に発熱量が増えることを考えれば、OverClocl時にはTagRAMの温度上昇も考え、対策する事が安定性重視のクロックアップマシンに仕上げるコツと言えるでしょう。




Pentium3 TagRAM発熱対策 1999/05/31

1. ミニクーラーを取り付けます
 使用クーラー:Justy DMC-01 MiniChipクーラー
付属のテープをアルコールで除去し、サンハヤト製の熱伝導両面テープで固定。25o×25o、高さ10oと超小型です。この程度の大きさでないと、金具と干渉します。