blueball.gif (1613 バイト)  金烏工房東征記  blueball.gif (1613 バイト)


1 JR水道橋駅改札口 − 出会い −


東京でオフ会を開くことになったきっかけは、何であったろうか?確か夏に開かれた「ぼや漫オフ」で、「睡人亭」亭主の山田崇仁さんと二階堂先生から、「君も大学院に入るんだったら、一回ぐらい神保町に行って色々と専門書店を回ってみないとねえ。」と言われたのがそもそもの始まりであった。その後、神田からだと湯島聖堂や秋葉原も地理的に近いという話になり、「ならいっそのこと、神田だけでなく湯島聖堂や秋葉原もまとめて回ってみるかあ!」という気になり、「大学院入試に合格したら」、あるいは「東京見物に近いノリになる」という条件付きで、掲示板にて参加者を呼びかけたのである。

最初に参加を表明してくれたのは、掲示板常連の飯香幻さまであった。神保町付近の地理に明るいとのことで、私にとってかなり頼もしい存在であった。その後首尾良く院試に合格し、オフ会の実施を正式に決定して改めて参加者を募ったところ、数多くの方々が名乗りを挙げてくださった。実施日と集合場所も二転三転したが何とか決定し、最終的に11月6日、午前10時JR水道橋駅に集合し、そこから神保町→御茶ノ水(湯島聖堂・ニコライ堂・神田明神などを見学)→秋葉原の順で見て回ることになった。食事処も参加者の一人であるあきらさんが、ありがたいことにめぼしい店をリストアップしてくださり、下見まで引き受けてくれたのである。

オフ会の名称は鍵屋さん発案の「金烏工房 東征オフ」に決め、参加者も「中国雑文化」のあきらさん、飯香幻さん、居眠り猫さん、SUIKOさん、「宣和堂電網頁」の宣和堂さん、多岐さん、「封神演義」のhakoさん、私さとうしんの八名に確定した。

そして運命の平成11年11月6日がやって来た・・・・・・

私は集合場所の水道橋駅に降り立った。朝4時に起きたので少し眠い。それでも行きの新幹線の中では眠ることなく、神保町の地図を広げては「古書店も含めて10件ぐらいは回れるかなあ?」などと計画を立てていたのである。(それが無謀な試みであったと、後で思い知らされることになるが・・・)時刻は9時40分頃。集合時間までは少し間があるが、私は改札口で早速二階堂先生の『封神演義の世界』を取り出した。この本を目印にして集合するということになっていたのである。

衆人環視の中でこういう本を広げるのは結構恥ずかしい。そう思っているうちに一人の女性が近付いてきた。多岐さんであった。取り敢えずあいさつを交わすと、今度は飯香幻さんが近付いてきた。飯香幻さんとは大阪で一度お会いしている。彼女は早速その場で中華グッズを取り出した。香港で購入したという、アメコミチックな『封神』の漫画である。『封神』だというのになぜか呂洞賓まで登場するというものすごい内容である。

その漫画に見入っているうちに、今度は宣和堂さんが到来。宣和堂さんとも他のオフ会で何度か顔を合わしている。宣和堂さんと『蒼穹の昴』や『韃靼疾風録』の話に興じていたが、しばらくして『封神演義の世界』を目がけてあきらさんとhakoさんがやって来た。驚いたことにhakoさんは男性であった。実を言うと、それまでhakoさんのことを女性だとばかり思っていたのである。(ついでに告白すると、飯香幻さんのことも本人からそうと告げられるまで、男性だと思っていた。)更に驚いたのは居眠り猫さん。私の目の前に現れた居眠り猫さんは私の予想に反して、理知的な雰囲気を持つ女性であった。(それまで豪快な性格の男性だと思っていたのであります ^^;)

私が秘かにショックを受けている間に、あきらさんの携帯が鳴り響いた。「ひょっとしてSUIKOさんからでは?」と思ったら、果たしてその通りであった。「10分ぐらい遅れそうだ」とのこと。そう言えばもう約束の10時を回っている。取り敢えずSUIKOさんをその場で待つことにしたが、そこへ渋い和服姿の男性が通り掛かり、一行に声を掛けてきた。

大東文化大学の黄虎洞老師である。実は黄虎洞さんからは事前に、「オフ会の当日、私も所用で神田にいます。もしどこかでそれらしい集団を見かけたら声をお掛けします。」というメールをいただいており、私の方も「午前10時に水道橋駅で集まる予定です。」と返事のメールを出しておいたのである。一同が次々と黄虎洞さんに自己紹介をする。私は老師から、「君のとこの大学では、いま誰が教鞭を執っているのか?」というようなことを尋ねられ、宣和堂さんは「Tシャツはまだ出来ないのか?」と催促されていた。

 実はいま、あちこちの中華系サイトで「乾隆帝の肖像画をプリントしたTシャツを作ろう」というムーブメントが起こっており、宣和堂さんはその首謀者の一人なのである。私や黄虎洞老師、更に今回の参加メンバーの中では飯香幻さんも購入希望者として名前を連ねている。詳しくは「リンク」コーナーから宣和堂さんのホームページをご覧下さい。

ともあれ、黄虎洞さんはお弟子さんらしき人を連れて一足先に書店巡りへと旅だって行った。その数分後にSUIKOさんがやって来た。全員揃ったところで、飯香幻さんの先導で我々も水道橋駅を発った。駅からは真善美が一番近いのだが、まだ開店時間になっていないとのことで、先に海風書店に行くことにした。


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