ちかごろ思う事

 

このあと10年何をするか

平成14年2月4日

48才になった時、たいへんだ!もう50才台になってしまう!
(この頃50才台は大変な歳だと思っていました)
60才になったらもう何もできない!どうしよう!とかなり動揺しました。
この10年で何もしなかったら俺は何のために生まれてきたのか分からない!
とまで思ったものです。
翌年の年賀状に50才台は「ワインと鳥と不登校」をやりますと宣言しました。
そして、その期限が早くも来てしまいましたので、総括をしてみます。
まずワインに関しては大原(達)、中尾両先生の師匠に恵まれ、
種類だけはたくさん飲んだのですが、どうも講釈が先に立ち、
味に関してはあまり解っていません。
ただお陰で何処のレストランへ行っても上客として扱って貰えるようになりました。
何故だか分かりませんがこの6ヶ月でレストランから4本もワインをもらってしまいました。
それも2軒は初めて行ったお店です。
ロバートモンダビのカベルネソービニオン94年とヌフドパプ98年
どちらもそう安くないワインだと思うのですが?
そんな訳でワインは上達しませんでしたが、
レストランでの飯の食い方は上手くなったのようです。
でもこれは有り難いことで、行けばそのお店の最高の料理が食べられると本人は信じています。
一方野鳥観察の方はというと、これも似たようなものです。
現在国内で320種、海外も含めると600種以上の野鳥を見ています。
こちらも佐藤、杉浦(皓)先生という大先輩に恵まれました。
我ながら熱心なバーダーで、鳥の情報があれば西に東に走りまわり、
一日700kmも運転したこともありました。
(最近は疲れが激しく300km以内に押さえています)
また3m程の崖から真っ逆さまに冬の巴川に転落し、寒さに震えながら
(着替えなんか持ってないしホントに寒かった)
帰ってきたこともありました。
でも岩で頭打ってたら、一巻の終わりでしたから運がよかったのかもしれません。
カメラも無事だったし。
事故でもないのにレッカー車でご帰還したことも2度。
トヨタの車(ハイラックスサーフ)ってやぐいんですかねえ?
乗り方が荒いだけですか。
ついに8万キロで買い換えました。
しかし熱心な割に鳥が覚わりません。
1年経つと忘れてしまいます。
それに、一度覚え間違うとなかなか修正が効きません。
未だにホトトギスとカッコウとツツドリを見間違えたりします。
(鳴き声を聞けば分かりますが)
これは老化現象でしょうか?
ところが、ある本に私の野鳥の写真が載ったことがあります。
それを見た東京の出版社から電話があり、是非月刊誌の表紙を1年やってもらいたいとのこと。
びっくりするやらうれしいやら。
発行部数3万程度の雑誌とはいえ「やったー」って気になるじゃないですか。
そんでもって36万円貰ったんですよ。
でもその何倍もお金使ってますが。
最後の登校拒否、何でこんなもんを入れたかというと、
ワインと鳥だけじゃ遊んでばかりでかっこ悪いというんで入れたんです。
日本で不登校児はどのくらいいるかというと、
中学生の約2.5%、岡崎市では3.7%もおり、しかも年々増えています。
また、日本では一人の女性が子どもを産む数が1.34人しかいません。
ということは、ほとんどの家庭が一人っ子か二人っ子ということになります。
その内一人が学校行かないなんてことになったらえらいことです。
下手をするとその家系が途絶えてしまいます。
これは小児科医が乗り出さなくてはいかん!と思った訳です。
始めてみて気付いたんですが、ここでも矢澤、杉浦(壽)両先生が先に始めておられました。
小児科医を永年やっているとみんな同じことを考えるようです。
しかし50の手習いで、どこから手を着けてよいか分かりません。
まず優秀な臨床心理士を捜してきて雇いました。
その臨床心理士の誘いで動作法なるものを勉強することになったんです。
これはクライエントをリラックスさせることにより何か変化を与えるという技法で
不登校児にも有効ではないかと思ったからです。
岡崎には吉川先生という動作法の天才がおられ、その人についてもう8年もやっています。
当初はこれはマイナーな技法だなあと思っていましたが、
5年ほど前、臨床心理士の資格試験の問題を見たら動作法が出ていたんで、
意外とメジャーになったんだと驚いたものです。
今では臨床動作学となり臨床動作士で大学教授になった方が
東北から九州まで10名を下らないほどになりました。
ところがこういうものは効いているのかどうか判定が難しいんですね。
ほっといても登校したのかもしれないし、
やらなかったらもっと早く行ったなんてこともあるかもしれない。
でも効いていると思ってやっております。
不登校事業でも華々しい戦果が挙がっているとは思えませんが、動作法だけは上手くなりました。
そんなこんなで10年近く経ってしまいました。
なんだかみんな横道にそれているように見えますが、
一応目標へ向かって歩んできたと思っています。
さてこの後10年は何をしたらよいのでしょう?
新しい項目をあげようかとも思いましたが、まだ3項目とも興味があり捨てる気にはなれません。
60才から後は、それまでに仕込んだものを発酵させ熟成させる時期かと思います。
発酵ですから焦ってはいけません。
「あわてず、焦らず、無理をせず」で行きたいと思います。
さて、70才になった時、どんなお酒が出来ておりますでしょうか?
「お酢」になっていなければよいのですが。

Akihiko Fukada