OverClock環境でのIDE接続HDDとSCSI接続HDD

1. なぜSCSIが良いと言われるのか?
 IDEとSCSIを簡単に区別するのであれば、コストパフォーマンスのIDE、ハイパフォーマンスのSCSIでしょう。IDEは安いので一般向け、SCSIは速度が速いので、ハイエンド向けにはよく使われています。
誤解しないで欲しいのですが、SCSI-HDDにすればOverClock耐性が上がる訳ではありません。
OverClock耐性の低いSCSIカードを使用すれば、IDEより悪い結果がでる事もあります。しかし、OverClock耐性の高いSCSIカードを導入すれば、IDEより高いFSBで安定動作させる事が可能でしょう。


2. 私の経験談
 個人的な経験を語らせていただきます。当初、OverClockを初めてから、2年程はIDE-HDDを愛用していました。SCSIが良いと言われている事は知っていましたが、価格が安い理由でIDE-HDDを選定していました。当時(1997年頃)SCSI-HDDはハイエンド向けで、非常に高く、入手し難い製品でした。更に、UltraATA33(33Mbit/s)の登場により、SCSI-2(10Mbit/s)やUltra-SCSI(20Mbit/s)よりも高速なシステムが組めると思いこみもあり、IDE-HDDを愛用していました。
 しかし、実際にはIDEインターフェイスはISAバス接続ですので、CPU占有率が高い割には転送レートが遅い。その上、OverClock耐性は低く、OSインストール等はノーマルクロックに戻さないとインストール失敗する事が当たり前でした。
 ここ最近(1999年3月現在)IDE-HDDの大容量化と低価格化が進み、3万円程度の10GByteドライブが登場しております。その様な状況の中、SCSI-HDDも大容量化と低価格化が進み、インターフェイスもUW-SCSI(40Mbit/s)やU2W-SCSI(80Mbit/s)の登場と、かなり変化してきました。SCSI-HDDを最初に導入するには、HDDの他にSCSIカードを別途購入する必要があります。SCSIカードとHDDの合計価格を考えると、まだまだハイエンド向けかもしれません。
 私の場合、長年愛用したIDE-HDDの故障をきっかけに、SCSI化を決断しました。当初は、無償で入手したadaptec社AHA-2940AU(Ultra-SCSI)を利用する予定でしたが、当時(1999年1月現在)の市場ではUltra-SCSIとUW-SCSIのHDD価格差がほとんど無く、甘い誘惑に誘われ、UW-SCSIの導入を決定しました。当初導入したUW-SCSIカードはOverClock耐性が低く、FSB112MHz/PCI37.3MHzでHDDデータが破壊するトラブルが発生。その後、UW-SCSIカードを交換して、現在FSB127MHz/PCI42.3MHzで安定動作しております。SCSI導入後、IDEでは必ず失敗したOverClock状態でのOSインストールが解決されました。転送速度向上、OverClock状態での安定性向上と、全体的に良い結果となっております。投資額に対する効果は個人差がありますが、個人的には満足できる結果と考えております。将来的にはRAIDによる信頼性向上と、速度アップを試してみたいですね。