管理者: 水谷 喬次
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車検整備

このサイトは自分で車検を取るための情報を載せています。

車検整備について


「車の構造や機構に関して決められた法律、正確には運輸省令(現在は国土交通省)は、道路運送車両の保安基準と自動車点検基準の二つがあります。車検の場合は保安基準に適合しているかを判断し、定期点検は点検基準に適合しているかを判断します。道路運送車両法改正で定期点検整備は車検の前後を問わないことになりました。この結果、「残り1ミリのブレーキパッドでも車検に通ることになります。(なぜなら、保安基準の中にはパッドの残量に関する規定(数値)などは入っていません)この事から定期点検の重要さが判ってもらえると思います。自分の身を守るためにも、また、他人に迷惑をかけないためにもユーザー自身の責任で定期点検整備を実施して下さい。決して費用を安く上げようと思わないで。自家用乗用車は1年ごとに点検を行う項目が決められています。日常点検では、ブレーキなど内部の部品の摩耗や劣化まではわかりません。そのため、1年に一度、定期点検整備を行い、車の外観からでは見えない消耗部品等が、現在どのような状態かを把握し、必要に応じて部品の交換などを行い、いつでも安心して乗れるよう、マイカーの健康状態をチェックしましょう。
ここでは部品の交換、調整等の方法は載せません。(車種によって方法が違ってきます。ディーラーで修理書、整備解説書を手に入れられるのが良いと思います)

整備一覧
エンジン点検 室内点検 足廻り点検 下廻り点検

車・バイクのメンテナンスには工具販売 通販店のSEEDまで


「エンジンルーム」

「パワステ、その他ベルト類」

パワステに関しては漏れと量の点検、ポンプ取り付け部のゆるみ、ホース接続部のゆるみ、ベルトのゆるみ、損傷が指定されています。漏れは駐車した場所のフロアの状態で判断できますし、取り付け部の状態は、ステアリングの操作状況や異音発生の有無で確認できます。一部の車種には、油圧ではなくて電動パワステもあるので、該当しない項目は空欄のままか、ーを入れておきます。その他、補器類のベルトも調整できる様になっています。

「冷却装置」

エンジン冷却系は、1年ごとにベルトのゆるみ、損傷の点検と水漏れの点検をするように指定されています。漏れはサブタンクの量や目視によるチェックで問題ありません。ファンベルトは指で押してみて張力を確認します。最近は、電動ファン装着車が大半ですが、そのときはベルトの項目は空欄のままか、ーを入れておきます。ラジエータホースはロアーよりもアッパーの方が痛みやすい様です。

「点火装置」

点火装置ではプラグの状態と点火時期、ディストリビューターキャップの状態を点検します。ただし白金プラグ使用の場合は省略できます(明示する)。点火時期はタイミングライトが必要です。他の部分については、亀裂や損傷、摩耗が発生していないか目視点検します。プラグコード等を抜くときはキャップ部分を持って抜きます。現在はデスビーはブラックボックス化していてノーメンテになっています。注意するのはハイテンションコードの緩みに注意してください。

「燃料装置」

燃料装置では、燃料漏れとリンク機構の状態、スロットルバルブ、チョークバルブの状態が指定されています。漏れは、できれば下にもぐって、タンクからエンジンルームまでをたどって点検します。リンク機構は、手で動かしてガタや摩耗等をチェックします。スロットル、チョークバルブはエンジンをかけてそれぞれ異常がなければOKです。



「バッテリー、電気配線」

バッテリーは手でターミナルの緩みをチェックします。無理に締めるとネジを壊すので注意。
ターミナルが白っぽく腐食していたら、ワイヤーブラシで清掃します。バッテリー液のレベルも見ておいたほうが良いでしょう。電気配線は、アース線の状態もチェックします。あと、配線を揺すってみて接触不良が発生しないかを点検します。ケーブルの取り付け時は(外す時も)順番を間違わない様に。

