最近は今までよりニュースというものを気にするようになった。テレビ、ラジオ、新聞、さらにインターネット等、我々が情報を得る手段が多々ある中、感動したり、面白いと感じたりする明るい話題よりも、悲しくなったり、憤慨したり、怖いと感じたりする暗いニュースの方が多いような気がしてならない。
暗い話題のニュースとして一昨年の「アメリカの同時多発テロ」がある。米国人だけでなく全世界に驚きと悲しみ、それに怒りというものを与えた。この出来事がきっかけになって、今また「イラク戦争」が始まっている。奇しくも米国のニクソン大統領がベトナム終戦を宣言したのはちょうど30年前のこの時期。北爆に加え、地上戦に兵力をつぎ込み、枯れ葉剤などの新兵器も投入した。結果は58000人の戦死者を出し、米国は敗北を喫したのである。北ベトナムの民族主義、国際的な反戦世論・・・・・。理由はいくつか挙げられるだろう。30年後の今、戦いはハイテク化され戦死者は減るだろうが、同じ轍を踏むようなことになるのだろうか?
米ジャーナリストのハルバースタムの書いた「ベスト&ブライテスト」。彼はこの中で米国のベスト(最良で)ブライテスト(最も聡明な人々)が、なぜ戦争に固執したかを描いた。「アメリカニズムへの反省の書」というまえがきの中で、「彼らはベトナムと米国を理解していると思い、意のままに操作できると考えた点で傲慢だった」と書いている。相手は独裁者に支配された国で武器も貧弱だから投降者が相次ぎ、早期終結の見方が強かった。しかし抵抗は予想以上で、長引く気配を見せている。ネオコンサバティブ(アメリカ新保守主義)派のラムズフェルド国防長官らは10万人の増派を決め、民衆に犠牲者が相次ぐのに、ブッシュ大統領ともども民衆の「解放」も強調する。その思考は「聡明な人々」とダブって見える。今また、「アメリカニズムへの反省の書」が書かれることになるのだろうか。
また、地球の環境問題も深刻になりそうだ。ここ数年、「地球温暖化」が叫ばれている。人間の生活が便利になり、物が豊かになったりすると多くの資源が消費され地球全体に有害な問題が発生する。そこで、日本が議長国となって「京都議定書」なるものを制定したが米国はこれを批准していない。ここにも大国の一国主義、傲慢さが顔を覗かせている。「クソったれアメリカ!」である。
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