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欠陥住宅を正す会の窓

昭和53年以来30年に亘って欠陥住宅被害者救済活動を続けている

         欠陥住宅を正す会では、

このホームページで欠陥住宅問題のホットなニュース、新判例など被害救済に役立つ学習記事をお届けいたします。

 

―正す会の窓・・・その109―

こんにちは
陽射しが柔らかくなって
暖かい日が続くと
土いじりがしたくなってきますね。
さて、正す会の窓・・・その104からご紹介しています
論文「欠陥住宅」も今回で最終回となります。
既載分はバックナンバーよりご覧いただくことが
できますので、今後はそちらの方をご利用ください。

(平25・3・1)

★今回で最終となります。

欠 陥 住 宅・・・その7

【毎日新聞(東京版)土曜日朝刊生活家庭欄
「住まいを考える」に7回にわたり連載】

一切を住宅会社に――は危険性高い

―「設計監理」と「施工」とを分けよう―

 

 夢をかけた、一生に一度のお買いものの新居に欠陥がないことは多くの人の願いである。
ではどうすればいいのか。
 何事によらずそうだが、「思いつくまま」とか、「今が低金利でお買い得」とそそのかされたとかの衝動買いは禁物である。
 アメリカでは「建築家に住まいづくりの相談をする」といい、日本では「建築会社に家を注文する」というこの表現の違いは、住まいづくりについての基本的な考え方の違いを表している。
 政治になぞらえれば、設計はこれからの住まいづくりの計画で立法にあたる。施工はその図面の執行という点で行政に、監理は図面と施工の不一致を正すという点で司法に当る。従って、設計や監理まで建築士にゆだね、施工は業者に依頼し、両者間のチェック・アンド・バランスによって消費者の希望する住まいづくりをするというのがアメリカの考え方である。

 これに反し、日本では大工棟梁による住まいづくりが古く、設計も施工も業者に「注文」するのが一般的である。中には設計と施工の区別すらつかない消費者もいる。住宅会社も往々にして、「設計や監理は当社の建築士が無料サービス致します」と設計施工一切のおまかせ契約をすすめ、「無料」につられて多くの消費者はこれに応じている。
 しかし業者とて設計監理には費用がかかる。見積書の費目に「設計料」がないだけで、実質的には他の費目に上乗せされているのである。
 先に述べたように、欠陥住宅の多くは業者に雇用されているか、または、業者と下請けその他の従属関係にある建築士の、工事監理の手抜きによって生まれている。それに今の建築は極めて専門家されている。従って消費者は業者とは無関係な三者性の高い、独立建築士に自分の予算と意向を十分に告げてまず設計を依頼し、構造や下地までも含めた詳しい図面を作ってもらう。それをもとに相当と思う業者から見積もりをとり、その建築士の意見を聞いて契約し、監理もその建築士に頼んで、施工が図面通りされるようチェックしてもらうことである。

 現在の重畳的住宅生産システムから見れば、設計監理を建築士に頼み、地場の直接施工する業者に施工を頼んだ場合と、一切を住宅会社に頼んだときとでは、その代金にはほとんど差がなく、かえって実質的に設監分離の発注の方が良い住まいができる可能性が高い。
 しかし問題は建築士の選び方で、頭金をためている段階から良い人の集まりに出入りし、長い時間をかけて良い人と付き合うことである。友達の友達が友達なら、良い人の友達は良い建築士である確率が高いからである。

(平成10・6・20)