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●新着情報
欠陥住宅を正す会の窓

昭和53年以来30年に亘って欠陥住宅被害者救済活動を続けている

         欠陥住宅を正す会では、

このホームページで欠陥住宅問題のホットなニュース、新判例など被害救済に役立つ学習記事をお届けします。

 

―正す会の窓・・・その91―

空気が澄んで、金木犀の香りが何処からか流れてきます。
朝夕の冷やかな空気も心地よく感じられる季節になりました。
今回は家造りの最初の選択、建築士の選び方についてのご質問です。
代表幹事の“被害体験記”ともリンクする内容です。並行してご覧ください。

(平 22・10・12)

≪住まいの相談 Q&A その29≫

【朝日新聞『みんなの暮らし』欄〔大阪本社版〕に
昭和55年7月より40回にわたり連載】

住宅の設計・監理どこに依頼
 住宅の新築を計画しています。設計と工事監理は建築士に頼んだ方がよいと聞いていますが、ある業者に相談したところ「当社には一級建築士がいて、設計や監理も一緒にしてあげます。請負代金だけで結構です。設計料はサービスさせていただきます」とすすめられました。果たしてどうしたものか、と迷っています。
独立した建築士に
 住宅の注文でトラブルを起こすもととなるのは、消費者が注文にあたって描いていたイメージと、実際の出来上がりとのズレです。契約時に設計図や仕様書(見積もり明細書)が整っていても、建築に明るくない消費者にとっては、はたして自分の意向が十分に盛り込まれているのか分からず、出来上がり結果についてもはたして注文通りなのかどうか、分かりかねるのが通例です。
 このような点を専門的な立場でアドバイスしてくれ、消費者の意向に沿って設計し、見積もりの当否を確かめ、施工が注文通りかの工事監理をするのが、建築士法に定められた建築士の役割です。施工業者にも建築士が雇用されていて、設計や工事監理に当たっているところも多くあります。建築士であるからには消費者の知識不足を補い、同じように設計監理に当たらねばならないことは、この建築士法の定めから本来、当然のことなのです。
 しかし、実際には雇用されている建築士が、業者の意向に反してまでも消費者サイドに徹することは難しく、トラブルや欠陥を生んでいる事例が多く見られます。やはり業者には雇用されていない設計監理専業の建築士に、十分あなたの意向を告げて、設計監理を依頼されるのがベターだと思います。ただ、この場合でも建築士の選択が大切です。業者との癒着がなく、職能意識の強い人を選ぶべきです。実際に依頼するまでに幾度も相談してみて、その人柄を確かめておくことです。
 設計料の点ですが、業者とて建築士を雇用している以上、全く無料で設計監理が出来るものではありません。ただ設計料という費用項目が契約上明記されていないだけで、その分は工事代金中に上乗せされていると考えるべきものでしょう。業者とて正当な利潤なしには企業の維持は出来ないからです。むしろ建築士に適正な見積もりを査定してもらえば、設計料分ぐらいは浮く場合もあることと思われます。そして欠陥やトラブルのない意向通りの家が出来上がれば、結局は安くついたこととなるのではないでしょうか。

(昭和58年12月22日)