ちかごろ思う事

 

クロガネモチの実とツグミたち

平成21年2月1日

当院の駐車場のロータリーに大きなクロガネモチの木がある。(HPトップ参照)30年ほど前、昔住んでいた矢作町から持ってきたものだ。私が子どもの頃、すでに大きかったから樹齢70年以上経っているものと思われる。その木は毎年冬になると何万個もの赤い実をつけてくれ、当院のシンボルツリーとして私の自慢の一つになっている。クリスマスの時なんか電飾するといいねとよく言われるが、木が傷むのでやっていない。その何万個もの実がどうなるかというと、毎年節分の頃何十羽ものツグミとヒヨドリの群が現れ、10日間ほどで全て食べ尽くしてしまう。ツグミは渡り鳥、ヒヨドリは留鳥であるから、一緒に行動している訳ないなあと思うのだが、毎年ほぼ同時に現れる。そして木のてっぺんから食べ始め、徐々に下へ移り、10日ほどで見事に食べ尽くしてしまうのである。そしておびただしい糞を残していずこともなく去っていく。
彼らが現れる時期であるが、毎年微妙に差がある。節分の頃、即ち2月の第1から第2週が多いのだが、早い年は12月から来る年もあった。この年は山の木の実が不作といわれていた年で、早めに里へ下りてきたと思われる。今年はやや早く、1月20日頃から現れた。例年はツグミの方が多いのだが、何故かほとんどヒヨドリで、ツグミはあまり見なかった。でも声は聞こえていたから多少は混じっていたようだ。
私の庭にも2~3羽のヒヨドリやツグミが来ている。外来の鳥たちがモチの実を食べている間も庭で遊んでおり、モチの実を食べ尽くし去った後も何事もなかったように来てくれる。どうも別の鳥たちのようだ。
また、近所の庭にピラカンサの木があり、たわわに赤い実をつけている。こちらにも例年ヒヨドリが来るのだが(ツグミも来ているかもしれないが見たことがない)、こちらの方が早い時期のようだ。どちらが先かは美味しい順かな?と食べてみたが、双方渋くて食えたもんじゃなかった。人間の味覚とはかなり違っているらしい。いや、彼らにそんな贅沢は許されないのかもしれない。
また、その群は昆群なのか、ヒヨドリ、ツグミ別々の群なのか分からないが、いつも行動を共にしているように思われる。そして、彼らは実のなる木を見つけ一本一本食べ尽くしながら移動しているのだろう。あるいは毎年同じ順で食べ歩いているのかもしれない。それなら去年と同じ群が来るのかなあと思うが調べる術を知らない。
そして彼らは今年も1月中に食べ終わり何処ともなく去っていった。

Akihiko Fukada