1.GIGABYTE GA-7DXR原発を乗っ取る 2001/07/27

1.GIGABYTE GA-7DXRのFSB設定
 このマザーはBIOSでのFSB設定、倍率設定の他にWindows上から操作出来るEasyTuneIIIが売り物ですね。わざわざ危険を犯さなくともこのツールで十分に遊ぶ事は可能です。
 さて、ここではお膳立てされたツールでは満足できない^^;。そんな方々の為に原発乗っ取り情報を公開します。原発乗っ取りにより、PCI比率1/3、1/4の切替が任意に実現可能になります。更に、マシン起動中に任意にFSBを変更可能です。例えば、マザー上のFSB設定を100MHzに設定すればPCIは1/3、AGPは2/3に固定されます。また、133MHzに設定すればPCIは1/4に、AGPは1/2に固定されるので、PCIバスに接続された拡張カード類のOC耐性を睨みながら満足できるポイントを探し出すことが可能です。



2.GIGABYTE GA-7DXRを改造する 2001/07/27

1. 原発乗っ取りの方法
 簡単に言えば、基準となる水晶発振子を交換する事です。例えば、標準の水晶発振子(14.318MHz)を16MHzに交換する事により、ジャンパー設定値より約1.12倍の周波数を得る事が出来ます。しかし、この方法はベース周波数以外のクロック信号も同じ倍率で変化させてしまう為に不具合が発生します。周波数が変化する事により、不具合が生じるクロックには14.318MHz(基準クロック)、24MHz(FDD用)、48MHz(USB用)があります。原発乗っ取りを成功させる為には、これらの周波数を固定させる為にマザー外部よりクロックを供給する必要があります。外部供給方法には色々ありますが、安定性重視の観点から3.3Vレベルでの供給が可能なTurboPLLを使用しました。TurboPLLは、廃人の庵のWebMasterであるヒロ坊さん開発された、クロック発生基板です。


2. これがTurboPLL-01です
   詳細は、ヒロ坊さんのWebPageを参照して下さい。


 残念ながら、Turboシリーズは現在、販売されておりません。 
 この基板に電源を供給するだけで、14.318MHz3系統(内1系統は高出力)、24MHz、48MHzクロックを得る事が出来ます。その上、14.318MHzの可変クロック出力もあり、この基盤1枚で原発乗っ取りと可変クロック化がまとめて実現できる、スグレモノです。専用コントローラーで更に便利に、高機能化させる事が可能です。



3.GIGABYTE GA-7DXRの原発乗っ取り 2001/07/27

1. TurboPLL0-1を接続する
 GA-7DXRに使用されているPLL-ICはICS社製の94240AFです。今日現在、ICS社のサイトにはデータシートが公開されておりません。仕方がないので、オシロスコープとテスターで調べる事となりました。^^; 結構面倒ですが、これがまた楽しいんですよね。調査の結果、このPLL-ICには14.318MHz*2出力、24MHz*1出力、48MHz*1出力で有る事が判明しました。ご丁寧にもピンの両端に配置されており、最悪のピン上げにも楽に対応できます。(爆) テスターにて行き先を調査し、後は私の独断と偏見で(爆爆)、原発乗っ取りを行います。


1)14.318MHzはチップ抵抗R66を除去したPLL-IC反対側パターンに接続。
2)48MHz出力はチップ抵抗R65を除去したPLL-IC反対側パターンに接続。
3)可変クロックは除去した水晶のAGPと反対側へ接続。

 このPLL-ICは1pin、2pinが14.318MHz出力ですが、今回の乗っ取りは片側のみです。もう片方はCPU/Chipset用ではない、DIP-SWのスキャン用の感じですが、正確ではありません。後日、この信号も乗っ取りして再確認したいと思います。
 また、FDC用24MHzはR54にてプルダウンされていますので、おそらく乗っ取り不要でしょう。私はFDCを使用していないので、どっちでも良いのですが^^; どなたか報告いただけると助かります。

 高い周波数を扱う機器ですので、アース処理が重要です。本来なら最短距離かつ太い配線で確実にアースを取る事が基本です。今回は、PLL-IC隣のマザー取り付けビス用ランドに半田付けしました。
 原発乗っ取り後に不安定動作が目立つ場合、アースの取り方を見直す事をお勧めします。何せアースの基本だけで一冊の専門書が有るぐらい、奥が深いのです。電気的には0Vに接続するだけなんですけどね^^;

