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欠陥住宅を正す会の窓

昭和53年以来30年に亘って欠陥住宅被害者救済活動を続けている

         欠陥住宅を正す会では、

このホームページで欠陥住宅問題のホットなニュース、新判例など被害救済に役立つ記事をお届けします。

 

―正す会の窓・・・その46―

 “早く続きを読みたい”というホームページご愛読者からのお声を頂きながら、他にお知らせすることが多く、しばらくお休みしておりました『欠陥住宅Q&Aシリーズ』を1月更新版に続き掲載いたします。
 これは日本消費者新聞に、平成16年11月15日号より連載された、欠陥についての基礎知識を、当会代表幹事の澤田和也がわかりやすく解説したものです。
 既載分につきましては“正す会の窓バックナンバー”を検索していただきますと、ご覧いただくことが出来ます。

(平成20・2・1)

欠陥住宅 Q、& A、     (その15)

      

公庫検査を受け、住宅性能保証を受ければ安心か?
―― 建設住宅性能評価手続きをとるのが安心 ――

(Q) 長年かかって積み立てた頭金をもとに待望の新居をローンで建てたいと思っています。「公庫融資を受ければ建築確認手続と併せて公庫検査もしてくれるので、好都合ですよ」と業者が言うのです。ところが、新聞などで「住宅品確法による住宅性能評価を受ければ安心だ」ということを読んでいたので、その手続を業者に依頼したところ、業者は「手続き費用がかさむうえ、設計変更などは途中でできないからやめたほうがいい、それよりも住宅性能保証制度を利用すれば同保証機構の検査員が来てチェックしてくれるし、もし欠陥があれば補修費用も出してくれるのですよ」と、勧めるのです。どうしたらよいでしょうか。

 

*               *               *

(A) 住宅金融公庫による融資に伴う検査のことですが、確かに公庫融資物件については公庫融資基準や共通仕様書への適合性を求め一定の時期に融資物件のチェックをして同基準通りに施工されているかをチェックするシステムを採っています。

ただ、そのチェックは、何もあなたのためにあなたの家が契約の設計図書通り施工されているかをチェックする、いわゆる建築士による工事監理(建築士法2条6項)とは違います。確かに公庫(融資)基準によるチェックはあるものの、あくまでも公庫が融資物件を公庫の立場で同基準通りの住宅が建てられているか、また、融資住宅が本当に施工されているかなど融資への適合性をチエックするためのもです。それにあなたのための欠陥チェックを直接結びつけて期待できるものではありません。

さらに住宅性能保証についてですが、住宅性能評価と言葉がよく似ていて、紛らわしく、誤解されやすいのですが、実行する機関も目的もまったく違うのです。

住宅性能保証という文字だけ読めば、あたかも同機構ができ上がった住宅の品質性能そのものの保証を、注文者に対してする制度のようにとられがちですが、そうではなくて、それは国交省の外郭団体である(財)住宅性能保証機構が住宅生産者のために、もし欠陥があって瑕疵担保責任を負う、つまり補修をしなければならないときに、住宅生産(供給)者が住宅を取得した注文者や買い受け人に負担する修繕代などの支払を一定金額まで保証するもので、生産者のための一種の債務保証制度のことです。

ただし、引き渡し後一年内はこの支払い保証の請求ができないことや、保証される原因となる欠陥の程度や範囲などについても約款上の制限があります。

確かに、同機関には性能保証住宅設計施工基準や標準仕様書があり、保証住宅については建築中に検査員が性能保証基準通りの施工がされているかを現場審査します。しかし、施工の始めら終りまで、あなたのためにチェックするというものではありません。あくまでも同保証機構が保証業務を円滑に行うためにチェックしているだけのことです。仮に欠陥があったところで貴方が同保証機構に責任を問えるものではありません。

これに対して住宅品確法に基づく住宅性能評価手続きは、法律(住宅品質確保法)によって指定された住宅性能評価機関が、下の表の9分野の性能項目についてその選択通りのレベルで設計され施工されているかをチェックするものです。

建築基準法令上の確認手続きがされることを前提に、まず設計の段階で設計住宅性能評価をし、合格しておれば設計住宅性能評価書を交付するとともに、それを受けた住宅についてだけさらに施工の主な段階でチェックして設計住宅性能評価書通りの施工がされているか確かめ建設住宅性能評価書を交付します。

日本住宅性能表示基準 (9分野)

@ 構造の安定に関すること
A 火災時の安全に関すること
B 劣化の軽減に関すること
C 維持管理への配慮に関すること
D 湿熱環境に関すること
E 空気環境に関すること
F 光・視環境に関すること
G 音環境に関すること
H 高齢者への配慮に関すること

 ですからこの住宅性能評価手続はまさしくあなたのために主な住宅の性能項目(左表)について、その希望レベルの性能をもっているかをチェックするものです(ただし、音環境については選択制です)。  ただ、そのチェックされる性能項目は住宅の主要な性能項目をほぼ網羅していますが、設計図書のすべてにわたってチェックするものではありませんので、そのすべてにわたって約束通りの施工がされているかどうかをチェックするためには、やはり建築士による設計と工事監理が必要です。これにこの住宅性能評価手続きを併せてとられるのがベターです。

澤田 和也
(平成17年7月11日)