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●新着情報
欠陥住宅を正す会の窓

昭和53年以来30年に亘って欠陥住宅被害者救済活動を続けている

         欠陥住宅を正す会では、

このホームページで欠陥住宅問題のホットなニュース、新判例など被害救済に役立つ学習記事をお届けします。

 

―正す会の窓・・・その65―

 平成17年11月更新の“正す会の窓・・・その18”より平成20年9月の“正す会の窓・・・その57”に25回に亘って『欠陥住宅Q&A』を連載し、永らくご愛読いただきました。
 本年3月号よりは、≪住まいの相談Q&A≫と題する新連載をお届けいたします。
これは昭和55年から60年にかけて朝日新聞『みんなの暮らし』欄〔大阪本社版〕に40回に亘って連載されたものです。
 当時は、欠陥建築の相談には、今日のように欠陥原因の技術的、建築法規的な究明がなされず、実体法からの体系化もなくて、具体的な被害解決の手引きとなるものがありませんでした。
当会が朝日新聞社から依頼を受け、欠陥住宅の相談回答をしたのがおそらく欠陥住宅法律相談の始まりでしよう。これは欠陥住宅紛争解決の生きた法的処方箋を示したものとして今でも自負しています。
 すでに数十年を経ており工法や設備には進歩が見られますが、基本的な問題は変わらず
業者の手抜きによる欠陥と被害者の苦悩は今も昔も変わりません。
    代表的な相談事例を網羅していますので、お役に立つことと存じます。

(平21・3・1)

≪住いの相談 Q&A その1≫

【朝日新聞『みんなの暮らし』欄〔大阪本社版〕に
昭和55年7月より40回にわたり連載】

新築住宅にラワン虫
 木造二階建ての住宅を新築しました。せっかくのマイホームですのに引渡しの時からラワン虫(ヒラタキクイ虫)を数匹発見し、色々なところに虫食い穴を発見しました。
入居後も毎日2,3匹ずつ発見します。業者に苦情を言うと、殺虫スプレーで処理したというのですが心配です。この補償はどうなるのでしょうか。
請負業者に補償責任
 ラワン材は従来、主として室内で目に触れる幅木とか天井周りとか窓周りに使われるだけでした。この場合なら、虫くいあとの部分に殺虫薬液を注入し(スプレーの塗布だけではダメ)、程度がひどいときは、造作材を取り替えるなどの方法でラワン虫の繁殖を止めることができました。しかし、最近ではラワン材は天井裏や、床下などの下地材や、ベニヤ板として押入れ内部や床そのものにも使用されたり、耐力パネルとして柱がわりに側壁にも使われており、虫くい穴が見えるところだけ薬液を注入しても、必ずしもラワン虫の繁殖が止まるとは言い切れません。
 繁殖の程度や場所により、内装材をとりはずし、殺虫処理をする必要があり、場合によってはその期間中居住できないときもあります。処理後はペンキの塗り替えや、下地材の取り替えなどとともに、内装のやり直しなど室内の復旧作業をしたり、美装をやり直す必要があります。従ってかなりの費用がかかりますので、業者によっては目に見える所のスプレーの塗布のみでゴマ化したり、材料についていたものだから業者に責任はないと言い逃れをする場合もあるでしょう。
 仮にメーカーとの関係では材料納入業者が防虫処理が不十分だった責任を負わなければならない時があるとしても、新築請負業者は注文者であるあなたに対しては請負契約上の補償責任(瑕疵担保責任)があり、殺虫処理とそれに伴う復元作業を完全にすべき義務があります。
 その期間は木造家屋ですから法律上は引渡し日より5年ですが、大抵の業者が使用する定型印刷物の契約書では1年または2年に短縮していますので、今一度契約書を取り出し、その期間を確認してください。本当に殺虫処理する気があるのなら、3ヶ月もしないうちに処理をするはずです。口先だけでするといっていても半年たってもしないとか、処理の仕方にゴマ化しが見られる時は、建築家などの専門家に相談され、検査し、処理と復元作業の費用を見積もってもらい、あなたの方で法律家などの別の専門家に頼んで、その金額を損害賠償として右期間内にメーカーに請求するのが安心な方法です。

(昭和55年7月10日 澤田和也)