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絵本・童話・保育書専門店

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         あくまで私的絵本館

「良い絵本」を紹介するつもりはありません。
面白いから買ってください、という本でもありません。
人気の本ではありません、話題の本でもありません。
もしかして、買って欲しくない本しれません。
ですから、万一買って「面白くないじゃないか」と言われても、クレームは一切受け付けません。
「あくまで私的絵本館」です。

 「悪い本」 岩崎書店刊 宮部みゆき文 吉田尚令絵 1575円
 これは「悪い本」です。
 これは「悪い本」です。
 これは「悪い本」です。
 こんなに悪い本は見たことありません。
 この本を寝る前に読むときっと眠れなくなります。
 これは「悪い本」です。
 これは「悪い本」です。だから「悪い本」です。


                   ★ ☆

 「まってる」 千倉書房 デビッド・カリー 小山薫堂訳
  1575円
 昔、「ぼくを探しに」や「おおきな木」を読んだ時と同じ感覚を覚え た。カット絵のように必要最小限にとどめた絵。各ページで重要な役 割をはたす、赤い毛糸。無駄な言葉を省いた短い文章。
                子どもにはこの奥の深さが分かんないだろーな。
                あと20年したら読んでみな。

                   ☆ ★


  「しごとば」 ブロンズ新社 鈴木のりたけ 1785円
 この絵本に何回笑わせてもらったことか、何回感心させられたことか。
 その精密な描写に驚きを覚えるのは当たり前だが、作者の各ページにちりばめられ た遊び心に感動。
 例えば、書店員のページは最低10回は笑わされる。
 「いるいるバァ」あの名作「いないなばあ」のパロディーだが、表紙はくまではな く、おばあさん。だから「いるいるバァ」
 その他「トラさんの男はヅラだよ」「はらぺこあおむし」は「空腹虫」「からすのパンやさん」は「からすの晩ごはん」・・・・
しっかりしたデッサン力、緻密な絵、アイデア、新しい絵本作家の中では、突出している。
「ぼくのトイレ」「ぼくのおふろ」も秀作だ。

                  ★ ☆


 「妖怪横丁」 絵本館刊 広瀬克也 1260円
 久しぶりに読んだ、おもしろ本。
 絵が実に良い。
 細かいところまで見ているだけで楽しい。
 こんなおつかいまっぴらだけど、こんな横丁があったら楽しい。
 最後の一言が絶妙「もしかして、おまえは、にんげんかい?」



                  ☆ ★


 「でんせつのきょだいあんまんをはこべ」 講談社刊 1470円
  サトシン文 よしながこうたく絵
  題名が良い、「でんせつのきょだいあんまんをはこべ」だ。
  こんな長ったらしい題名を付けるのには勇気がいる。
  しかも全部ひらがな。
  本文も全部ひらがな、なんと読みにくいことか。そこも良い。
  結末は、笑える。あの勇ましいアリたちが涙流して食べるはめになる。
  絵は「給食番長」で頭角をあらわした、よしながこうたく。

                  ★ ☆


 「ひともじえほん」 福音館書店  410円 こんどうりょうへいさく
  福音館書店の月刊絵本、こどものとも 2011年11月号
  NHKの「サラリーマンNEO」が好きでよく見ている。
  その番組の中で、「サラリーマン体操」をやっているのが、この絵本の作者
  近藤良平だ。その体操は結構バカバカしいのだが、この絵本も輪をかけてバカ  バカしい。いい大人がよくやるよねって感じ。
  でもよーく見るとどのページも面白い、よく考えている。
  読みながらページをめくるのだが、次にどんな「ひともじ」になっているのか
  わくわくする。
特に疲れたサラリーマンに読んでもらいたい。元気がでる訳ではない、明日からの活力になる訳でもない
だが、明日からひょっとして、やれるかもと錯覚させてくれる絵本。
            

                 ★ ☆


「なみ」 講談社刊 1470円 スージー・リー作絵
 文字無し絵本だが、横長の画面で、今にも波の音が聞こえてきそう。
 海と子どもを題材にしているが、実は親子の有り様を描いた絵本。
 かもめが脇役だが、いい演技をしている。

        
                 ★ ☆



  「なおみ」 福音館書店刊 945円 2007年10月発行
   谷川俊太郎文 沢渡朔 写真
 こんな絵本が世の中にあっていいのか。
 絶対に売れない本。
 お客さんに、「うちの子3歳なんですけど、いい絵本はないですか?」
 そんな時この絵本を紹介でもしたら、そのお客さんは二度と店には来ないでせう
 
まもなく絶版になると思います。
 絶版になると全国の谷川ファンはこれを血眼になって捜すでしょう。
 こんな絵本を世に出した福音館書店に、拍手!!。


                 ☆ ★


 「トラのじゅうたんになりたかったトラ」 岩波書店刊 1470円
  ジェラルド・ローズ文・絵 ふしみみさお訳
 絵本の見本みたいな絵本。
 絵本ってこうして話を広げて、こういう結末で・・・・
 絵もこの話にぴったり。
 「This is 絵本」という言い方がぴったり合う。
 奇をてらった絵本が多い昨今、こんなオーソドックスな絵本を読むと何だか嬉しく なる。こんな世の中だからこそ、読んでみたい一冊。


                 ★ ☆

 「プラテーロとわたし」 理論社刊 1680円
  J.Rヒメネス文 長新太絵
 長新太マニアとしては、長さんの本も紹介したいと思い、どれにしようかなと色 々振り返ってみましたが、今回はあえて、これにしました。
 文章も勿論いいのですが、長さんの挿し絵が実に良い。
 簡単な線で描かれていますが、話の内容にぴったり。
 過剰に説明的ではなく、控え目ですが、文章を一段と引き立たせています。
 20年以上前に読んだ本ですが、長さんの絵の素晴らしさ、感性、恐ろしさを知 ったのはこの本でした。それ以来、長さんマニアになりました。

                 ☆ ★

 「あさになったのでまどをあけますよ」 偕成社刊 荒井良二作 1365円
 まるで画集を開いているようだ。
 今まで知っている荒井良二の絵とは明らかに違う。
 荒井良二のアーチストとしての非凡な才能を改めて見せつけられた。
 日本の風景とその光を見事に描いている。
 表紙は白いカーテン、そこに朝の光が差し込む。
 「さあ、朝になりましたよ、窓を開けますよ・・・」
 荒井良二、さすがである。


                 ★ ☆

 「石田徹也遺作集」 求龍堂刊 3150円
 31歳で夭折した画家、石田徹也の画集。
 以前、NHKの日曜美術館で特集として放映された。
 私は、何気なく観ていたが、しだいに画面から目が離せなくなってしまった。
 これは、狂気なのか、幻想なのか、現実なのか・・・・
 描かれた人たちの無表情がすべてを表している。
時に目を疑い、時に共感し、時に吐き気をも覚える画集である。
 



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