私が初めてここ(大阪市立伊賀野外活動センター)を訪れたのは1999年3月のことでした。
まだ残雪がちらほらするそれはそれは寒い場所のように記憶しています。
森に関する事、自然に対する事、あるいはそれが自分とどう関わっていくのか、
森林ボランティアとはいったいなんだろう。
そこに着くまでにそれなりの疑問符はたしかにいっぱいあった。
そのからみ合った、疑問符のたったひとつでいいからほどけたらそれはそれで
来てよかったになるのに。

 木を切る。そう木こりの真似事をしてみたかった。はじめはそんなことだった
かもしれない。いのちを倒す、そのことに最初はいろんな複雑な気持ちが入り交じった。
が、いつのまにか一心不乱に木を切っている自分がそこにある。
わけもなくがむしゃらに木を切ってる自分が笑えた。
えっ、森林ボランティアって木を切ることなのか。初めて気付いた。
それも一理ある。

 山の作業はきつい。何にもまして、その過酷な作業に多くの人が参加されている
のが驚きのひとつでもあった。
でも私と同様楽しみながら参加しているのだろう。どこかそういうよりどころを
かかえてやっているのだろう。
楽しみは苦労のむこう側にあって、山の気持ちよさも手伝って私は毎回満足してここを
あとにする。

 どうやら、その居心地のよさに私の身体は馴染んでいるようだ。
なにやら得体の知れぬ世界に引き込まれそうな確かな予感めいたものもある。
経験や知識も欲しかった。ちょうどそのへんのところも上手にくすぐられている。


森林ボランティアしっかりはまってしまった私かな。

                                    (O)

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