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昇圧トランスによる 電源安定化
更新日 | 更新内容 |
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1998年08月30日 | 1. 電源改善の必要性、テスト |
1998年10月11日 | 2. ケースに組み込み |
1998年10月18日 | 3. 不具合修正 |
1.電源改善の必要性、テスト 1998/08/30
1. なぜ?安定化対策
現在ケース付属、又は単体で販売されている電源のほとんどは輸入品です。海外の電源事情に合わせた入力電圧設定(AC115V)で使用する為に、一部では不具合等もよく耳にします。更にマザーやCPUは十分に検討の上購入するが、電源は無造作に購入している方も多いのではないでしょうか。事実、粗悪な製品が多く、と言うより当然の様に販売されています。電源というのは、地味な部品ですが電源を供給すると言う心臓部的な役割を担っている重要な部品です。特にクロックアップ等で無理している場合は、電源性能(リップルや安定度等)で不安定になる可能性も有ります。
2. 具体的な方法は?
1. 新しく電源を購入する場合
電源購入時に、電源の仕様や信頼性の確認をする。マザーとの相性情報を入手の上、機種選定する。(ショップの保証内容を確認する)これからは、電源も重要な部品!と認識しましょう。
良い電源を購入し、使いこなしましょう。日本製の電源(高価だがUPS内蔵等、面白い製品があります)を購入すれば、間違いないでしょう。動作環境(入力電源範囲、負荷、周辺温度等)を理解し、能力が発揮できる環境で使用しましょう。
2. 既存の電源の安定性を上げる
仕様を確認し、満足させる。例えば、入力電圧範囲がAC100〜120Vの場合、最低でもAC100Vを切らないようにする。家庭用電源はAC100V±10%なので、上記仕様の場合は仕様値を満足する事が出来ません。この様な場合は、トランス等を使用して昇圧する必要が妥当でしょう。また、外来ノイズや電圧変動が激しい場合は常時インバーター方式のUPSを使用すると改善する事もあるようです。
リップルやノイズを抑える。直流出力側にフィルタや平滑回路等を工夫して、リップルやノイズを抑えることも効果があるでしょう。ただ、この方法は電源回路やノイズに関する知識、そして測定機器類が必要です。
3. 効果は?
はっきり言って、分かりません。まったく効果が無い事のほうが多いかもしれません。電源の影響で不安定が報告されていることは事実ですが、それぞれの症状に合わせた対策が必要です。どれか一つ実施すれば安定度が増すと考えるのは危険です。(やらないよりは良いでしょう)私の場合は安定度を求めたクロックアップ!派ですので、不安定要素を少しでも除く意味で実施します。比較的安い費用で実施できますので、目に見えない効果で満足する気持ちで試しましょう。
1. 特注で製作していただいたトランスです。
仕様 P:AC100V / S:AC110-115-200V 50/60Hz
500VA 単相単巻きトランス 産業用機器並みの電気的仕様で製作しました。
購入価格:3200円
2. 1次電源波形です
実効値電圧は98Vです。
3. 2次電源波形です(115Vタップに接続)
実効値電圧114Vに昇圧する事が出来ました。
測定風景です デジタルオシロ 横河電気製 DL1200を使用しました
4. 感想
これから、長い目で様子を見ていきます。取付方法に付いては今後の課題とします。(現状はケース裏側に置いてあるだけです)
2.ケースに組込み 1998/10/11
1. ケースに組み込み、装置として完成させました
トランス、ノイズフィルタ、一次側ブレーカー、二次側用ヒューズ、電源表示灯が組み込まれています。
2. 入出力コネクタです
アース接続と、電源の極性を守る為、パソコン電源同様のコネクタを利用。しかし、このコネクタは高価な上に、接続しにくい。一般的なアース付きコンセントを利用した方安くて簡単に出来そうです。
3. 設置状態です
少し、大きいです。何せトランスが大きい(^_^;) 小型化が次回の目標ですね。
3.不具合修正 1998/10/18
1. 不具合を修正しました
1次側ブレーカーを5Aから7.5A、遅延型の2極タイプに交換しました。突入電流が思ったより大きく、トリップが多発してしまいました。