KENDON CPU Radiator 2000/11/08

1. KENDON CPU Radiatorとは
 KENDONオリジナルピラミッドバッファの開発で有名なKENDONさんが新たに開発された、従来の製品とは発想、構造がまったく違う、新しい形のCPUクーラーです。まずはKENDONさんのWebPageをご覧下さい。素晴らしさが分かる筈です。

この新CPUクーラー、KENDON CPUラジエーターは、HFC-
134aガスが封入されたヒートレーンを採用した未来型のCPUクー
ラーで、従来の空冷式ヒートシンクとは一線を画する冷却性能を
発揮します。ヒートレーンとは、複数のヒートパイプを並列に配列
し帯状としたようなもので、これにフィンを付与することで、極めて
高効率な冷却性能を得ようとするものです。既存のヒートパイプ
式空冷CPUクーラーとも全く別構造のものです。また、更にこの
KENDON CPUラジエーターは、取り付け姿勢を選ばず、どのよう
な姿勢で組込まれても最高の性能を得ることができます。CPU用
空冷ユニットとして数々のKENDON独自の工夫を施しました。まさ
に21世紀の幕開けにふさわしい、最先端のハイテクCPUクーラー
の誕生です
  
本文、及び写真はKENDONさん了承の上、引用させていただきました。ありがとうございます。



2. 今回購入したパーツ類です

1.KENDONオリジナルピラミッドバッファOPB-525(5ミリ厚、写真左)とOPB-1025(10ミリ厚、写真右)です
 当初、以前Pentium3をペルチェ冷却していた時に使用していたOPB-525を利用する予定でしたが、CPU Radiatorを装着する際、チップセットクーラーと干渉してしまいました。^^; 急いで追加注文です。KENDONさんの素早い対応に感謝! 購入状態のA7Vであれば問題無いのですが、私のA7Vはチップセットクーラーに山洋製ファンを取り付けた事が原因です。
 OPB-525とOPB-1025の選定に迷っている方がみえましたら、私はOPB-1025を薦めます。大型クーラーとマザー上の部品類との干渉問題は皆さんご存知だと思いますが、OPB-1025を利用すればマザーからの距離を得る事が可能となり、装着可能なマザーの範囲が広がる為です。
  

2."PGS"グラファイトシートGS-25S(25ミリ角)とGS-40S(40ミリ角)です
 熱伝導グリスとは次元の違う熱伝導率を誇る、松下電器産業製の"PGS"グラファイトシートです。25ミリ角はピラミッドバッファとCPU(OLGAアダプター)の間、40ミリ角はピラミッドバッファとクーラー間に挿入します。
  

3.KENDON OLGAアダプターOLGA-SOAT1です
 CPUコアの破損を防ぐ為にも、必需品です。もちろん、冷却効果も上がります。加工精度も良く、美しい仕上がりです。
  

4.KENDONプレッシャープレートセットPP-1です
 何と、ステンレス削出しです。こだわりが聞こえてきそうです。^^; "PGS"グラファイトシートで重要となる適度な圧力を確保することが出来ます。しかも、ピラミッドバッファ単体でもペルチェ併用でも利用できる上、SlotタイプCPUも利用できる素晴らしいプレートです。特にペルチェ使用時は、ペルチェ、ピラミッドバッファをCPU Radiator本体にしっかりと固定できる為、必需品ですね。
  

5.KENDON CPU Radiator基本セットKR-1です。
 格好良いですね。! 側面のKENDONの文字が輝いてます。
KENDONさんの製品は全て加工が美しいですが、この本体の作りには驚きです。構造自体、今までに類を見ないだけに、しばらく見とれてしまいそうな仕上がりです。また、Socket用クランプ金具の強度は満足できる作りです。
  
   私のはNo.16です。 栄光の背番号33は誰の手に?(爆)
   熱交換部です。凄いですね。これほどの製品、他にありますか?
   SocketタイプCPU用の固定金具です。頑丈に作られており、強固に固定できそうです。

6.SANYO 80mm高速ファンSF8-3400です
 3400rpmの高速ファンです。CPU Radiatorの性能を発揮するためにも、このファンが薦めです。ガードも付いています。もちろん、市販80mm角ファンであればCPU Radiatorに装着可能ですので、将来より静かで、高性能なファンが市販されましたら交換可能です。
  



