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絵本・童話・保育書専門店

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       エッセー

AMAZON」の絶版本はすごい!!

お客さんが店頭にみえて聞かれました。
「福音館書店の、よるのびょういん、という絵本を探しているのですが・・・・」
その本は以前にも問い合わせがありました。その時もネットで調べて品切れであることを承知していました。それでももう一度ネットで調べてみるとやはり出版社で品切れを起こしています。
「あいにく、店頭の在庫は切らしています、ネットで調べると出版社も在庫を持ってないようですから、現在は入手は困難のようですね」
「ここならあると思ったんですけど・・・・」残念そうにおっしゃいました。
そう、言っていただけるのは嬉しいことですが、何せ出版社が在庫を切らしているのでは、どうしょうもありません。
注文しても入らないのですから。
「ちょっと待ってください、別のところで調べてみますから」
そう言って、「AMAZON」で検索してみました。
すると、新刊本はやはり無いのですが、中古本なら何冊もあり、購入は可能のようでした。
ところが、その金額を見てびっくり、最低は3900円、最高は6100円ではありませんか!!
元は840円です。
ようするに、新刊で手に入らないので、5倍以上のプレミアがついているのです。
そのことをお客さんに伝えると、驚いた様子ですが、どうしても欲しいようで、家に帰って自分で注文するということでしたす。
 「AMAZON」は新刊書も販売していますが、本を扱っている個人店も参画しているので、新刊書と中古本とが混在しているのです。
それにしても、6100円は立派といか、すごいというか、暴利です。
しかし、全国にはどうしてもその本が欲しいというお客さんがいるのですから、6100円でしか手に入らなくても買われるのでしょうね。
他の品切れ本はどうなっているのか気になったので調べてみると。
「まどのそとのそのまたむこう」福音館書店 3800円〜6000円
「ぼくのおじいちゃんのかお」福音館書店 6800円
「そんなときなんていう」岩波書店 1979年 45200円
「ねえさんといもうと」福音館書店 4499円〜9999円
需要と供給とはいえ、これらの金額はどうなんでしょうか?
「そんなときなんていう」岩波書店 1979年 45200円   ともに2011年11月現在価格
45200円なんて、狂気です。
ところで、花のき村は開店から27年、ある方に言わせると、絶版本の宝庫だそうです。
絶版本を在庫している、というのは聞こえがいいですが、要するに「売れ残り」「デッドストック」なのです。
先日も、あるお客さんが、絶版本ばかり段ボール一箱分買っていかれました。
書店主はどれが絶版なのか知らなくても、お客さまの方がよくご存じのようです。
ちなみに、今でも花のき村の店頭には、「ベネッセ」「リブロポート」「篠崎書林」の本が何点かストックされています。
興味のある方はご一報を!


「日本語を考える」

外国人が日本で、仕事するとか学校へ行くとなると、日本語が必須となる。
その能力を知るのに、「日本語能力試験」というものがある。
レベルはN5〜N1まである。
N1が一番難しく、合格率は30%くらいだという。
以前、私がN1の試験問題を解いてみたところ、なるほど難しいと思った。
日本人の私なら、N1は合格するだろうが、100点取れるかというと、自信はない。
何が難しいかというと、そこには、正しい日本語の使い方が求められているからだ。
私たち(あるいは、私だけかもしれないが)は普段日本語を使っている訳だが、曖昧な部分も意味が通じるということで、許してしまうことがある。
一例だが、
「昨日は、雪が降って寒いです、今日も寒いです」という会話があったとする。
正確に言えば、昨日の事は過去のことだから、「雪が降って寒かったです」というのが正しい。
でも、それを会話の中で注意する人はほとんどいない。
要するに、意味が通じて伝えたいことは分かるからだ。
「北海道は一度行ってみたいけど、でもお金が無い」こんな会話もありそうだ。
「行ってみたいけど、でも・・」
「けど」、「でも」と否定語が二回も出てくる。正しい日本語的に言うとおかしい。
この場合でも、日本人同士の会話なら、何の違和感もなく成立するだろう。
つまり、日本人はこのような会話を普段からしているのだ。
しかし、これが日本語の試験となると、そうはいかない。
正しい日本語が求められるのだ。
そんなところが、100点取るのは難しい所以だ。
また、問題もひっかけ系が多く、ちょい読みではその落とし穴に落ちてしまいそうなのだ。

語学を学んでいる人にとっては、細かい所が判然としないことがある。
例えば、「向こうから、先生がやってきた」と「向こうから、先生はやってきた」と、どう違うのですか?
そんな質問を受けたら、あなたならどのように答えますか?
日本人なら「どっちもOKだよ」「同じだよ」と答えるかもしれません。
でも、学習者にとっては、とても重要なことで、「が」と「は」に使い分けが無い、なんて考えられないのです。
どちらもOKなんて言われたら、ますます分からなくなってしまいます。
日本人なら、こういう場合には「が」を使い、こういう場合には「は」を使いますと説明したいものです。
ところが、私にも上手く説明はできません。
困ったものです。

ついでに言うと、上に書いた「どっちもOKだよ」は、正しくは「どちらもOKだよ」になると思います。
さらに、「同じ」は文字にしてしまえば「同じ」ですが、話言葉としては「おなじ」も「おんなじ」も使います。
こうして考えると、私たちは普段、曖昧というか、いい加減に日本語を使っているのがよく分かります。





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