謹 賀 新 年

平成23年 元旦

旧年中は色々とご支援賜りありがとうございました。
本年もご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。

<正す会通信・・・その55>  サラ金被害者と欠陥住宅被害者との比較
――なぜ私は欠陥住宅被害者に肩入れするのか――
 長年欠陥住宅被害者救済に携わってきてサラ金被害者との対比が心から離れない。何を以って被害とみるかはさておき、サラ金被害はその高利を納得の上で借金をしたのではないか。ところが欠陥住宅の場合一生に一度の住いとて欠陥のない住い造りをしてくれるものと信じて新築を依頼したのに巧妙に手抜きされたもので、まさしく被害という名に値するのではないか。概してサラ金を利用する人は親にも兄弟にもそっぽを向かれてあまり性格(たち)のよくない事柄に金を費消するためあえてサラ金から高利の金を借り受けざるを得なかったのではないか。人間のタイプとしてみるなら欠陥住宅被害者はマイホーム建設のため私欲を抑制し、日々勤労と節倹に励んでようやく資金または頭金を調達の上、マイホーム注文に至った人が多く、サラ金被害者と比べて人格の差は歴然である。被害回復の点についてもサラ金被害の場合は法定の利息による計算だけで多くの場合決着がつき過払利息が返還され過払金が回復する。ところが欠陥住宅の場合は誰が見ても明々白々の欠陥と思えるものが欠陥でないと変な技術論に逃げられて、解決に至るまで欠陥であることの証拠立てに四苦八苦しなければならない。中々解決が進まず、その苛立ちが頼んでいる弁護士に対する云われのない苦情となって弁護士からも嫌われる。だから多くの弁護士は欠陥住宅事件を受任したがらない。労多くして益少ない点から見れば当然のことであろう。  しかし弁護士の原点が人権の擁護にあり、遊興目的のため費消する借り入れに際し納得の上払った高利を取り戻すことが果たして正義か、真面目な人が節倹の上貯めた資金を手抜き欠陥という手口で詐取された人を救うことこそが正義か、という二者択一の中で後者こそが弁護士の社会的使命によりよく即するものと考えたいと思う。

(澤田和也)

欠陥住宅を正す会では、毎月東京・大阪の例会で欠陥住宅の専門家・体験者らによる相談会を行っています。お困りの方に当会のご紹介をお願いいたします。また欠陥住宅問題についての解説、ニュース、学習記事、判例などを満載したホームページを毎月更新しています。ぜひご覧いただくようお願いいたします。

欠 陥 住 宅 を 正(ただ) す 会
(旧称 住宅のクレームに悩む消費者の会)
代表幹事 澤田 和也
(体験者・弁護士)

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