3.組立て
 組立てに関しては、付属のマニュアルを十分読んでから作業を開始しましょう。

1.Socket用クランプ金具を取り付ける
 方向とCPU Radiator側のビス穴位置に注意して取り付けます。
  

2.KENDONプレッシャープレートを取り付ける
 CPU Radiatorの上にグラファイトシート、ピラミッドバッファをのせて、プレッシャープレートで固定します。ペルチェ素子を使用しない場合は付属のスペーサーは使用しません。この時、プレッシャープレートとピラミッドバッファの位置関係に注意してください。きちんと位置を合わせないと、コアの上にピラミッドバッファがきませんので、注意しましょう。
 また、プレッシャープレートはピラミッドバッファの側面に均等に当たる様にし、プレッシャープレートのビス4本を均等に締め付けてください。CPU Radiatorとプレッシャープレート間の隙間が4方向共、均等になるように締め付ければ良いでしょう。締め付けトルクですが、トルクレンチを持っていないので文章では書けないです。ペルチェの有無や組合せを考え、適切に締め付けましょう。^^;
  

3.ファンを取り付ける
 CPU Radiatorの取り付け方向により、ファンの方向(風向)が変化します。取説をよく読み、自分のPCに合った取付を行いましょう。私のA7VではCPU Radiatorへ冷却風を送り込む方向で取り付けています。また、ファン取付用のビスがロックナット(緩み防止ナット)である事はKENDONさんの開発姿勢の素晴らしさを感じますね。
   この状態でCPU Radiatorの完成です。

4.OLGAアダプター、"PGS"グラファイトシートの装着
 CPUにOLGAアダプターを装着します。この時、CPU上の接点や部品類から絶縁する必要があります。絶縁処理を行わないと、CPUを破損する危険がありますので注意しましょう。本当はハヤコートでしっかりと絶縁処理したかったのですが、L1クローズ等、CPU上の電極状態を変化させる必要がある事から、今回はサランラップを使用しました。将来、ペルチェ冷却の際には結露による誤動作を防ぐ為にもハヤコート処理しましょう。サランラップで絶縁処理する場合、接点部を全て覆う大きさに切断し、コア部分が顔を出すように穴をあければOKです。
 OLGAアダプターが装着できましたら、"PGS"グラファイトシートを載せて完了です。
  

5.CPU Radiatorを取り付ける
 Socket用クランプの穴をCPUソケットの爪にしっかりと入れ、ビスを締め付けて固定します。この時、マザーボード上の部品類と干渉していない事を確認しながら作業を行いましょう。また、ビスの締め付けは適切に! 緩いとグラファイトシートの能力が発揮できませんし、締めすぎはCPUを破損する恐れがありますので、注意してください。
 締め付け完了後、Socket用クランプの穴がソケットの爪にちゃんと引っかかっている事、コアとCPU Radiatorの密着状態を確認して作業完了です。
  



4.完成です

 山洋製チップセット用クーラーが今回のクセモノです。OPB-1025を使用する事でファンとの干渉を回避できました。
  
 A7Vの場合、VID設定ジャンパーが隠れます。但し、横からラジオペンチ、ピンセット等を使用して作業すればジャンパー設定可能です。
  
 Socket用クランプが干渉する為、DIMMソケットが1個使用不可となります。さあ、メモリが減ってしまったので、いっそ256Mメモリでも買っちゃおうかな。
  


5.使用感
 本来であればCPU温度変化等の効果を具体的に記載できると良いのですが。マザーを交換した直後(Pentium3からThunderbirdへ移行した直後)という事もあり、更に私が早く装着したい為(爆!)データはありません。が、比較するまでありません。
CPU Radiatorの素晴らしさに嘘は無い!

もう、使ってみないと分かりません! でも、巷で騒がれている銅製やら、鏡面加工やら、ファンの大型化やら何を言ってんだかなあ、といった気分です。CPUクーラーを選定中の皆さん、あーだ、こーだもめとらずに、このKENDON CPU Radiatorを試してみなさい!


6.最後に
 最後になりましたが、このCPU Radiatorを開発されたKENDONさんに賛辞を送ると共に、今後更なる強力ツールを開発される事を期待します。KENDONさん、開発ご苦労様でした。