第10回 CDプレイヤーちょっといい話
今回は、手持ちのCDプレイヤーに一工夫して音質を向上させようというお話です。
効果のほどは状況によって異なりますが、大掃除のついでに試してみるのも良いかと思います。
1.電源の極性を合わせる
家庭用の交流100V電源はプラグを差せば使えますが、電気には+と−があるので電源と機器をつなぐときにそれを合わせることによって音質が向上します。
一般的にはコンセントの2つの穴のうち、長い穴の方が−(アース)になっています。また、機器側はコードに線が引いてある。あるいは、プラグの片側に印がついている方が−(アース)になるので、それを合わせてつないでみましょう。
2.接続を替える
CDプレイヤーはデジタルあるいはアナログでアンプ(D/Aコンバーター)に接続されています。
デジタルの出入力にそれぞれ、同軸と光があれば、使っていない側の接続を使ってみましょう。同軸のデジタルケーブルは基本的には映像用のピンケーブルと同じものなので、家電量販店でちょっと高級なものを買ってくれば良いかと思います。
アナログの場合、付属のケーブルを使っているのであれば交換することをおすすめします。ケーブルはそれほど高級品でなくても充分効果があります。
3.ディスプレイを消す
CDプレイヤーにはトラックと時間を表示するディスプレイがあります。中級機以上のプレイヤーにはディスプレイオフ(機種によって名称は異なります。)のスイッチがあるので、そのスイッチでディスプレイを消してしまいましょう。
大半の機種にディスプレイオフのスイッチが付いているのは、ディスプレイ自体から出るノイズがスイッチを付けなければならないほど、音質に影響を与えているとオーディオメーカーも考えているからです。
また、丈夫な台(ラック)に据えるのも大切なことです。
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第9回 スペックの解説 (スピーカー編)
リクエストもありましたので、今回はスピーカーの話です。
スピーカーは音の出口であり、様々な大きさや形式のものがあります。そこで、スピーカーのカタログなどのスペック表に書いてある用語を中心に解説していきたいと思います。
・形式
”〜ウェイ”というのは音域をいくつに分けているかを表しています。2ウェイであれば低域と高域、3ウェイであれば低域、中域、高域に分かれています。なぜ音域を分けるのかいうと、ユニットの形式や素材で低域の優れたものや高域の優れたものがあり、それらを組み合わせるためです。
”*スピーカー”というのは文字通りスピーカーの数です。フルレンジスピーカーは1つのユニットですべての音域をカバーしているものです。
”バスレフ型”と”密閉型”というのはスピーカーの入った箱(エンクロージャー)の違いで、密閉型はエンクロージャーの中の空気が漏れないように密閉したもので、バスレフ型は低音の再生のため、エンクロージャーに筒(ダクト)を付けたもので、外から見ると穴が空いているように見えます。ほかにも、”コンデンサー型”もありますが、これはフィルム状の振動板を使うものです。
・ユニット
振動板の形状によってそれぞれ名称があり、よく使われているのは”コーン型”と”ドーム型”です。2ウェイ2スピーカーであれば低域にコーン型、高域にドーム型が使われることが多いです。ほかに”ホーン型”というものもあります。
・再生周波数帯域
そのスピーカーで再生できる周波数を表しています。
最近はDVD−AudioやSACDといった新しいフォーマットの登場で、20kHZ以上の高域も再生できるスピーカーも発売されています。
・入力インピーダンス
インピーダンスは交流電流に対する抵抗値です。スピーカーの入力インピーダンスは6Ωや8Ωが多いと思います。これらは、アンプ側の出力インピーダンスに合わせることが大切です。
・出力音圧レベル
感度や能率とも呼ばれますが、この値が大きいければ、小さな出力でも大きな音が出せます。
たとえば、いつも聴いている一定の音量があるとして、その音量にするためには、出力音圧レベルの高いスピーカーと低いスピーカーとでは出力音圧レベルの低いスピーカーの方がアンプの音量が大きくする必要があります。
出力音圧レベルの低いスピーカーはアンプのパワーも必要になります。また、パワーの少ないアンプの場合は、出力音圧レベルの高いものと組み合わせた方が良いといえます。
・クロスオーバー周波数
その周波数を境にして、その周波数より低いものは低域、高いものは高域のユニットがそれぞれの音を出していることを表すものです。
カタログには外形寸法や重量についても書いてあるので、これで部屋に収まるかどうかがわかります。(結構重要。)
カタログだけではどんな音が出るのかはわかりません、好みもありますので、できるだけ試聴する事が大切です。
