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*****欠陥住宅対策の道しるべ*****
   
   
  前回のホームページ更新時より新設しました欠陥住宅対策の道しるべの第2回目として、『欠陥住宅被害者に対するアドバイス ――調査鑑定者から―― 』を今回掲載いたします。 これは去る11月17日の東京例会での勉強会で、当会建築総括専門委員の一級建築士村岡信爾先生のお話を澤田和也が要約し若干付加したものです。
   
 

(その2) 欠陥住宅被害者に対するアドバイス
          ―― 調査鑑定者から ――

   
 

 20年来『欠陥住宅を正す会』で欠陥住宅の相談や調査鑑定に携わっていて感じるのは、一般の被害者は目で見えたり体で感じたりする不具合事象をしきりに気にされすぎることである。


 たしかに、不具合事象は使用上又は見た目の欠陥ではあるけれども、これをいくら並べ立ててもその原因となる設計や施工の誤り又は手抜きをはっきりとさせない限り相当な補修や賠償請求には結びつかない。 それで、とりあえず初回調査を頼まれた場合でもできるだけ欠陥原因を探すようにしている。 このことを消費者には理解してもらいにくいのか、鑑定書を書いてもあれもこれもと不具合事象を指摘してほしいと言われ、こちらが裁判のことを考え欠陥原因としての法令基準違反を主とする構造欠陥に的を絞っても依頼者にはなかなか満足してもらえない。 賠償の問題は弁護士の専門なので詳しくは言わないけれども、ちょっと補修をすればよい美匠や仕上げの欠陥をいくら並べ立てても賠償金の金額には結びつかないものだと思う。 大幅な修繕を必要とする構造の手抜きに重点を置いて調査鑑定をしているのも裁判の成果を思ってのことである。 これはもとより裁判にあたる弁護士の方から依頼者に説得していることとは思うが、依頼者も我々が何故欠陥の指摘を絞っているのかを理解してほしい。


 よそでの調査鑑定書を示されたことかあるが、それには200カ所ほどの主として美匠仕上げの不具合事象の羅列があって、鑑定者は結論として『これだけ欠陥があれば結局は取り壊し建てかえなければならないと』書いていた。 しかし、いくら美匠仕上げの欠陥が多くても構造の問題が出てこない限り取り壊し建てかえの問題は起きてこない。 建築士なら判っているはずなのにそういう鑑定書を書くのは、結局依頼者側に多くの欠陥を指摘してもらいたがる傾向のあることと、取り壊し建てかえを求める依頼者の本来的な求めを混ぜ合わせて、依頼者の気に入るように書いているのだとしか思えない。 その罪の一端は依頼者即ち消費者の無理解にもあるのだということを判ってほしいのである。

   
  (18・11・28 澤田 和也)
 

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