「エンジン」

ここでは、排気ガスの状態、オイルの漏れ、エアクリーナーの状態が指定されています。排気の色が極端に白かったり青かったり黒かったりしないことをアイドリングと空吹かしによってチェックします。本来なら排ガステスターでチェックしますが、触媒が異常高温を表示しなければ規定内と判断できます。エアクリーナーは汚れや、目詰まりを目視点検しますが、判りにくいので二万キロぐらい使用していたら交換します。オイルと冷却水の点検は、日常点検の項目として指定されています。オイルの漏れはヘッドカバーのパッキンをチェックします。それと、公害発散防止装置等の項目がありますが、ディーラーで確認したところ、この欄はチェックマークを入れておいても良いそうです(排ガス検査で合格すればOK)

「運転席」

「ステアリング機構」

「操作具合」と言った漠然とした項目が指定されているだけですが、ハンドルの振れや、左右の取られ、操作時の重さや戻り具合を走行してみてチェックします。あと、車を停止させて、前後左右上下に動かしてガタの点検をします。同時に、タイヤが動き出すまでのアソビ量を点検します(0〜3oくらい)。

「パーキングブレーキ」

引きしろと効き具合の点検が指定されています。引きしろは、強く引いて3〜5ノッチくらいになれば、ほぼ、正常と判断します。
効き具合は、ジャッキアップしたタイヤのナットをレンチで締めてみてタイヤが完全に固定できるならOKと判断できます。



「ブレーキペダル」

踏み込んだときの床からの高さとアソビ、効き具合を点検する。アソビの点検はエンジンを停止してペダルを数回踏み込んでブースター内を大気圧状態にした上で測定します。

床からの高さは、エンジンを始動して通常の状態でペダルを強く踏み込み、フロアとペダルの間を測定します。効き具合は、日常運転していて判っていると思います。

「クラッチペダル」

アソビと、切れたときの床との隙間を点検します。アソビは、ペダルを手で押してみて動きが重くなるまでの距離。(油圧式と機械式で若干の違いがある)切れたときの隙間は、アイドリング状態でクラッチをつないで、半クラッチ状態になる寸前までの距離。この二つの寸法を計測する。

「足廻り」

「ホイールアライメント」

テスターが必要なのでユーザー自身が点検するのは無理です。タイヤの異常摩耗、車体の傾き、ハンドルを直進状態にしていても真っ直ぐ走らない等の症状がなければ、車検を兼ねてぶっつけ本番でも問題ありません。不合格になればテスター屋さんで調整して再検をうけます。



「ショックアブソーバ」

本体からの油漏れやケースの損傷、スプリングの損傷を点検します。チェック箇所としては、シャフト部分の傷、曲がり、ケースのへこみ、スプリングシートの摩耗具合、ストラット取り付け部の緩み等です。

油漏れしているときは交換するしかありません。

「サスペンション」

サスペンション取り付け部や連結部分の緩みと損傷を点検します。ガタは、ジャッキアップした状態で各部のパーツを揺すってみてチェック。同時に、ボールジョイントのダストブーツの損傷をチェック。緩みは、各ボルトをメガネレンチで締めてチェックします。(締めすぎに注意)



「タイヤ・ホイール」

タイヤの溝の深さ、異常摩耗とホイールベアリングのガタ、ナットの緩みを点検します。溝の深さは、スリップサイン(タイヤの周囲に数カ所△印がついている)の状態で判断します。ベアリングは、ジャッキアップした状態で回転させたときに異音がしないことをチェックします。ホイールの上下を手でもって前後に動かし、ガタがないことを確認します。ナットの緩みは、取り付けたときに十分締めておけば車検を受けるまでにはまずゆるみません。レンチでチェックします。

「ディスクブレーキ・ドラム」

ブレーキはディスクとパッドの隙間、パッドの摩耗、ディスクの摩耗と損傷、ドラムとライニングの隙間、シューの摺動部分、ライニングの摩耗、ドラムの摩耗、損傷について点検します。隙間点検については、ブレーキの踏みしろが正常で、効き具合に問題なければOKです。パッドやディスクの摩耗や損傷は、ホイールを外せば目視点検が可能です。

