東北行(12/3/28〜4/1)
3月30日(金) 3日目
5:38 だったそうだ。9階の部屋が、ユラユラ揺れた。
7時頃に宿を出た。
仙台駅の東の方は新しいビルやマンションが多く建設されている。
景気がいいんやろな。
仙台駅、7:34 発、仙石線(高城町行)に乗った。
仙石線は震災で不通区間があるので高城町までしか行けない。
終点まで行くつもりだったが、
松島海岸駅で下車。
不通区間は、矢本駅までバスによる代行運転だそうだ。
あまり時間がないが、ブラブラ。
被害が少ないといわれているが、やはりダメージはある。
サッサと戻る。
戻ってきた仙台行きに乗った。
調べてみると、矢本駅から石巻駅まで行き、石巻線で東北本線の小牛田駅まで行けるみたいだ。
本塩釜駅で降車。
また、高城行きをホームで待っていたら、なんと、向かいのホームに入ってきた。
逆のホームで待っていたんや!!!
思いっきりダッシュ。
昨日の米沢牛・牛タンのパワーで間に合った・・・。
今度は、時間があったので、ここまでブラブラ。
売店のおじさんによると、松島湾は入り口が狭くて奥が広いので、津波の被害は、大きな被害が出た隣の東松島
よりは少なくてすんだそうだ。けど、福島の原発事故のせいで、外国人の観光客がほとんどゼロになったそうだ。
ここの辺りで、1.8 m ほどの津波が来たそうだ。
お店はキレイに修復されている。
9:42 発の代行バスで矢本駅に向かって出発。
仙石線の線路の横を走る。
ところどころ亀裂がある。
沿岸部に来ると津波の被害が出ていた。初めて目の当たりにした。
建物が流されて更地のようになっている。
道路を越えても被害が出ている・・・。
橋の欄干、街灯も破壊されている。
10:25 矢本駅に到着。
矢本駅、10:33 発、仙石線(石巻行)に乗る。
10:48 石巻駅着。
10:51 発、石巻線(小牛田行)に乗り換え。
11:28 小牛田駅着。
11:32 発、東北本線(一ノ関行)に乗り換え。
一ノ関駅で、12:21 発、大船渡線(気仙沼行)に乗り換え。
大船渡線のこの区間は初乗りだ。
長閑な田園風景。
気仙沼駅、13:40 着。
駅前の辺りは、被害はない。
市役所前。この辺りに建物のがれきがあふれ、自動車が転がっている映像をTVで見た。
きれいに元通りにされている。
しかし、少し港方向に進むと、
、
弱かっただろう建物が流されたりして、更地のようになっている。
立ち上がった人々もいる。
仮設の店舗。
僕が、2010 年の夏に訪れた居酒屋ぴんぽん。
1階は被害を受け、2階で営業しているらしい。
ここの魚屋さんで、いろいろ買って自宅へ送った。
破壊された街中に立っていても、まるで現実のように思えない。
お腹が減っていたので、再開していたかまぼこ屋さんで笹かまを2つ買って食べた。
柔らかくて美味い。
ここのカフェでエスプレッソを飲みながら、マスターと常連さんの会話を横で聞く。
僕は記者でもないので、津波のことを自ら訊くようなことはできない。
だから、津波を体験した人が、話してくれるの待つしかできない。
僕のように余所から来る人のことをどう思うかと訊いたら、
近頃は、ありのままを見ていってくれたらというふうに考えていると言って頂けた。
重い気分が、多少、軽くなったような気がした。
港の施設も破壊されている。
港が大きく地盤沈下している。
魚市場の施設はかさ上げ工事の最中だ。
シャーク館の前に漁船が・・・。
この辺りを襲ったの津波は相当高かったようだ。
こういう光景を見ると、神戸の震災の時のメリケン波止場を思い起こす。
高台に登ってみると、
疲れてきたので、一旦、宿に戻った。
一休みしてから、良い時刻になってきたので、また港の方に向かった。
5時半過ぎ、居酒屋ぴんぽんに到着。
もう、営業していた。人気店なので、心配したが、まだ空いていた。
常連さんに遠慮して、カウンターの隅っこに座る。
絶品の刺身の盛りに始まって、いろいろ頂く。
マグロの心臓の弁なんかも、食した。
しばらくして、ご夫婦のお客さんが、僕の隣りに座った。
もちろん、僕からは何も訊けないが、差し障りのないことを話しているうちに、話して頂けた。
ご夫婦は自宅を含めて全て流されたそうだ。お二人は別の場所にいたので、各々避難されて助かったそうだ。
東京に住んでいる娘さんに連絡して、お互いの所在がわかったそうだ。そして娘さんに「生きててくれて有難う。」と
言われたそうだ。娘さんの友達で、ご両親を亡くされ、「帰る故郷がなくなった。」と嘆いておられた方がいたそうだ。
僕は、一言も発することができなかった・・・・・・・・・。
ぴんぽんの壁には、いろんなお客さんの名刺が貼ってあったので、僕も名刺を置いてきた。
店の人は、「永久保存版のところに張っておく。」と言ってくれたので、僕のことを知りたい人は、ぜひ、
ピンポンに行って探してみて。優しい常連さんで賑わっていて、本当に良い居酒屋なんで。
「また、来ます。」と言って店を後にした。
街を一人で歩いていると、なぜ、こんなにいい人達が、
こんなヒドイ目に遭わなくちゃならないのかと無性に悔しく、悲しくなってきた・・・。