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欠陥住宅を正す会の窓
   
  昭和53年以来24年に亘って欠陥住宅被害者救済活動を続けている
欠陥住宅を正す会  
では、このホームページで欠陥住宅問題のホットなニュース、新判例など被害救済に役立つ記事をお届けします。
   
  ―正す会の窓・・・その19―
 
欠陥住宅 Q、& A、  (その2)
   雨 漏 り
    欠陥現象にとらわれず欠陥原因の究明を
澤田和也
   
 
(Q) 先般、待望の新居に入居しました。一家団欒の日々を送っていたのですが 2 ヵ月ほどして台風がきたところから雨漏りがはじまりました。どこから雨漏りがするのか判りませんが、 2 階の和室や階下の廊下にも雨がまわるのです。そこで請負業者に補修を頼みました。業者は来てくれたのですが「別段、瓦も割れていないし、見たところこれといって悪いところもないので、とりあえず窓周りのコーキングをし直しておいた」と言って帰りました。その後半年の間にもたびたび雨漏りがしますので、業者に補修を依頼するのですが、いつも「雨漏りの原因が判らない」と言ってコーキングやり直しなど簡単な補修をするだけなのです。困っています。どうしたものでしょうか。
◇    ◇    ◇
(A) 雨漏りは欠陥住宅の代表的なもので、補修されないといつも居住者の気持ちを暗くし、時として家庭の不和を招くものです。さて、木造住宅の雨もりの原因としては一般的に、
   ○ 外壁のひび割れ
   ○ 瓦などの屋根材の種類に応じた必要な屋根勾配の不足
   ○ 屋根材の必要重ね長さの不足
などが考えられますが、時として上から降る雨の雨漏りだけでなく、毛細管現象による雨漏りもあります。
  ご質問から見ると業者は漏水原因と考えられる後掲図面のような箇所にテスト的にコーキング補修したものにすぎないと考えられます。雨仕舞いの基準である下地や水切り金物などにまでその不良の検討をしていないものと思われます。
  そこで問題とすべきはそのテスト的な補修ではなかなか雨漏りが止まらないという点です。雨仕舞いは、直接的な水切り金物の不良のほか、屋根や側壁の下地の使用されている防水紙の重ねの不足や下地材の施工方法の誤りなど、根本の施工までさかのぼらなければ判らないことも多いのです。おそらく業者にはその根本原因がほぼ推察出来てはいても、建物の下地からの施工のし直しなどには多額の補修費用がかかるので、コーキングなどの補修などでお茶を濁しているのだと思われます。
  さて、ここで欠陥と言う言葉を吟味していただきたいとおもいます。通常は「雨が漏る」「家が傾く」「外壁にひび割れが出来た」「寒くて燃料代がかさむ」などの不具合事象があれば、それが欠陥だと思い、その欠陥現象が一時的でもなくなれば欠陥補修されたものだと思いがちです。しかし問いのように一時的には止まっても雨漏りが再発するというのはそのような現象が生じる欠陥原因がある筈です。そこでその欠陥原因を正確に確かめその欠陥原因を取り除かせるのが本当の補修です。結局問いの場合、雨漏りの欠陥原因に対応する正しい補修がされていないのでしょう。このように業者に幾度補修させても欠陥現象が再発するのならば、第三者の建築士(専門家)に依頼して欠陥原因を客観的に正しく究明してもらい、その原因を取り除く正しい補修方法を教えてもらって、業者に正しい処方箋に従った補修をさせることです。疑問があれば建築士に相談し調査をしてもらうことが欠陥除去の決め手です。尚、雨仕舞は家の基本で、雨漏りのするような家では往々にして内外装の下地や骨組みなどの構造の手抜きをしいる場合がみられますので、雨漏りの原因の調査の際あわせ基礎や骨組みや下地のチェックもしてもらわれることをお勧めします。これらは家の安全性に関する部分で、雨漏りと同様住まい造りの最も大切な部分だからです。
(平成 16年11月15日)