立倉マンションのオーナー、立倉一志が「それ」を発見したのは今月の第二木曜の朝だった。
立倉マンションのゴミ集積所、山積みになったゴミの一番上に…7〜8歳くらいの少女の遺体が遺棄されていたのだ。
彼は、その少女が7階の住人、田中さんの娘である事を知っていた。
彼はどうしたか?
すぐさま遺体を抱き上げ、マンションの非常用螺旋階段を一気に7階まで駆け昇る。7階廊下を突き当たりまで駆け抜け、そこにある田中さんの部屋の戸を勢いよく開けた!
中には…泣き喚きながら夫をなじり続ける奥さんと、血まみれの両手を見つめたまま茫然としている田中さんの姿があった。
「どん!」
立倉は玄関先に少女の遺体を放り出し、言った。
「田中さん、今日は生ゴミの日じゃないですよ!!」