四国お遍路1
 2002.10/11〜10/15
10/10、JR高速バスで徳島に向かいます。
なんとその日は25回目の結婚記念日です。
といっても出かけるのは私一人です。

10/10
11:30PM、名古屋発 JR高速バス オリーブ松山にて徳島を目指します。
バスの旅ではさぞかし大変だろうなと想像していたのですが、ゆったりとしたシートで寝られました。 往復で11,800円

10/11 

5:10AM、徳島に到着 始めての四国なのですが、まだ暗くて回りの景色は見えません。
お遍路には、名古屋から7人の人が来ていました。
始めての人3人、2回り目のベテラン夫婦、二回目の夫婦、皆さんと挨拶を交わし情報をいただく。直接話を聞いて、お遍路が現実のものとなってきました。
5:50松山行きに乗りJR板東駅で降ります。一番札所の霊山寺があるのに無人駅でした

霊山寺で遍路用具一式を揃える。
最初遍路用品を揃える気など無かったのですが、遍路の装備をしていた方が、地元の人が安心するとの話を聞き,そうだろうなと思い購入。出発の日付を備え付けのノートに記入します。
結願(全て回る)できたら赤いペンで日付をいれてくれます。
いったいいつになるのでしょうね。拝みかたの講習などを受けいざ出発です。

1番  霊山寺
霊山寺山門
2番  極楽寺
極楽寺の長命杉
3番  金泉寺
4番  大日寺
愛染院近くの道端
5番  地蔵寺
地蔵寺近くの食堂で歩き遍路にはお接待ですからとまけてくれた。
地蔵寺奥之院
地蔵寺.奥之院のかわいい五百羅漢さん
6番  安楽寺
安楽寺
この日は、温泉のある安楽寺の宿坊で泊まる。
思ったより、楽に歩けた。
途中では何人も歩き遍路の人と知り合いになり、楽しく歩けます。
歩いている人とは目的が同じですからすぐにうち解けられます。
宿坊にはバスのお遍路から歩きのお遍路まで100人は泊まっていたでしょうか。
バスや車でのお遍路はお遍路ではなく観光だなと思ってしまいました。
また車で回っている人の方が、歩きの人より真剣に拝んでいるように見えるのが、 とっても不思議でした。

今日は16キロ


10/12 

7:00AMに安楽寺を出発して7番十楽寺、8番熊谷寺と歩いていきます。
7番十楽寺
途中で宿が一緒だった京都の人としばらくいっしょに歩きます。
しかし9番法輪寺あたりから足にいやな痛みが走るようになりました。
10番切幡寺では宿が一緒だった人が集結してしまい、すっかり親しくなりました。
全員で藤井寺を目指すこととなりました。
途中若い女性2人(意味は無いけど美人でした)から全員(8人)にお接待としておにぎりをいただきました。
早くも2回目のお接待で感激!

そして川島橋(通称潜水橋)で休憩。

松浦くん、中野さん、坂部さん、高井さん、森田さん、長谷川夫妻

かなり足が痛く、遅れ気味になりながらもなんとか藤井寺の近くまで来ました。
藤井寺の近くの宿が取れなかったものですから、私だけ、鴨島駅近くのビジネスホテル に宿泊です。 薬局で湿布を買い、足の手入れです。

今日は24キロ


10/13 
朝になっても痛みはひきません。
でも6:30AM にホテルを出発して3キロほど先の11番藤井寺に向かいます。
途中「コロッケたべてってー」とおばちゃんが言ってくれます。
ここは、なんというところなのでしょう。
藤井寺では知り合いになった中野氏と松浦くんが野宿をしていました。
納経などしているうちに、またまた昨日のメンバーが集結してきました。
焼山寺への遍路道
今日は遍路道のなかでも難所で遍路ころがしと呼ばれている12番焼山寺への厳しい 遍路道です。足に痛みはありましたが、痛み以上にきつい登り降りでした。普段登山をしている、長谷川夫妻はスイスイと行ってしまいます。
やはり何事も日頃の訓練ですね。

柳水庵で休憩

ふーふーいいながらもなんとか焼山到着。
この日で京都の坂部さん高井さんとはさようなら。
焼山寺はなかなか雰囲気のあるいい感じの寺です。
奉納で吹くホラ貝の音が山に響きます。
ここでは遍路をしている80才過ぎのお婆さんから現金のお接待を受けました。
この人はもう60回以上も遍路を回られたそうです〔歩き遍路は16回)
ホントお遍路にはいろいろな人がいます。
お気楽にお遍路に出てきてしまいましたが、お気楽ではないものが奥にはいろいろありそうです。今日は焼山寺の宿坊で泊る。
相部屋になった相良さんは50才のときに遍路に出ようと決意されたそうです。以来10年間毎日10キロを歩いたそうです。そして60才の定年を迎え、お遍路に来られました。
それはそれは健脚です。
ホント日頃の訓練しかありませんね、反省!
焼山寺大師堂

