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欠陥住宅を正す会の窓

昭和53年以来30年に亘って欠陥住宅被害者救済活動を続けている

         欠陥住宅を正す会では、

このホームページで欠陥住宅問題のホットなニュース、新判例など被害救済に役立つ記事をお届けします。

―正す会の窓・・・その33―

今回と次回の “欠陥住宅Q&A その12・その13” は、
ツーバイフォー工法についてのご質問です。つづけてお読みください。

 

欠陥住宅 Q、& A、    (その12)

   ツーバイフォー工法か在来工法か・・・そのT              ―― 工法に拘らずよい施工者を選ぼう ――

(Q) 新聞や雑誌の広告を見ていると、ツーバイフォーの木造住宅は、在来工法の木造軸組み住宅に比べて壁式構造なので地震や台風に強いとか、骨組みの組み立てに当たって在来工法のように、大工による複雑な木工が不要で、くぎ打ちだけで済むので合理的で手違いが少ないなどの、広告文句が目に付きます。

グラビアを見ても、窓を大きくとった洒落(しゃれ)た感じで、ツーバイフォーにしたいという気になるのですが、他面、両親は、知り合いの工務店に在来工法で建ててもらうのが、信頼がおけてよいというのです。どうすれば良いか、何か選択のヒントになるようなことがあれば教えてください。

*   *   *

(A) ツーバイフォーか在来軸組みかという工法自体に優劣があるものではなく、どの工法であれ、その工法に精通した施工者を選ぶことが必要です。
 ツーバイフォー工法は、建設省告示(平成13年10月1540号)で認められている、別紙説明図にあるような木材の枠組みに、構造用合板などを打ち付けた枠組材を、壁や床板に用いる工法です。枠組壁工法といわれています。
 柱や梁など線状の木材を組み合わせて造る木造軸組み住宅(在来工法)に比べて、建物に加わる人や荷物などの荷重や地震などの外力が枠組材(壁)全体に分散して伝えられるので、耐震性に優れていると言われ、また、枠組み材が火の回りを遅らせるので耐火性があり、断熱性(省エネ)に優れているとも言われています。
 しかし、建築基準法施行令で認められている軸組み工法は、枠組壁で構造をとらなければならないツーバイフォーに比べて、間取りを取りやすい長所もあり、耐力壁(筋交い入り壁)をバランスよく法定量以上とれば、ツーバイフォーと比べて耐震性に劣ることもなく、内外装材に耐火性の高いものを使用し、また、相当な断熱材を使用すれば、耐火性や省エネ性についても劣るところがありません。
 従って、双方の工法自体で住宅の優劣を決めることはできず、双方とも建築基準法令や告示に定められた技術基準を正しく守っていれば、強さ(構造耐力)については優劣はなく、法令が定める強さの荷重や外力に耐えられるものと見られるのです。
 ツーバイフォーでは、軸組工法のように、木と木の接合に仕口継ぎ手と言われる複雑な木材加工が不要で、くぎ打ちだけでできるので、合理的でバラツキが少なく、熟練大工がいらないので、製造コストも安くつくなどとも言われています。
 しかしツーバイフォー工法とて、告示に従って相当な種類の釘や金物などの基準を守り、枠組壁を組み立てて正しく施工しなければならないのは当然です。しかも、製造原価の問題はそれが請負い代金に反映されていない限りは、専ら生産者側だけの問題です。
 このように両工法とも法令や基準を正しく守り、正しく施工することが必要なので、両工法ともそれぞれに精通した信頼関係が持てる(顔が見える)業者に頼むことです。
 どのような工法を取ろうとも、具体的な建物の強さや耐火性や省エネ性などの性能レベルは、美匠性とともにあなたの好みを生かす合理的な間取りや開口部のとり方、バランスのとれた耐力壁の配置、使われる内外装材についての配慮など、具体的な建築計画と確実な精度の高い施工によって決まります。ですから、とりあえず両業者に面談され、あなたの建築計画をご相談され、あなたの意思が通じ、意向を生かしてくれると思われる業者を選ばれることです。先に述べたように、ツーバイフォー工法の設計施工歴についても確かめられるのがよいと思います。
 結局、問題のポイントは、「工法自体が家を造るものではなく、どのような工法をとるのであれ、あくまでも建物は人間が造るものである」ということです。ご予算に合わせて信頼を託せる業者を選ばれることです。
 また、設計や施工能力を支えるものは財産的基盤ですので、扱い高や使用人員の数にこだわらず、地元で地道に安定した営業を続けているかなどの信用基盤についても検討されることが肝要です。

 

(平成17年5月23日 澤田 和也)