管理者: 水谷 喬次
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COLUMN'03

「ダウンヒル・ダービーって知ってた?」

「大型装置産業の事故なぜ多い?」

「今、大阪が熱い!」

「ユーザー車検の現状その奥に潜むもの」

「クソったれアメリカ」



2003年11月23日

「ダウンヒル・ダービーって知ってた?」

岡崎中央総合公園にて皆さん、ダウンヒル・ダービーって知ってました?実は、私の地元の岡崎市で今月の8日、9日第4回全日本ダウンヒル・ダービー選手権大会が開催されました。今回、友人からボランティアスタッフを依頼され、お手伝いさせてもらいました。

ダウンヒル・ダービーとは、簡単に言えば、モーターの付いていない手作りの乗り物(カート)で、重力の力だけで坂を下る速さを競う競技です。青少年のためにアメリカで発祥した競技で、「ソープボックスダービー」の名前で1934年以来アメリカ全土で開催されているそうです。「オール・アメリカン・ソープボックス・ダービー」(AASBD)と呼ばれる世界大会は、オハイオ州アクロンのその名も「ダービー・タウンズ」というレース場で毎年開かれています。アメリカ発祥の競技ですが、手作りの乗り物に乗って丘を下るということ自体はどこの国でも、青少年にとっては変わらぬ人気を誇る遊びです。もともとは青少年のためのスポーツでしたが、いまでは大人も大いに楽しんで参加するようになりました。坂を下るだけの簡単な構造の乗り物ですから、“Do It Yourself”(手作り)が得意な人も、ちょっと苦手な人も、気楽に参加することができます。また、専門的な技術をもつ人にとっては、もっと「高度」なマシンを作って腕前を披露する絶好の機会です。

今年は、小学生から大人まで男女の別なく53チームが参加し、その中には巣鴨(東京)から参加していた小学生もいました。また、現役のレーシングドライバーも参加しており内容としてはバラエティに富んだ大会だと思います。家族で参加しているチームも多く、親子対決でハッスルしているお父さんもいました(ハッスルしすぎてクラッシュしてしまいました)。私は、コースマーシャルを担当し競技車を間近で見れたわけですが、ドライバーの表情を見ていると恐怖に引きつった顔、一点を見つめてハンドルを切る表情など様々でした。大会の雰囲気としては、地元FM局のスタッフの実況もあり飽きさせない内容です。また、家族が一つになって何かに打ち込む姿を見ていると「家族」というものの大切さ、ありがたさというものを考えさせられます。このような家族なら、「虐待」だとか「親を殺害した」などの事件は起きないと思います。皆さんも参加されてみてはいかがでしょうか?レギュレーションはシンプルですが、それだけに奥が深い競技だと思います。

興味のある方は、特定非営利活動法人(NPO)全日本ダウンヒル・ダービー協会まで。

2003年10月11日

「大型装置産業の事故なぜ多い?」

9月に新日本製鉄名古屋製鉄所(愛知県東海市)のガスタンク爆発事故、ブリジストン栃木工場(栃木県黒磯市)、出光興産北海道製油所(北海道苫小牧市)の火災など大型装置産業での事故が多発した。その他、名古屋でのエクソンモービルの火災、三重県多度町のごみ固形燃料(RDF)発電所の爆発事故も起きている。 こういった機械設備の故障発生頻度には稼働初期には故障が多く、改良を重ねて安定しその後、老巧化で再び故障が増えてくるという「バスタブ曲線」の理論がある。ごみ固形燃料(RDF)発電所の爆発事故は稼働初期だったみたいだし、新日鉄名古屋製鉄所のガスタンク爆発事故はおそらく後者であろう。特に鉄鋼メーカは、バブル崩壊後の経済不況の中、統合やリストラなど赤字経営が続き、設備が更新されず古いままだった。加えて中国の世界貿易機関(WTO)加盟を機に自動車メーカーの中国進出が加速され、需要が増大しトラブルが起こりやすい状態になっていたと考えられる。