ロータの厚みを正確に測るのならマイクロメーターを使用します。ノギスではパッドの当たっていないところを測るので正確な値はでません。
(写真ではノギスを使用しています。)

パッドの残量はキャリパーの点検窓から、ある程度判断できますが片減りをしている場合もあるので注意する事



「マスターシリンダ・ホイールシリンダ・ディスクキャリパ」

液漏れと部品の機能、摩耗、損傷点検をします。マスターシリンダーの液漏れは室内側に発生する時とブースター側に発生する時があります。どちらもシミの有無によって目視点検します。キャリパー及びホイールシリンダーは、ピストンやシリンダーの廻りにシミが発生して無ければ大丈夫です。ブレーキフルードは通常、2年に1回交換します。

「下廻り」

「エンジン・トランスミッション・デフオイル」

漏れと油量を点検する
ミッションとデフは、漏れがなければ量は省略します。エンジンオイルは、漏れの点検項目のみですが日常点検で量と汚れ具合が指定されています。必ずチェックしましょう。リフトアップできればベストですが、駐車した場所の床面のシミに注意するだけでも判ります。

「ステアリングギヤボックス・ロッドアーム類」

ギヤボックスは、取り付け部の緩みを点検します。メガネレンチで締めてみて緩みのないことを確認します。ロッド類は、手で揺すってみてガタのないことを確認します。あと、割ピンの曲がりや抜け、ボールジョイントのブーツ破れなどが無い事をチェックします。

「プロペラシャフト・ドライブシャフト」

連結部分の緩みは、ジャッキアップ状態で接続ボルトに工具を当てて締めてみます。(かなり腕力がいります)また、手で握って揺らしたりしてガタのチェックをします。ダストブーツは、目視点検です。ヒダの部分が破れているときは、見落としやすいので注意します。また、固定バンドが外れたり緩んだりしていないかチェックします。ブーツの破れを見落とすと、中のグリスが飛び散り、ホイールハウスにべったりくっつきます。ベアリングまでイカレルとかなりの高額出費になります。

「ブレーキホース・パイプ」

液漏れ、損傷、取り付け状態を点検します。
ブレーキ系の漏れは、他のオイル類とは異なり、滲みも修理の対象になります。ホースは、ねじってみてヒビ割れや傷に注意します。(曲げて、ヒビ割れが出るようなら即刻交換します)
取り付け状態は、ホースを止めているクランプの状態、パイプとホースのつなぎ目をチェックします。

「ブレーキロッド・ケーブル類

これは、サイドブレーキ系の機構。緩み、ガタ、損傷が指定されています。ロッドやケーブルを手で握って揺らしたり引っ張ったりして損傷のないことを確認します。ワイヤーを調節する箇所で、少し引っ張ってみて緩みをチェックします。あと、ケーブルのカバーの損傷、ロッドの接続部分、ピンのガタや状態もチェックします。



「エキパイ・マフラー」

取り付けの緩みと損傷、マフラーの機能、遮熱板の取り付けの緩みと損傷が指定されています。機能点検というと何となく難しそうに感じますが、これは至って簡単。排気の音を耳で聞いてみて異常を感じなければ問題ありません。損傷や緩みは、主としてエキゾーストパイプのクランプ部分の点検をします。手で揺すったり目で見たりしてチェックします。排気で黒くなった部分があれば漏れがあります。

マフラーを吊っているゴムの部品は切れている事があるので注意する。

「ボディ・建て付け等」
○○○○○○○○イメージ

大半の車は、モノコックでフレームという部分は存在しませんが、穴に落ちたときのショックとか、縁石に強く当てたときのショックによってメンバー(取り付け部材)が損傷していないか、ドアの建て付けやボンネットの建て付けに異常が発生していないかなどといったボディ全体について点検します。

開閉の多いドア部分は、ストライカー部分にガタが出ることが多いようです。

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