今日は16キロ

10/14 
12番焼山寺から13番大日寺に向かいます。
これまた山です。
今日は一人寂しく歩きます。でも一人で歩くのもしっとりとしていいものです。
しかし途中の遍路道は昨日にもまして厳しい場所がありました。
一人ではすぐに休憩してしまいます。やっぱり帰ったら歩きの特訓ですね!
途中の食堂では中野氏と一緒になりました。
中野氏は淡路島の鍼灸医さんです。
もうすっかり悟りをひらいたような風貌の楽しいひとです。
やっぱり歩きの達人です。

   中野さん
鮎喰川
お遍路ではないとき、鮎釣りにきてみたいですね。きれいな川です。
田んぼの中にお墓が・・?

美しい鮎喰川を見ながら歩き、なんとか大日寺に着きました。
大日寺近くの今西旅館には野宿で移動していた松浦くんが宿泊していました。
お気楽に出かけてきた21才の若者だから遍路を続けるかどうか迷っています。
これから先、彼の心に遍路はどのように写るのだろうな。

今日は21.5キロ

10/15 

今日が今回の最後日です。
14番常楽寺15番国分寺16番観音寺17番井戸寺と回り徳島駅まで歩きました。
そうすると次には徳島駅から直接つないで歩けます。
14番常楽寺


14番常楽寺の裏

17寺を回りましたが寺自体にびっくりするようなものは、あまりなかったですね。
効率を求められる現代において、ひたすら歩くこと自体に意味があるように感じました。ですからお遍路に効率や快適さを求めて車で回る遍路に「違うだろ!」と言いたくなってしまいます。これは傲慢な思いなのでしょうかね?

井戸寺

井戸寺で東京から来ていた保坂さんと知り合いになりました。
彼女は2回り目です。これまた歩く速さは半端ではありません。
きちんとお経を唱える姿は美しいものでした。
この後、しじら織りの工房見学に行きました。
藍染め、しじら織りの反物を購入しました。
これで夏用の着物を作ろうと思います。
藍染めのしじら織り

17番を終えて徳島駅近くの銭湯に向けて歩きます。なんと予定していた銭湯が休みでした。 銭湯を求めてまたまた歩きます。なんとか4:00には銭湯が見つかり遍路の汗を流します。
風呂から上がって、そこで体重をはかってみるとなんと4キロ減っているではありませんか。 辛い遍路も一気に楽しいものになりました・・・・・・・・・ちょっとの間
そして、ふと見ると昨日まで一緒に歩いた長谷川さんがいるではありませんか。不思議な関係にびっくり! それから一緒に食事をし、土産を買って埼玉に帰る長谷川夫妻を9:30に見送りました。 出発の11:30PMまでまだ時間があります。
待っていると初日のバスで一緒だった名古屋の山口夫妻と、刈谷の森田さんが来るではありませんか。またまた遍路話で盛り上がり、あっという間に出発の時間となりました。 山口夫妻は2回り目ですがもう3回りをしたいと言っています。
お遍路にはまることを“お四国病”というらしいのですが、まさしくお四国病です。 11:30発、寝ていれば5:10に名古屋に着きます。

今日は17キロ


10/16 

家に帰り我が家の体重計に乗りました。
なんということか銭湯のものとは2.5キロほどの誤差がありました。
あれだけ歩いて1.5キロ減でした。

オー・マイ・ゴーッ
(お大師さま)

そんなものはあっという間に戻ってしまいます。
やはり短い期間の遍路では効果は少ないのでしょうね。
ダイエット遍路破れたり!!



10/17 

遍路が終わり2日目になりましたが足の痛みはいっこうにひきません。
床につけるだけでも、かなりの痛みがはしります。
どこか故障しているようです。
レントゲンをとって検査しました。筋が炎症起こしているとの診察です。
練習不足と若くないということですね。

患部に注射をしてもらうと、うそのように痛みが消えてゆきました。
練習不足は当然として靴の選定ミスもあるでしょう。
でも豆は一つもできなかったから・・・・まったくのミスではないのかも・・・?
なにせハードな歩き遍路ですから靴の選択は真剣にしないといけないようです。そしてその靴で重い荷物を背負い、山の登り降りの訓練が必要です。 いつもその靴で歩いていたという人にも豆ができたり、爪がはがれたりしていました。
豆はできませんでしたが、 できると気力が萎えてしまうようです。

今度は12月後半に歩こうかと思います。
次は“修行の道場”の高知県に入ります。
次の寺まで87キロあり、歩いて3日間という場所が有り、心が試されるようです