夜尿症とは

3歳から4歳になると、70%の子どもは夜あまりおねしょをしなくなります。
小学校入学時点では90%の子どもは治っています。
中学生になるとおねしょの子どもは1~2%になります。
そのうちごく一部が大人まで移行しますが、夜起きられるようになる形で治っていくことが多いようです。
小学校入学以後も夜尿が続く場合を夜尿症といいます。
その原因は、決して子育ての失敗や子供の怠慢ではありません。
それは排尿機構の発達の遅れによるものが多いようです。

ですから夜尿の治療は長くかかります。そのモットーは以下のごとくです。


焦らず、起こさず、怒らず


これを守って夜尿を撃退しましょう。

尿が作られ、排泄される仕組みはこのようになっています。
尿は腎臓で作られ、尿管を通って膀胱に貯められます。そして尿をしたいと思ったとき膀胱の出口が緩んでおしっこが出ます。
夜尿には夜作られる尿量と夜間の膀胱の容量が絡んできます。
尿量の調節は下垂体から出る抗利尿ホルモンに深く関わっています。
尿は成人で一日に150lも作られますが、排尿する量はわずか1.5lと1%になってしまいます。
残りの99%は再吸収されるわけですが、それを司っているのが抗利尿ホルモンです。
このホルモンは夜間には日中の2倍も分泌され、尿量を日中の60%に抑えます。
これは、生まれつきそうなっているのではなく、徐々にそうなっていきます。
その発達には個人差があり、遅れた子は夜尿が続くというわけです。
このタイプを多尿型といいます。
膀胱に貯められた尿が排泄されるには交感神経と副交感神経が深く関わっています。
膀胱に貯まる尿の量は膀胱が弛緩すると多くなり、収縮すると少なくなります。交感神経と副交感神経はその収縮と弛緩を司っています。
大人ですと夜寝ている間は膀胱壁が弛緩し昼間の1.5倍ほど多く尿を貯められるようになっています。
通常3~4歳でこの神経のバランスがとれ、夜尿を貯められるようになります。
これが遅れ夜間の膀胱容量が増えないと夜尿の原因になります。これを膀胱型といいます。
その他に夜間尿も多いし、膀胱容量も少ないものもあり、混合型と呼んでいます。
尿量、膀胱の発達は正常ですが夜尿が続くタイプで治癒直前のことが多いようです。これを正常型といいます。
夜尿の治療はこのどのタイプかを診ながら進めて行きます。
 上記多尿型、膀胱型、混合型はほぼ同数存在します。
この4タイプ以外の原因で起こってくる夜尿を二次性夜尿と呼びます。
強い精神性ショック、内分泌の病気、泌尿器の病気、神経の病気など原因となります。
また、睡眠時無呼吸症候群に注意が必要です。(睡眠リズムが確立しない)
便秘を治したら夜尿も収まったというケースもあります。