1. 市販PC用ATX電源より市販汎用スイッチング電源が優れている理由 1999/03/12

1. 仕様の違い
 本来で有れば、双方の仕様を記載、比較して考察したいのですが、PC用ATX電源の仕様が不明です。 分かるのは、入力電圧と出力電圧、電流だけです。これでは、仕様を比較、考察出来ません。 ATX規格であるATX Specification Version2.01を参照しても、詳細仕様は一切記載されておりません。 メーカーが仕様、詳細を公開していない電源って、すごく不安な製品だと思いませんか? 仕様の公開されていないマザーボードは、皆さん買わないでしょう。電源も同じだとは思いませんか? 但し、PCを家電品と同等扱いされている方には仕様を知ること自体、無意味でしょうし、知る必要も理解する必要も無いでしょう。


2. 見た目の違い
 仕様の比較が出来ないので、見た目の違いで市販スイッチング電源の方が優れている点を記載します。初めに言っておきますが、私は電源のプロではありません。回路の善し悪しは分かりません。客観的にみて、気を使っている!、良い部品が使ってある!程度の感覚で記載しています。私の思い込みで判断しているかも知れません。御理解下さい。(皆様のご意見をお待ちしております)
   市販汎用スイッチング電源の評価 その1
1. 整流素子のカソード側リード線にフェライトビーズが挿入されている。一部のコンデンサも同様の処理となっています。
2. 大電流が流れる部分は、パターンでは容量不足なのでバスバーにて補強されている。分かりにくいですが、整流素子とコイルの間にある板状の部品です。
   市販スイッチング電源の評価 その2
3. AC/DCを分離した部品レイアウト (左下がAC入力、反時計方向に回路が構成され、左上がDC出力)
4. AC入力部、DC出力部の平滑コンデンサのグレードが高い。
  入力部:日本ケミコン叶サ、105℃保証、耐高リプルのKMHシリーズを採用。
  出力部:日本ケミコン叶サ、105℃保証、インピーダンス特性優先のLXYシリーズを採用。
5. 発熱する素子は絶縁シートを素子全体に被してヒートシンクに固定。更に、ヒートシンクはフレームに結合されており、全体で放熱するようになっている。
6. コイル等、大きく重い部品は耐震性向上の為、シリコンゴムで固定されている。


3. その他の違い
 今回使用した市販スイッチング電源は日本製ですが、仕様書にはリップル、リップルノイズ、周囲温度変動、経時ドリフト、その他非常に細かい部分まで公開されています。しかも、無償保証期間は3年です。


4. まとめ
 問題なのは、日本製とか台湾製とかではなく、ATX電源品質の劣悪化です。ユーザーとしても、マザーボードやHDDと同様、もっと電源に意識を持つ事が必要ではないでしょうか。ユーザーの意識レベルが市販品の品質レベルを高める、一番のカンフル剤と私は考えます。皆さん、エネルギーの源である電源を見つめ直してはどうでしょうか?