暑中お見舞い申し上げます。
<正す会通信・・・その52> 霞ヶ関と欠陥住宅
総選挙が近づいて政党の霞ヶ関解体の声がマスコミを賑あわせている。何か日本の政治の停滞が全て霞ヶ関に原因があるかのように伝え、責任ある知事までもが霞ヶ関を解体すれば国政がスムーズに自治体主導で進むかのように騒いでいる。霞ヶ関を解体すれば国政が円滑に隅々まで届くというのか。話しは解体だけで終わりその後が続かない。
30年以上も続けてきた欠陥住宅被害者救済の問題で、政党や知事が具体的な欠陥住宅被害予防や救済の対策作りを進めていると見聞した事実は一度もない。霞ヶ関の人達が弁護士会や建築士会や各種団体に諮問して、住宅品質確保法や瑕疵担保責任履行の確保に関する法律やその他建築基準法や建築士法の改正強化などを進めてくれたのである。これら立法が欠陥住宅を根絶したわけではないが7割方の被害救済を実現したのだと私は思っている。かえって優秀な日本の行政官僚機構は票や利権にとらわれる事なく動く。霞ヶ関を誹る前に霞ヶ関と互角又はそれ以上に霞ヶ関を使う能力を身につけることが先決であろう。皮肉めくが票や利権に関係のない消費者保護対策は、政党や知事からは見放されつつも、優秀な日本の官僚機構によって支えられているのだと思う。
だからマスコミでの霞ヶ関解体の大合唱が犬の遠吠えと聞こえ不快感をもよおすのである。
(21・6・29 澤田和也) |