昭和53年以来30年以上に亘って欠陥住宅被害者救済活動を続けている
欠陥住宅を正す会では、
このホームページで欠陥住宅問題のホットなニュース、新判例など被害救済に役立つ学習記事をお届けいたします。
―正す会の窓・・・その102―
今年も木枯し1号と一緒に師走の足音が聞こえる季節となりました。
3月の震災以降、日本に元気力がなくなっています。
来年は明るく、楽しく、嬉しいことが沢山あるような
そんな年になるよう願って
大阪は年末検討会と忘年会、東京は新年会を企画しました。
年末の慌しい時ですが、愉快なひと時を皆様方とご一緒したく思っています。
永くお目にかかっていないお方達とも旧交を温めたいものです。
多数の皆様のご参加、お待ちしています。
(平23・11・30)
★今から30年も前に書いたものですが、
マンションブームの今こそ、重要なポイントです。ご一読ください。
マンションの価値
『欠陥住宅を正す会』
代表幹事 澤田 和也
(体験者・弁護士)
近頃、大都会の内外でマンションラッシュが続き、「夢のお城」がニューファミリーの熱い視線を集めている。
立地条件の良さ、内外装の美しさ、設備等の機能性が一般の選択規準かと思われ、中には投資的価値を求める人もあるようだが、鉄筋コンクリート造りで取り壊しにくく、更地として単独では売れぬマンションは、建物の老朽化と共にその交換価値も減じると見るべきもので、期待する値での換価や値上がりを望むのは、マズ無理であろう。だからマンション購入の目的は、立地条件の良さからくる機能性、マンションによる生活の合理性、便利さ、言い換えるなら、その使用価値に求めるべきものであろう。
ところでマンション生活を快適にさせるものには、単に建物、設備の良さのみに止まらず、その管理システムにもあることに留意すべきで、廊下階段、揚水ポンプ、エレベーター等の共用部分の相当な維持管理は、専用部分の快適さと不可分一体で、これら共用部分の管理については、「建物の区分所有等に冠する法律」に依るべきこととなるが、いくら法律があっても現実の管理そのものは、入居時に取り交わす管理規約による管理システムによらざるを得ないので、マンション購入にあたっては、この規定やそれによる管理システムを充分に検討する必要がある。一括して管理の一切を管理会社にまかせるのは危険で、管理会社が倒産して折角積み立てた管理費積立金を失わされた例もある。従って管理費の保管や管理人の罷免などの管理事務は居住者で組織する組合が行い、清掃、保守点検、改修などの個々の事実行為のみを専門業者に委託するのが望ましい。
そして当初の快適さがいつまでも維持されていれば、それは単なる使用価値の維持のみに止まらず、専用部分売買の交換価値も維持されているものと期待できよう。
「マンションを買うことは管理サービスを買うことだ」と云われる所以である。
(昭和54年1月)