装置産業では一般的にタンクや炉などの中の状態が直接見えない。自動車産業のような加工組立では、作業の途中で異常に気づけばすぐにラインを止めて対策をとれる。しかし、装置産業の場合は、事故が起きて初めて問題が明らかになるケースが多い。設備の補修・維持が重要となるが、熟練の修理工はリストラで真っ先に首を切られ、現場は外国人や派遣労働者に置き換わった。彼らはマニュアルに従うだけで異常時の対応はできない。と、言うか対応させれない)今までの製造業は社員同士のコミュニケーションに優れていたと思うのだが、雇用形態の多様化が意思疎通しにくいという弊害ももたらしたと思う。さらに、「効果が見えにくい」「予算がない」といった効率を重視する観点や「きつい、汚い、危険」の3Kで働く従業員と管理職社員には意識のずれみたいなものがあり、現場の改善策が上に届かないという事情もある。

対策としては、ハード面では設備更新や異常を感知できるセンサー設置の他、補修要員の増員があげられる。ソフト面では従業員の意識改革だろうがこれが難しい。日常にゆとりが無く自分のことで精一杯、結果だけを求められプロセスは二の次という現状を打破し、意識改革を進めるには頻繁にミーティングを開いて危機感を共有していく事しかないと思う。部下を持つ人たちには阪神タイガースを18年ぶりに優勝に導いた星野仙一監督の意識改革の手法を是非参考にしてもらいたい。

2003年7月26日

「今、大阪が熱い!」

プロ野球に興味のない方には野球のテレビ放映の時間延長を以前から苦々しく思っておられるに違いない。ジャイアンツ中心の放送プログラムが組まれ、某テレビ局が放映権を独占してきた。しかし、今年はちょっと様子が違う。横浜ベイスターズのオーナーにTBSがなったり放映権も各局が放映するようになってきた。しかし、何が一番違うかと言えば野球そのもの、特にセ・リーグのペナントレースであろう。ジャイアンツが去年優勝した傲りからか現時点では、Bクラスに低迷し首位に20.5ゲーム差を付けられている。その首位を行くチームはというとあの阪神タイガースである。阪神タイガースといえば18年前の、バース、掛布、岡田のクリーンアップで優勝して以来「優勝」という二文字から遠ざかっていた。あれ以来、誰が監督をしても万年Bクラスに低迷して来たが去年から星野監督になり今年になって現在首位(マジック36)を独走している。

こうなってくると黙っていられなくなるのが大阪の人たちである。元来がパワーがある人々だ。数年前、姪の結婚式で大阪へ行ったことがあってその時大阪の夜の街に繰り出したのだが、ある飲み屋に入ったところ、どうもそこはタイガースファンのたまり場のような所で、当時タイガースは低迷していたのであるが客はそんなもんどこ吹く風で血気盛んに相手チームをヤジっていた。負けてもこよなくタイガースを愛する人たちである。

そんな大阪で今、一つの議論がわき起こっている。きっかけは太田大阪府知事が言った「道頓堀飛び込み容認論」。中身はというと飛び込みたい人からお金を徴収してそれを財源に道頓堀を浄化していこうというもの。市長は反対のようであるが先週には川ざらいを担当局が実施した。この議論、実施までには紆余曲折があると思われるが個人としては面白いアイデアだと思う。このアイデアが成功すれば我がドラゴンズの本拠地「名古屋の堀川」もきれいになるだろう。ドラゴンズが優勝すればの話だが・・・・・・・・・。優勝決定日は大阪ミナミは大騒ぎになることは間違いない。その元気さ、パワーを全国に広めてほしい。そうなればリストラ、失業、倒産、自己破産等、何かと閉塞感のある今の世の中が少しでも良くなり人々に活気が戻ってくるかもしれない。そういう意味でもドラファンとしては阪神タイガースには今年だけ優勝してもらいたい。

2003年5月17日

「ユーザー車検の現状その奥に潜むもの」

先日、久しぶりに車検場に行ってみた。軽自動車に乗るようになってからは行ってなかったので、5年ぶりぐらいである。当時は規制緩和が声高に云われていたときで、検査官の人たちも親切で(これは今も変わらないが)それなりに車好きな人にとっては一度は自分でやってみたいなと思われたに違いない。

