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欠陥住宅を正す会の窓

昭和53年以来30年に亘って欠陥住宅被害者救済活動を続けている

         欠陥住宅を正す会では、

このホームページで欠陥住宅問題のホットなニュース、新判例など被害救済に役立つ学習記事をお届けします。

 

―正す会の窓・・・その99―

もうすぐ七夕です。
遠く飛鳥時代からの習わしといわれていますが
梅雨の明けるころと重なり、
年に一度のこの日、天上の恋人たちは中々天の河を渡ることができません。
今年は二人は逢うことができるのでしょうか・・・・

(平 23・7・1)

≪住まいの相談 Q&A その39≫

【朝日新聞『みんなの暮らし』欄〔大阪本社版〕に
昭和55年7月より40回にわたり連載】

鉄筋工事で家が傾く
 私の家は10年前に建売を買ったものです。境界から30センチメートルも離さずに、隣に鉄骨4階建ての建物がつくられました。基礎をつくる際、土留めをせずに境界ぎりぎりまで敷地を掘ったためだと思いますが、私の家が傾き、壁にヒビ割れが出来ています。補修してくれるように施主に交渉したのですが、「請負業者に言ってくれ」といい、業者は「1.5メートル以内の掘削だから土留めは無用だ」と、取り合ってくれません。
掘削との関係検討
 建てられる建物が鉄骨など大きく重いものであるほど、影響は大きくなりがちです。そこで建築基準法施行令も第7章の3で工事に伴う第三者に対する災害を予防するために、仮囲いなど相当な防護措置をとるよう定めています。
 たしかに、同章の136条の3では、隣地に近接して掘る場合その深さが1.5メートル以上となる時は、あらかじめ土留めを設けて地盤の崩壊などを防止しなければならない、としています。
 同条の趣旨は深さが1.5メートル以内ならばいつも土留めが不要としているものとは考えられません。1.5メートル以内であっても「地質状況などから土留めなしに掘れば隣地に影響が出ると思われる時には、第三者災害の防止の見地からあらかじめ相当な深さの土留めを設けるべきことは当然だからです。
 貴方の家に、構造上の欠陥があって隣地掘削による影響を受けやすかったとしても、隣地掘削に際し、被害を与えてもよいというものではありません。先ほどの条文中では、必要がある場合には隣家の基礎や地盤を補強して土地掘削による隣地の構造耐力の低下などを防止せよ、と定めているくらいです。従って、日本建築学会の技術基準では、工事に際し近隣の地盤や建物などの状況をあらかじめ調査して、相当な第三者災害の防止対策をたてよと指示しているのです。
 第三者の専門家に依頼されてまずあなたの家を調査してもらい、その傾きの程度や方向、ひび割れの状況などが隣地掘削と関係があるかどうか、地盤や排水管などの埋没物の状況はどうかなど検討してもらうことです。その結果、客観的にも被害が裏付けられ隣地施工業者が以上の配慮を尽くしていないと判断されれば、当然民法709条によって相当な補修費用などの損害賠償を求められます。また、施主についても、近所に迷惑をかけないように工事してくれと業者に指示すべき義務があるとした判例もあります。状況によりますが同様の損害賠償を求められる場合が多いものと思われます。

(昭和60年3月14日)