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当会前代表幹事 早草實先生 ご逝去

一級建築士早草實先生は『住宅のクレームに悩む消費者の会』時代から同会の発展に尽くされるとともに、この会をあらためて『欠陥住宅を正す会』として発足させた昭和54年8月から同56年5月までは当会前代表幹事を務められましたが、先週ご子息より、先生が本年9月11日ご逝去された旨のご連絡に接しました。

享年94歳でご天寿を全うされました。

先生のご偉業は、何よりもまず『住宅のクレームに悩む消費者の会』に建築専門家として参加し、
      「悩んでいるばかりではダメだ」として
『欠陥住宅を正す会』に組織を発展させ、『欠陥住宅を正す会』として組織を向上させられたことにありますが、『クレームに悩む会』時代より、夙に建築基準関係法令を単なる取締り行政法規としてだけで捉えず、そこに盛られている法令基準を建築物の品質についての最低限の性能レベルを示したものとして理解され、それを欠陥住宅調査鑑定書作成に適応され、裁判所にこのことを認識させられたことにあります。

これは、早草先生の鑑定書による『正す会』会員の訴訟以前の判決には、『瑕疵判断の基準』として、同法令が取り上げられていなかったことでも明らかです。

当時まだ、建築基準関係法令を単なる行政取り締り法規とみて、建築基準関係法規を建物の自由な設計施工を縛る桎梏としてだけしか理解していなかった建築業界において、建物の最低限の品質基準のレベルを定めたものとして観念され、それを欠陥住宅調査鑑定書で唱導され、翻って司法界に欠陥判断の基準として最低限の砦であることを認識させ、数々の取り壊し建て替え損認容判決の欠陥判断基準の重要な根拠を与えられたことにあります。

昭和56年5月の代表幹事ご退任後は『欠陥住宅を正す会』顧問として、当会専門委員に相当指示を与えていただきました。

平成4〜5年以降はご老齢のため、ご自宅でご静養され、ことある毎に、我々に対し力強いメッセージを送っていただいておりましたが、今回ご天寿全うのご訃報に接した次第です。

ここに、先生の当会の建設期とその後の隆盛期に果たされた指導的業績をご顕彰申し上げ、会員一同先生に感謝の意を表するとともに、先生のご遺徳をお偲びする次第です。

なお先生のご業績をしのび
        「正す会の窓・・・その58」
             欠陥住宅を正す活動の思い出・・・その4
             早草先生(1) ―欠陥判断の基準を教えてくれた人―

       「正す会の窓・・・その59」
             欠陥住宅を正す活動の思い出・・・その5
             早草先生(2) ―先生の人となりと思い出―

                              を掲載させていただきます。

 これらはいずれも先生ご存命中の平成19年に書かれたもので、先生ご逝去の今、若干表現に違和感のあるのはお許し願いたいと存じます。

(平成20年10月10日)