blueball.gif (1613 バイト)  台湾旅遊記  blueball.gif (1613 バイト)


5.帰還


10月8日 台北

故宮を見て回った後、我々は光華商場を見て回る時間的余裕が無いということで、台北駅付近の本屋を見て回ることにしたのであった。台南の本屋で物色していた折りにSUIKOさんから、「台北の本屋はここと比較ならないぐらい大きな所が多いですよ。」と聞かされていたので、期待に胸が膨らむばかりである。

宣和堂さんの薦めで、あるデパートの中に入っている誠品書店に足を踏み入れたが、ここが本当に今まで見て来た本屋の中で一番広い。ワンフロアだけだが、少なくとも梅田の紀伊国屋書店ぐらいの広さはあるように見えた。

もう大概カバンに本が入らない状態なので、ここではホントに本を見るだけにしようと思ってたいたが、やはり堪えきれずに二冊ほど買ってしまう。ひとつは三民書局の中国古典名著シリーズに入っている『楊家将演義』である。これは『楊家府』系の版本に基づいているとのことで、思わず衝動買いしてしまった。もうひとつは台湾大学の学生さんが書いた修士論文である。台湾では修士論文でもこうやってちゃんと本屋で刊行されているのだなあと感心する。

他にもここでは司馬遼太郎宮城谷昌光といった、日本の歴史小説家の作品の翻訳もたくさん売られていた。正直、宮城谷氏の『太公望』なんて翻訳する価値がないと思うのだが……田中芳樹『紅塵』や『奔流』なんかもちゃんと翻訳されていたが、但しこちらは『銀河英雄伝説』・『創竜伝』と一緒にマンガコーナーに並べられていた。宣和堂さんが「結局田中芳樹って、台湾ではマンガ作家としてしか認識されてないんですよねえ。」とツッコむ。

一通り店内を見て回ったあと、喫茶コーナーでケーキを食べたりしているうちに、早や夕方となる。残念だが本屋巡りはここで打ち切り、台北在住の友人と待ち合わせしていると言う宣和堂さんと、ここで別れる。私と川魚さんはもうしばらく、今度はパソコンショップを見て回ることにした。というのは、旅行前に金庸の『笑傲江湖』のパソコンゲーム版が台湾でヒットしているらしいという話を耳にし、是非それを買って帰りたいと思っていたからである。

台北駅前の電脳ショップビルに入り、ゲーム売り場を探してみたところ、無事に『笑傲江湖』をゲット!更に店員の兄ちゃんが攻略本までおまけにつけてくれた。あとは実際に家のパソコンで動くかどうかが問題である。(後日談となるが、帰宅後インストールしてみたところ、懸念された文字化けもなく無事に動いてくれました。)

『笑傲江湖』のパッケージ

その後、MRTとタクシーを乗り継いで宿舎に帰還。川魚さんと宿所の食堂で夕飯を食べ、最近の日本の時事ニュースとか明日の予定とかを話し合う。明日の朝はどこで降りたらいいかわからないバスに乗るのも億劫なので、台北駅までタクシーで行きたいと言うと、川魚さんも台北駅まで出なきゃならないとのことで、駅付近のリムジン乗り場まで御一緒してくれることになった。フロントのおじさんに明日の朝6時にタクシーを予約する旨話をつけてもらう。

就寝の前に、ついでに自宅の方にも電話しておくことにする。鳥取大地震の影響で大阪近辺にも被害が出たと聞き、少々不安になったのである。しかし私の住んでいる地域はさほど被害が出なかったとのことで、安心した。

10月9日

朝6時に宿舎を出てタクシーの到着を待つが、一向に来ない。フロントのおじさんに問い合わせても「タクシー会社に電話したか?」とトンチンカンな答えしか返ってこない。どうもおかしいと思ったら、昨日の夜にタクシー会社に電話を入れてくれたわけではなく、チェックアウトが済んだ時点で予約の電話を入れるつもりだったらしい。そう言えばチェックアウトの時もジェスチャーで「電話したか?」みたいなことを聞いてきたなあ……まあこういうトラブル(?)もまた楽し、である。

結局運良く宿舎の近くを通り掛かったタクシーを捕まえ、中正国際空港直通のリムジン乗り場まで行ってもらう。バス乗り場で川魚さんとまたの再会を約束して別れを告げ、バスに乗り込んだ。

 

たった五日間の旅行だったが、何だか一ヶ月ぐらい過ごしてきたような気がする。日本に帰ってからもう三ヶ月近くたつが、未だに旅の余韻が残っているような心持ちである。台北でも台南でも行き逃した所はたくさんあることだし、是非また機会を見つけて再訪したいと思っている。

最後になりましたが、旅の企画主である水歌ななこ様、台北での宿を仲介して下さった川魚様には改めてここで御礼申し上げます。ありがとうございましたm(_ _)m


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