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第8回 リマスタリング盤の試聴編
だいぶ間があきましたが、前回の予告通り、リマスタリング盤の試聴編です。
当然のことですが、聴き比べなので、昔発売されたCDとそのリマスタリング盤が必要になります。今回は、比較的両方のCDが入手しやすい松任谷由実のCDで聴き比べました。
2000年10月現在、松任谷由実のCDは’89年発表の「Love
Wars」までの作品が世界的にも有名なバーニー・グランドマンによってリマスタリングされ、’99年に発売されています。
手元のCDの都合で、試聴盤は「Love
Wars」を使用しました。オリジナル盤はリマスタリング盤のちょうど10年前のものになります。
オリジナル盤のあとにリマスタリング盤を聴きましたが、入力レベルにはそれほと差はありませんでした。
リマスタリング盤は、ヴォーカルや楽器の音が鮮やかになり、比較的小さな音もしっかり出ているようでした。
また、音の広がりも良くなっています。ありがちな表現ですが、目の前の薄い膜が取り払われたような感じといったところでしょうか。
正直なところ、もうちょっと古いものを使いたかったのですが、オリジナル盤を入手するのが難しかったので割と新しいものになってしまいました。
思い入れの深い曲がリマスタリング盤として発売されていたら、リマスタリング盤を買っても損はしないと思います。
ちなみに、11月に発売される予定のビートルズのベスト盤もデジタル・リマスタリングされた音源が収録されるそうです。
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第7回 リマスタリング盤の実力
今回もCDのお話。とりあえず、最近買ったCDと1980年代に発売されたCDをアンプの音量を同じにして聴いてみてください。最近買ったCDの音の方が大きく、音質も良いはずです。
これは新しいCDに入っている音のレベルが1980年代に発売されたCDより大きくなっており、また音質の向上は技術や機材が進歩しているためです。
だったら昔のCDも今の技術と機材で作り直せばもっと音が良いCDができるはず。ということで、昔のCDの原盤を今の進歩した技術と機材を使って新たに作り直したCDがリマスタリング盤というわけです。
似たような言葉でリミックス盤というものもあります。リミックスは元の曲をアレンジして収録しているもので、リマスタリングとは違います。
ここでいうリマスタリング盤は、昔発売されたオリジナルのCDやアナログ盤のもととなったマスターテープから新たにCDを作ったものをいいます。
リマスタリング盤の中には、あまりできの良くないものもありますが、全体としては眠っている音源を良い音質で世の中に出していくという意味で歓迎すべきことだと思います。
次回はリマスタリング盤の試聴編です。
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第6回 CDプレイヤーを買おう
DVDプレイヤーやSACDプレイヤーが発売されていて、それらのプレイヤーでもCDの再生機能があるのになぜ「CDプレイヤーを買おう」なの?と思われるかもしれませんが、CDのみ聴くのであれば、CDプレイヤーが最適だからです。
3,4万円位の入門機といえる製品でもミニコンポのものとは出てくる音が違うので、初めての方はこれくらいの値段のものを購入されても良いかと思います。
個人的ではありますが、あったらいいなと思う仕様や機能について書いておきます。3,4万円の機種にはない仕様や機能なのでもうちょっと予算があるという方は、CDプレイヤーの購入の参考にしてみてはいかがでしょうか。
1.同軸デジタル出力
3,4万円位の機種ですとデジタル出力は光のみというのが多いですが、もう少し上位機種になると、光に加えて同軸のデジタル出力も装備されます。同軸と光をそれぞれ、アンプ(D/Aコンバーター)とMD(CD-R)という具合に複数の機器にデジタル接続ができます。また、ケーブルの違いといえばそれまでですが、光と同軸では音が多少違うのでつなぎ換えて使うのも良いかと思います。
2.HDCD対応
HDCDは「ハイ・ディフィニション・コンパティブル・ディジタル」の略で、通常のCDとの互換を保ちつつ音質を向上させるシステムです。HDCDディスクにはふつうのCDのデータに加えて、HDCD用のデータも記録されています。HDCDディスクはもちろん通常のCDプレイヤーで再生できますが、HDCD対応のCDプレイヤーで再生した場合はHDCD用のデータも読み込んで、より高音質で再生できます。
HDCD仕様のソフトはかなり発売されているので、手持ちのCDにも1枚くらいあるかと思います。プレイヤーは10万円以下のものでもHDCD対応しているのもあります。