そのような理由からHPを立ち上げたのであるが、5年たって当時と比べて何か違いがあるか聞いてみたところ「明らかに自分の車ではない人が車検を受けに来るのが非常に多くなった。」らしい。いわゆる車検代行業を生業とする人たちである。 この代行業というのは文字通り車検を受けるのを代行するのであって、整備等はしないのである。というより規則上他人の車を分解整備してはいけないことになっている。だから安い費用ですむのである。では、誰が整備するかと云えば車の持ち主本人か、依頼を受けた整備業者と云うことになる。

少しでも安く車検を受けたい気持ちは誰しも持っているが、ここで考えてほしいのが車検にかかる費用の大部分が税金等の諸費用だと云うこと。整備費用をケチって車両トラブルを起こしたり、ましてや事故にでもなろうものなら取り返しのつかないことになる。にもかかわらず代行業が繁盛している。車検場の所長さんが一番危惧しておられたのがこのような代行業者が持ち込んだ車が本当に整備されているのかはなはだ疑問だと云うこと。車検場ではブレーキ等は分解して見るわけではないので書類に間違いがなく、その時点で車に異常が見られなければ合格とせざるを得ない。

 

ユーザー自身で分解整備はできなくても点検整備ぐらいはできるだろう。24ヶ月法定点検はそれほど難しくはないと思う。要は自分で自分の車の面倒を見る気があるかないかだと思う。しっかり自分の車の状態を把握していれば不必要な部品を交換されることもないし、分解整備に立ち会って必要か必要でないか自分で判断して整備依頼できるところもあるので利用してみるのも良いかと思う。代行業者に頼むにしても自分でしっかり点検してから頼みたいものだ。ユーザー車検はあくまでも自己責任なのだから。

2003年4月7日

「クソったれアメリカ」

最近は今までよりニュースというものを気にするようになった。テレビ、ラジオ、新聞、さらにインターネット等、我々が情報を得る手段が多々ある中、感動したり、面白いと感じたりする明るい話題よりも、悲しくなったり、憤慨したり、怖いと感じたりする暗いニュースの方が多いような気がしてならない。

暗い話題のニュースとして一昨年の「アメリカの同時多発テロ」がある。米国人だけでなく全世界に驚きと悲しみ、それに怒りというものを与えた。この出来事がきっかけになって、今また「イラク戦争」が始まっている。奇しくも米国のニクソン大統領がベトナム終戦を宣言したのはちょうど30年前のこの時期。北爆に加え、地上戦に兵力をつぎ込み、枯れ葉剤などの新兵器も投入した。結果は58000人の戦死者を出し、米国は敗北を喫したのである。北ベトナムの民族主義、国際的な反戦世論・・・・・。理由はいくつか挙げられるだろう。30年後の今、戦いはハイテク化され戦死者は減るだろうが、同じ轍を踏むようなことになるのだろうか?

 

米ジャーナリストのハルバースタムの書いた「ベスト&ブライテスト」。彼はこの中で米国のベスト(最良で)ブライテスト(最も聡明な人々)が、なぜ戦争に固執したかを描いた。「アメリカニズムへの反省の書」というまえがきの中で、「彼らはベトナムと米国を理解していると思い、意のままに操作できると考えた点で傲慢だった」と書いている。相手は独裁者に支配された国で武器も貧弱だから投降者が相次ぎ、早期終結の見方が強かった。しかし抵抗は予想以上で、長引く気配を見せている。ネオコンサバティブ(アメリカ新保守主義)派のラムズフェルド国防長官らは10万人の増派を決め、民衆に犠牲者が相次ぐのに、ブッシュ大統領ともども民衆の「解放」も強調する。その思考は「聡明な人々」とダブって見える。今また、「アメリカニズムへの反省の書」が書かれることになるのだろうか。

また、地球の環境問題も深刻になりそうだ。ここ数年、「地球温暖化」が叫ばれている。人間の生活が便利になり、物が豊かになったりすると多くの資源が消費され地球全体に有害な問題が発生する。そこで、日本が議長国となって「京都議定書」なるものを制定したが米国はこれを批准していない。ここにも大国の一国主義、傲慢さが顔を覗かせている。「クソったれアメリカ!」である。

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