阪神大震災や姉歯問題等をうけて、今般建物の安全性を確保するための新しい法律制定や改正が行なわれることとなりました。

　又、欠陥住宅について、勝訴判決は得たものの業者に資力がなく補修や損害賠償をうけられない事態を防止し、消費者救済の実をあげるため、業者に一定の保証金を供託させ、又は瑕疵担保責任確保保険を掛けさせるための法律が策定され制定公布の運びになっています。

　これらは従来から叫ばれていた欠陥住宅被害防止や被害救済の実行性のために必要な対策の法案化で、充分とは云えないまでも消費者保護対策の現れです。 これら法制の策定に、日本弁護士連合会住宅紛争解決機関検討委員会副委員長として参与した澤田が、これらの概要を判り易くご説明し皆様方のご参考に供したいと存じます。

　　この“欠陥調査の方法について”は、長年マンション建築に携わってきた施工管理出身の両名が、そのノウハウをご教示いたします。

　バブル期以来、地価下落で長らく業者に抱かれていた都心の一等場所に、折からの景気回復にあわせ高層マンションが数多く建てられつつあります。同時にひところ郊外に広がっていた新築住宅も、団塊の世代や一般消費者の高齢化に伴って何かと便利な都心へと住宅回帰が始まっています。

ところで、せっかく都心に憧れのマンションを買ったものの騒音、水漏れ、結露、ひび割れなどの欠陥が相次ぎ、一体誰に欠陥の補修や賠償などを求めたらいいのか・・・。ちょっとした補修をしようと思っても、欠陥は共有部分にまたがっていることが多く、その時には管理組合の協力がなければ欠陥回復もままならないなど、全く消費者泣かせの難問だらけです。又中古マンションを買った場合にも同様の問題が起こりますが、そのときは誰に対して補修や賠償の請求をするのでしょうか。残念ながら思い余っての売り逃げという最悪の事態も生まれています。

そこでこれらの難問を、
新築購入の場合には、
      ・誰に対してどのような請求ができるのか、
      ・欠陥が共有部分にまたがる場合、どのような手順で誰に対して協力を求め誰に対して
       補修や賠償の請求ができるのか、施工会社はもとより仲介会社にも求められるのか、
      ・契約の解除もできるのであろうか、
            などについて当会体験者の事例をご紹介しつつ、弁護士、建築士、
            消費者で問題討議を致したいと存じます。
また中古マンションの場合には、
      ・請求する相手方はどうなるのか、
      ・誰に対してどのような場合契約の解除ができるのか、
            ということについて討議をするとともに
補修とメンテの違い、
            などマンションにまつわる難問についても、わかりやすくご説明申しあげたいと存じます。