ちかごろ思う事

 

患者様

平成13年12月4日

最近「患者様」という言葉をよく聞くようになった。
ドクターからはあまり聞かれないが、講演会の前に行われる薬の宣伝の時に
プロパー諸氏が得意になって「患者様」と言っていることが多い。
私はどうもこの言葉に違和感を覚える。
岡崎弁で言えば「ぞぞげがたつ」思いがする。
何故こんな感じになるのだろうか考えてみた。
私たちが様をつけて呼ぶ人は誰がいるだろうか?
思い浮かべてみると、皇室関係では天皇様とは言わず、天皇陛下のような気がする。
皇后様は皇后陛下、でも美智子様と呼ぶこともある。
雅子様、紀子様は様と呼んでいると思う。
昔は、お父様、お母様と呼んでいたが、今そんな呼び方をする人はいない。
その他には神様、仏様くらいしか思い浮かばない。
そういえばお客様は神様ですと言っていた歌手がいた。
そうだ!奴らにとって患者さんはお客様であり神様なんだ。
だから「何でも言うこと聞くからお薬飲んでちょうだい」になってしまう訳だ。
つまり患者様という言葉は患者さんを大事に思っている心から出る言葉ではなく、
患者はお客である。
だから、拝み奉ってでも商品を売りつけてしまえ!
という根性から出た言葉だと思う。
それが私に無意識のうちに虫酸が走る思いをさせていたのだと理解できた。

Akihiko Fukada