そのほかにも、D/Aコンバーターとして使用できるようにデジタル入力のあるもの、CD
TEXT対応、CD-RW対応というものもありますので、本体のデザインや音も含めて、気に入ったものを選びましょう。
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第5回 手持ちの機器で良い音を (ケーブル交換編)
良い音を聴くにはやはりそれなりの機器が必要ですが、手持ちの機器をできるだけ利用して良い音を聴くにはどうしたらよいのかを不定期になりますがいろいろと書いていきたいと思います。
今回は「機器をつなぐケーブルを交換して良い音にする」です。
まずはスピーカーケーブルです。ミニコンポでもスピーカーとアンプ(本体)が分かれていればスピーカーとアンプはプラスとマイナスのケーブルで接続されています。ミニコンポの場合、スピーカーケーブルは付属品になっているのでそのまま使用しているかと思います。付属品のケーブルはあくまでもおまけと考えて思い切って交換してしまいましょう。オーディオショップでなくても比較的大きめの家電量販店にいけば切り売りのスピーカーケーブルが売っています。ミニコンポであれば、500円/1m程度のもので十分です。これだけでかなり効果があります。
単品でシステムを組んでみえる方は機器同士を結ぶピンケーブルに注目しましょう。超高級品であれば話は別ですが、この場合も付属のピンケーブルはあくまでもおまけと考えて、3,000円/1m程度のものに交換すればかなり音質が向上すると思います。ピンケーブルを一度に交換となるとそこそこお金がかかりますので、使用頻度の高いところから順番に交換になると思います。
接続の時はケーブルがしっかりと接続されているかを忘れずに確認しましょう。
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第4回 DVDプレイヤーとして使うプレイステーション2 (その2)
今回はDVD−video視聴編です。とはいえわたしのオーディオはビジュアル方面の対応は今ひとつなので、参考程度にとどめておいてください。
視聴システム
音声はわたし所有のオーディオ(作者紹介参照)を使用し、PS2の光デジタル出力をD/Aコンバーターに接続。
映像はS端子で25型のテレビに接続。
PS2の設定は光デジタル出力はPCMのみ、DVDのドライバーのバージョンは1.01を使用しています。
視聴盤
「北欧浪漫 SCANDINAVIAN LYRIC」(PIONEER
LDC)
視聴盤は、北欧の風景に都留教博、中村由利子両氏による音楽がPCM(96kHz)で収録されているものです。これにより、音声の出力がPCM(96kHz)に対応しているかの確認をしています。
ソフトウェア再生のPS2ではDVDプレイヤーのようにハードウェア側に音質や画質を向上させるデバイスを組み込めないため、(DVD−videoの)専用機と比べてしまうと音質や画質は見劣りしてしまいます。とはいえ、あくまでも専用機と比較した場合であり、音質、画質とも比較的高いクオリティーで再生されます。
ソフトウェア再生のためサーチをした直後は映像や音声がとぎれたりしますが、ふつうに再生しているのであれば、乱れることはありません。操作にはコントローラーを使用しますが、キーの割り当てが覚えにくいという方は画面に操作パネルを表示すると良いかと思います。
確認のため、音声出力はPCM(96kHz)で収録されたものを使用しましたが、PCM(96kHz)に対応しておらず、PCM(48kHz)にて出力されていました。
また、こちらの都合とはいえ、コンポーネント映像出力とdts、ドルビーサラウンドによる音声質力について確認できなかったのは残念なところでした。
余談ですが、PS2の光デジタル音声出力は、PS2のソフトはもちろん、PS(1)のソフトの音声もデジタル出力されます(PCM
44.1kHz)。音声が光デジタル接続できる方はお試しください。なかなか良いですよ。
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第3回 DVDプレイヤーとして使うプレイステーション2 (その1)
順番を気にせず進めるようになりました、オーディオの話。最初は「プレイステーション2(PS2)をDVDプレイヤーとして使う」です。
PS2にはご存知の通り、DVD−videoの再生機能があります。PS2のDVDの再生の仕組みはDVDドライブ搭載のパソコンと同じように、DVDドライブが読み込んだ情報をDVD再生のドライバーソフト(PS2の場合はメモリーカード内にある)を使って再生するというものです。(だから、DVDを再生する場合はメモリーカードが必要。)
この方式のメリットはドライバーソフトの更新によって、不具合を解消できたり、現在のところは搭載されていない機能(例えば、DVDのプログレッシブ再生とか。)を追加できる点にあります。
