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欠陥住宅を正す会の窓

昭和53年以来30年に亘って欠陥住宅被害者救済活動を続けている

         欠陥住宅を正す会では、

このホームページで欠陥住宅問題のホットなニュース、新判例など被害救済に役立つ学習記事をお届けします。

 

―正す会の窓・・・その100―

今年は隅田川の花火大会は中止になりましたが、
一日夜、今では全国的に有名なPL教団の花火大会が 大阪の花火大会の先陣をきって開かれ、大勢の見物客を楽しませてくれました。
夏の夜空には暑気を払ってくれる大きな花火がよく似合います。

さて、平成21年3月更新の「正す会の窓・・・その65」よりご紹介して参りました≪住まいの相談Q&A≫も今回のその40で最終回となります。
ご愛読ありがとうございました。
これからも消費者の役に立つ情報を逐次お届けいたします。

(平 23・8・5)

≪住まいの相談 Q&A その40≫

【朝日新聞『みんなの暮らし』欄〔大阪本社版〕に
昭和55年7月より40回にわたり連載】

仮枠なしの基礎底盤工事
 最近公庫融資を受け、木造2階建て住宅の注文をし、目下基礎工事中です。基礎は特に大切にと頼んであったのに、地盤を掘削したところに、仮枠施工もせず、直接底盤用コンクリートを流し込んであるので注意したところ、「仮枠を使わないのが最近の工法だ。安全上大丈夫だ。」ととりあってくれません。凸凹のある不整形な基礎底盤(フーチング)でも良いのでしょうか。
強度損なう手抜き
 木造2階建ての場合、公庫融資住宅共通仕様書に示されているように、底盤付きの布基礎を施工するのが通例です。布基礎とは柱の下だけではなく、家の四周や間仕切り下を一体としてつないでいる基礎のことです。
 図のように、底盤は一定の幅と厚みをもつ直方体状の形態をしています。建物や積載物などの重み(荷重)や外力を布基礎全体で、安全に偏りなく地盤へ伝達し、地盤の沈下や変形に対しても安全な耐力を持たせるためです(建基法施行令38条1項)。
 基礎の材料である生コンクリートは、水、セメント、砂、砂利からつくられ、固まるまでは液状のものです。従ってコンクリートに一定の寸法を与えるためには仮枠を設置し、そこへ生コンクリートを流し込んで徐々に固めるのが当然の工法です。
 ご心配はもっともです。業者の言い分は、仮枠損料と手間の手抜きを合理化しようという単なる言い訳に過ぎません。「赤信号みんなで渡ればこわくない」といったたぐいのものです。
 基礎底盤用コンクリートの掘削地盤への直接の「たれ流し」は、固まれば厚みも幅も不足の凸凹の激しい形となって、法律の定める構造上安全な基礎とはいえません。仮枠のないことから副次的に生コンクリート中のセメントと水 (セメント糊) が直接地盤へ吸収されやすく、コンクリート自体の耐力も損なわれがちです。昭和59年12月26日の大阪地裁判決(大阪地判昭59・12・26判タ548号181頁)もこのような底盤施工を手抜きと認めて、その取り替え工費相当の賠償を命じています。
 業者にやり直しを要求し、応じなければ契約を解除して他の業者に頼むことです。建築の出発点である基礎の手抜きをするような業者は、往々にして建ち上がれば見えない骨組みなどの手抜きもするものです。とうてい信用のおける業者とはいえないからです。

(昭和60年6月6日)

※住宅金融公庫は、平成19年4月1日より(独)住宅金融支援機構となりましたが、
ご質問当時の名称を使用しています。