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欠陥住宅を正す会の窓

昭和53年以来30年に亘って欠陥住宅被害者救済活動を続けている

         欠陥住宅を正す会では、

このホームページで欠陥住宅問題のホットなニュース、新判例など被害救済に役立つ学習記事をお届けいたします。

 

―正す会の窓・・・その105―

四月に入っても関西地方は肌寒い不安定な天気が続いていましたが、ここ数日、ようやく陽気も落ち着いて春たけなわとなってまいりました。
サクラ前線も北上しています。皆様方の地方の桜はいかがでしょうか。
今月も前回に続き代表幹事が「欠陥住宅」というタイトルで平成10年に毎日新聞に連載した文章をご紹介します。

(平 24・4・20)

欠 陥 住 宅・・・その2

【毎日新聞(東京版)土曜日朝刊生活家庭欄
「住まいを考える」に7回にわたり連載】

地震で倒壊するケースも

――手抜き対象は見えない部分――

 

 前回で触れたように、下請・孫請け・ひ孫受けといく度もの下請け(十畳敵下請)による住宅生産システムがとられている結果、末端の直接施工業者は利潤確保のため、できるだけ生産原価を切り詰めようとする。
マスコミの広告媒体や週刊誌などで住宅のスタイリングや内外装設備などは詳しく宣伝されており、消費者もこの種のインテリややエクス照りやなどの商品知識は豊富である。したがって商品としての住宅である限り、これを手抜きすることはできない。手抜きの対処は内外装に覆われ、消費者の知識も関心も低い地盤補強、基礎、骨組みなどの構造に集中する。
 性質が悪いことに、この建物構造こそが建物に安全性を持たせるための物で、構造の手抜きは安全性の手抜きにほかならない。
 先般の阪神大震災でも震度7地帯のすべての建物が倒壊したのではない。つぶれた家は、老朽化していた家だけではなく、新しい住宅でも法律が定めた安全(耐震)基準を手抜きされた家だった。この事実はなぜかあまり報道されていないが、今後教訓としては重要である。

 写真でお見せする神戸市東灘区山の手のN邸は、地震よりも3年前に2億円近い請負代金が支払われた豪邸である。ツボあたり100万円を超える家だから誰もが構造の手抜きなどあるまいと思っていた。しかも、施工業者だけに頼んだのではなく、設計や工事監理に独立した設計事務所も着けている。どうしてこのような欠陥あったかは後で触れるとして、この王なツボあたり100万円を超える住宅でも、構造の手抜きがされれば東海する。皮肉なことにその隣家は健全であったことに注目してほしい。
 このN邸は木造建物の法定構造基準として大切な筋交や耐力壁が局単に手抜きされていたのである。しかも柱や梁などの構造部材と構造部材を結ぶ接合部(仕口や継手)も手抜きされ、するべきホゾ加工もされず月つけの釘一本の箇所もあったのである。
 際版で業者は、予期せぬ大地震のためこの建物が潰れたのであると抗弁している。自身で潰れたことは争いのない事実であるが、法廷の構造基準を手抜きした業者が、つぶれたことに責任を問われなくても良いのかという形で、この訴訟は進んであるのである。

(平成10・5・16)