TurboPLLの取り付け状態です。
 VIA 686B south bridge上にボスを瞬間接着剤で固定し、ビスを立てました。
ビスだけでは回ってしまうので、回り止め対策を行います。今回は、使用していないIDE-RAIDコネクタにフラットケーブルの付いていないコネクタを差し、基板の側面をサポートする方法で行いました。結構スマートで気に入ってます^^;
写真では分かりにくいですが、ヘッダーとクランプ間の隙間と基板が上手い事あって、結構強力にホールドされています。

 コネクタは余り物のIDEケーブルを解体して用意しました。

上から見てます ^^;

側面から見てます ^^;

 ヘッダーとクランプ間の隙間と基板が上手い事あって、強力にホールドされている状態が分かるでしょうか?

完成です。

 マザーの高機能化に伴い、高密度かが進む現在、乗っ取り基板の取り付け方法が今後の課題ですね。でも、今回は満足できる取り付けが出来ました。

 以上で改造完了です。この状態で既に2週間近く経過しておりますが、特に不具合は発生しておりません。ただ、起動時に高FSBだと途中でハングする事が不可解です。やはり、もう1系統の14.318MHzも乗っ取りが必要なのだろうか? でも、OS起動後は全く問題ないけど。。
さあ、コントローラーでグリグリ出来る準備が整いました。OCライフを楽しみましょう。次は電圧可変の改造ですかね?^^;

 この改造は難易度が非常に高いです。半田付けに自信が無い方は止めた方が無難でしょう。



4.GIGABYTE GA-7DXRの原発乗っ取り その2 2001/08/13

1. もう1系統の14.318MHzも乗っ取りする
 相変わらずPLL素子のデータは公開されていませんね。待っていても仕方ないので、前回乗っ取りを実施しなかった14.318MHzの乗っ取りを試してみましたので報告しますね。私が調べた結果では、DipSW情報の読み取りやBIOS起動時等のセットアップ時に使用される端子(Frequency select pin. ICS社ではFSピンと表現してますね)と思ったので原発乗っ取りを止めましたが、この判断が正しかったのかを確認する為に乗っ取りを実施してみました。^^;(暇やなあ)

1)2Pin(14.318MHz)を足上げし、絶縁チューブを被せる。
2)RN6の集合抵抗部に14.318MHzを接続。

 本当は足上げなどせずに集合抵抗部で工夫して接続したかったのですが、集合抵抗部を弄るのは大変なので、この様な結果になっちゃいました。^^;
この時に分かったのですが、RN5/RN6はこの14.318MHzを分配する為の抵抗の様ですので、間違いなくこの乗っ取り方法は失敗するかな? と確信しながら、作業を進めました(爆)

アース配線もより近いC18のDIMMと反対側へ接続し直しました。


2. 結果は?
 さあ、改造が終わりましたので、テストを開始しましょう。電源ON。ん? いつものピポッ音すらしない。組立が不完全なのか、乗っ取り時の半田付けが不完全なのか、色々確認しましたが全て問題なし。やはり、このピンはFSピンだった様ですね。禁断の14.318MHzです。(爆)
仕方ないので、足上げしたピンを元に戻します。足が折れたら大変!とヒヤヒヤしながらも何とか復旧作業を終え、再度電源ON。ピポッ、今度は正常に起動しました。イヤー、無事復活して良かったです。^^;
アース配線修正によるOC耐性の変化や安定性の変化は今のところ体感できる差はありません。

 結論は、14.318MHzはチップ抵抗R66部分1箇所の乗っ取りだけで良いです。皆さんの参考になれば幸いです。

 さて、今回の方法に疑問を持った方もいると思います。恐らく、FSピンだからと言って、14.318MHzをCPU周辺で使用していないとは判断出来ないのでは? と言う意見でしょう。私も同感です。事実、一部のマザーではFS信号部はそのままにして、CPU周辺回路へ渡される部分で切り離し、原発乗っ取りを行うマザーが有る話を聞いた事があります。(経験無いので、未確認情報です) 機会が有りましたらこの辺に突っ込んで解析したいですね。尚、やす坊は皆様からの貴重な情報もお待ちしております。よろしくお願いします。


 この改造は難易度が非常に高いです。半田付けに自信が無い方は止めた方が無難でしょう。