電源フィルタ 1999/02/10

1. なぜ?電源フィルタ
 現在市販されている電源は多種有りますが、高品質といわれる製品はまったくありません。電源は、地味な存在ですが、無ければコンピュータはただの箱になってしまう、重要な部品です。この重要な部品も、現在では品質を無視したコストダウンにより、電源としては劣悪な状態です。工業用電源の100W単出力製品で1万円前後するのに、300Wマルチ出力のATX電源は数千円で購入できます。この価格差は企業努力ではなく、品質低下以外の何物でもありません。

品質低下による不具合は下記が考えられます。
 ・電源安定度の低下(電圧のふらつき)
   → OverClock等で電圧アップ時は、電圧不安定が原因で限界性能ダウン。
      逆に言えば、電源が安定すれば固体の限界性能を引き出すことが可能と推測される。
 ・ノイズ、リップルの増加
   → システム安定性の悪化。ノイズ、リップル共に電子回路の敵!
 ・短寿命(特に電解コンデンサは怪しい)
   → 電源トラブル、その他
 ・低品質部品による、電源全体の信頼性、性能ダウン
   → 電源トラブル、その他

 これらの不具合を解決するには、高品質な電源交換しかありません。しかし、ATX電源として市販されている物のほとんどが低品質で有る現在、事実上不可能です。(注記:市販ATX電源交換での対応の場合。工業用電源等への交換は除く)今回は、第1ステップとしてフィルタを製作し、ノイズ、リップル改善を試みます。


2. 具体的な方法は?
 ATX電源と負荷(マザーボード、HDD等)の間にLCフィルタを挿入します。チョークコイルと電解コンデンサによるLCフィルタ構成とします。(スイッチング電源出力平滑回路を参考に構成)コイルは一般市販品利用。(詳細は不明)電解コンデンサは周波数特性の良い物が入手出来ない為、一般市販品を使用。但し、インピーダンス改善の為、複数個使用。容量、個数は下記参照。
1. +3.3V、及び+5V電源回路・電解コンデンサ 3300MF16V×2+2200MF16V+2200MF35V (合計11000MF)
2. +12V電源回路・電解コンデンサ 3300MF16V+2200MF16V×2+1000MF35V (合計8700MF)
3. +5VStandBy電源回路・電解コンデンサ 1000MF35V
4. -5V電源回路・使用していない為、マザーボードへの供給を停止。
5. -12V電源回路・電解コンデンサ 470MF35V


3. 効果は?
 はっきり言って、分かりません。(^_^;)本当はノイズ波形等を記載する予定でしたが、測定していません。私の場合は安定度を求めたクロックアップ!派ですので、不安定要素を少しでも除く意味で実施します。比較的安い費用で実施できますので、目に見えない効果で満足する気持ちで試しましょう。




電源フィルタ 1999/02/10

1. 製作した電源フィルタ基板です。
 最終ではない為、コンデンサ個数が少ないです。
  


2. 配線を太くします。(1.25スケを使用しています)
 出力線を1.25平方ミリメートルの電線に交換し、配線インピーダンスを改善します。多分、コンデンサ等を付けるより、配線抵抗を下げて安定した電圧を供給する事の方が重要でしょう。
  


3. ケースに組み込んだ状態です。
 配線が醜いですね。^^; 相変わらずセンスが無いなあ^^;
  


4. 完成です。