1738ch
4.昇華と運動
4/15days
葦と艾《あしともぐさ》●mame 


 そういって、鍛え続けた体は、埋もれるしかなかった。見据えて、転がっていった夜道は、屈託なくはしゃいでいた。ただ、種は突然変化をする。その変化があまりにひどいために、皆が煙に巻かれる。世界は、一瞬にして昼間になる。明るい太陽が、何も言わずに浮かんでいる。

 どうしてなのだろう。お腹のなかに拵えていただけの存在が、光を見た瞬間に大きく違ったパースペクティブに変化をする。滲みだしてくる緑色の蒸留水は、変化を嫌った、固い学者の脳細胞を肥大させる。そうして、一日の締めくくりには、期待を裏切った一粒の筋肉が、また収縮をしていく。
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Disparallel 
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