デメリットとしては、ドライバーソフトを読み込む必要があるので、映像が再生できるまでやや時間がかかることや、ドライバーソフトを使って再生するので、再生した映像や音声が途切れたりする場合もあることです。(これはドライバーソフトの更新で解消できる事が多い。)
PS2の場合、まずゲーム機として設計されている(DVDプレイヤーではない)ので、DVDの再生機能を本体内蔵とせず、ファームウェアとして付与したのは妥当な線といえます。
次回はプレイステーション2を接続して、実際にDVD−videoを観たレポート編です。
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Intermission ♯1 今後の展開について
まだ2回しかオーディオ講座をしていませんが、今後について。
当初はある程度順番にオーディオについての話をしていこうかと思っていましたが、順番だと書きたいときに書きたいことがかけなくなりそうなので、順番とかそういったことをあまり気にしないでいろいろなテーマについて書いていこうかと思います。
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第2回 どのようなシステムを組むのか
みなさんがオーディオをどこで愉しむのか、何を愉しむのかはそれぞれ違うかと思います。
たとえば、DVDで映画も観たいとなれば、AVアンプを選んだほうかいいかと思います。欲を言えばサラウンドスピーカも置きたいところでしょう。今はプレイステーション2も含めて比較的低価格でDVDプレイヤーが買えますし、AVアンプも低価格の製品やスピーカーとセットになったものもでています。DVDを中心にこれからシステムを組まれる方は選択の幅が広くうらやましい限りです。
あえてDVDを選ばないというのもありだと思います。CDやアナログ盤だけ聴くのであれば、スピーカーも2つあればいいのですし、DVDプレイヤーでもCDは聴けますが、同じ価格帯であればCD専用の再生機のほうが音質はよくなります。
マンションなどで大きな音は出せないという方でも、スピーカーを自分の近くにもってくるようにすれば、小さな音でもこまやかなニュアンスまで愉しむことができます(体に響くような音というのは無理ですが)。大きな音を出せばいいというものでもないと思います。
そんなにスペースがないという方でも、6畳くらいの部屋があれば充分愉しめると思います。
どこでオーディオを愉しむのか、何を愉しむのかを考えてからオーディオ機器を選びましょう。
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好きな音楽が違うように、好きな音もそれぞれ違います。これは、今まで聴いてきたものと関ってくるので、必ず異なってきます。よって、単品のオーディオを購入していく上で、自分の好きな音楽が自分の気に入った音で聴くことができるようにすることが大切かと思います。
そのためには、まず自分がどんな音が好きなのか知ることが必要になってきます。
具体的でなくてもいいと思います、いろいろなオーディオの音を聴いていくと、こういうのが好きというものがわかってくるようになります。それを言葉にするとどのような表現になるのかを知っていけば、自分のイメージをほかの人にも伝えられるようになりますし、オーディオ雑誌のレビューなどが購入の際の判断材料にもなっていくかと思います。
まずは、自分の好きな音を知るようにしましょう。
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わたしの場合、音楽を聴くのが好きで高校時代は買ってもらったミニコンポ(今ほど小さくない)、大学生のころは、下宿していたのでCDラジカセで音楽を聴いていました。
就職を機に地元に戻り、2回目ぐらいの給料でMD付のミニコンポを購入して、これである程度満足していたのですが、テープデッキがすでに別売りだったため、単品のテープデッキを買いに行ったオーディオショップで、ほかのオーディオの試聴をさせてもらったところ、明らかに自分のコンポとは音が違い、こういうので好きなCDが聴きたい!と思ったのが始まりでした。
その後、MDプレイヤー、アンプ、CDプレイヤー、スピーカーと徐々に買い換え、ある程度の形になってきて、今ではかなり自分の好きな音が出るようになったと思っています。
そして、いろいろな人に少しでも良い音で音楽を聴いてほしい、いろいろな人の話を聞いてみたいという思いからこのホームページをはじめました。といっても自分もそれほど詳しいというわけでもないので勉強しながら進めていきたいと思います。
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