封神演義 


4 「攻め寄せる殷軍」


さて、朝歌では妲己の計略により、紂王に手込めにされそうになった黄飛虎の妻・賈氏(かし)が自殺し、これに関わって黄飛虎の妹・黄貴妃も殺された。黄飛虎はここに至って殷王朝に反旗を翻し、一族郎党を率いて西岐へ亡命することを決意した。朝歌西岐の間の五関ではそれぞれの軍隊が待ちうけており、何度か危機に陥ったが、行方不明になっていた黄飛虎の長男・黄天化na.gif (129 バイト)ta.gif (116 バイト)(なた)に助けられて無事西岐に辿りついた。黄飛虎武王から開国武成王の称号を授けられた。

平霊王の討伐から戻っていた聞仲は、西岐張桂芳(ちょうけいほう)と風林を派遣する。張桂芳は敵の名前を呼ぶ事によって相手を落馬させてしまう術を心得ており、西岐軍を苦戦させる。そこへna.gif (129 バイト)ta.gif (116 バイト)が助太刀に参上する。張桂芳の術も蓮の化身である彼には通じず、殷軍は敗走したのだった。

その戦いの合間に姜子牙崑崙山に登り、師の元始天尊から神に封じられるべき者のリストである封神榜(ほうしんぼう)を授けられた。その帰り道、兄弟弟子の申公豹(しんこうひょう)が姜子牙を呼び止め、封神榜を焼き捨てて一緒にに味方しようと唆す。そして俺は頭を切り離して空中に飛ばしても死なない術を心得ている、これに成功したら俺の言う通りにせよと、頭を切り離す。しかしこれを聞いていた南極仙翁は、白鶴童子(はっかくどうじ)に命じて申公豹の頭を遠くに持って行かせた。姜子牙南極仙翁に頼みこんで申公豹を許してもらったが、申公豹はこの一件から姜子牙を深く恨むようになり、事あるごとに彼の邪魔をすることになった。更にその後、姜子牙柏鑑五路神に会い、彼らに岐山封神榜を納めるための封神台を築かせた。

聞仲は更に、截教の道術を学んでいた頃の友人である九竜島四聖(王魔・楊森・高友乾・李興覇の四人の道士)を西岐に派遣した。西岐軍は四聖の持つ仙獣や宝珠に苦しめられる。姜子牙は再び崑崙山に登り、元始天尊から打神鞭(だしんべん)・杏黄旗(きょうこうき)という宝物と、霊獣の四不相(しふそう)を授けられた。そしてna.gif (129 バイト)ta.gif (116 バイト)の兄・ta.gif (116 バイト)ta.gif (116 バイト)も駆けつけ、黄飛虎の末子でまだ幼い黄天祥も活躍し、見事四聖率いる軍を打ち破った。

その直後、将の魯雄が悪名高い費仲尤渾を引き連れて岐山に攻め寄せた。姜子牙は道術を使って岐山全体を凍りつかせ、それとともに魯雄たち三人も凍死したのであった。

聞仲はついに切り札とも言うべき魔家四将(魔礼青・魔礼紅・魔礼海・魔礼寿の四兄弟)を派遣することにした。彼らはそれぞれが強力な宝物を持っており、西岐軍は苦戦を強いられる。そこへ美青年の道士・sen.gif (125 バイト)(ようせん)が下山して来た。彼は魔礼寿の妖獣・花狐貂(かこちょう)に化けて軍の陣にもぐりこみ、四将の宝物を奪い取った。同じ頃、師匠の所に戻っていた黄天化が下山し、攅心釘(さんしんてい)を用いて魔家四将を次々と倒していったのであった。


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