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USB接続LANアダプタの接続別通信速度の違い
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1.素朴な疑問
この疑問はある日突然、ふっと頭に浮かんだ。USB接続の無線LANは通信速度11Mbpsですが、本当に能力を発揮しているのだろうか? また、USBにはハブが存在し、カスケード接続が可能である。当然の事ですが、接続機器が増える程遅くなるのでは? こんな疑問が頭から離れない日々が続きました。ケーブル接続時の100Mbpsに比較して遅い無線LANですが、日常的に一番良く使うインターネット接続では全く問題の無い速度です。でも、他のPCとファイル転送(ネットのダウンロード24H稼働のノートPCの役目です)には決して早いとは言えません。接続方法によって本来の能力を発揮する事が出来ないならば大きな問題です。 まあ、悩んでも仕方ないので、実機テストしましょう。
2.接続方法別に通信速度に差が出るか?
ASUS製マザーA7M266にはVIA 82C686B SouthBridgeが搭載され、標準で2ポート、拡張ケーブル経由で2ポート、合計4ポートのUSBコネクタが用意されています。このポートに直接接続する方法、ハブを経由する方法等、接続形態自体がオープンなUSBでは色々な接続形態が可能となりますが、今回は下記3通りでテストを実施します。
ハード構成
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マザー
ハブ
マウス 無線LANアダプタ |
ASUS製A7M266 PC2400/256MByte×2 CPU1050MHz FSB150MHz
サンワサプライ製 USB-HUB13(4ポート、セルフパワー)
Microsoft製 IntelliMouse Explorer I・OデータWN-B11/USB |
1)標準ポートに直接接続(ルートハブから見ると、LANアダプタとUSBハブが接続)
2)拡張ポートに直接接続(ルートハブにはLANアダプタのみ)
3)USBハブに接続(4ポートハブで、プリンタ、マウス、LANアダプタを接続)
3.測定方法
本来ならばネットワーク用のベンチマークで測定するとより良い結果が得られると思いましたが、目的に見合ったソフトを見つける事が出来ませんでした。今回は、ネットワークドライブに割り付けられたドライブをHDBENCHで測定する事とします。良いツールが有りましたら、是非紹介して下さい。
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測定条件 |
HDBENCH3.30
無線LAN接続された東芝製Satellite2590XのHDDをネットワークドライブとして割り当て、測定する
測定容量は10MByteとする |
4.測定結果(1) −基本条件での測定−
まず、無線LANの測定条件を接続方法以外での変化要因を抑えた、基本的な測定を行います。常駐ソフトは勿論、無線LANが運用出来る最小限の構成でHDBENCHを実行、測定します。この測定の目的は接続方法の違いにより転送速度に違いの有無が発生するかを確認する事が目的です。
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測定値 |
Read |
Write |
Copy |
接続方法(1)
標準ポート |
156 |
88 |
126 |
接続方法(2)
拡張ポート |
155 |
90 |
126 |
接続方法(3)
汎用ハブ |
156 |
88 |
123 |
※測定値は3回測定の平均値です。
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全く同じ結果を得る事が出来ました。USB接続機器数が少ない、占有率が低い場合には接続方法による転送速度の低下は確認出来ませんでした。しかし遅いですね。笑っちゃいます
^^;
5.測定結果(2) −USB接続機器がデータ転送中での測定−
次に、USB接続されたプリンタ(EPSON PM-880C)にて約2.25MByteのビットマップイメージを印刷開始すると同時にHDBENCHを実行して測定します。帯域幅の消費を増やした状態で、基本条件時の結果との差を確認します。
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測定値 |
Read |
Write |
Copy |
接続方法(1)
標準ポート |
152 |
89 |
120 |
接続方法(2)
拡張ポート |
155 |
89 |
120 |
接続方法(3)
汎用ハブ |
151 |
88 |
121 |
※測定値は3回測定の平均値です。
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基本条件と全く同じ結果ですね。所詮2.25MByte程度の印字データでは帯域幅の消費は少なく、USB通信自体がオーバーフローする事は無いのでしょう。つまり、帯域幅に余裕が有れば能力低下にはならないと考えます。
6.まとめ・考察
結果より、接続方法による転送能力には差が無いと判断出来ます。但し、接続USB機器数が非常に多い場合やデータ量が膨大な機器(USB接続スキャナやCD-R/RW等)使用時には帯域幅を大きく消費する事が考えられるので、能力ダウンする事は十分考えられます。無線LANのマニュアルを参照しても接続方法に関して推奨は有りませんし、HUBを利用しての接続でも問題ないとしてあります。
精神衛生上も考慮して下記のまとめとします。
・通信データ量が多く、速度を気にする機器はHUB接続せず、直接マザーへ接続した方が良い(かも)
・速度を気にしない機器はHUBを使ってどんどんつなげましょう。(爆)
・余り細かい事を気にするな(爆爆)
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